(F37) なぜ日本企業の生産性は向上しないのか?営業を科学し続けたソフトブレーンが導く最適解-1 by 渡辺佳奈 / 塩田賢二 (2020.2.21)より抜粋加筆しました。
⑴ 科学されてこなかった営業
世界経済フォーラムが発表しているデータによると、日本は以下の結果に終わっています。
①「新しいIT技術の採用」の項目において、
139ヶ国中2位
②労働生産性を調査したデータでは、
主要先進7ヶ国中最下位
以下の現状が2つのデータから読みとれます。
「日本はITを活用しているのに、生産性が上がらない国である」
なぜ、IT化の進度に反して生産性が上がらないのか。
ソフトブレーン社の長田氏は、考えられる要因を3つ挙げました。
⑵ 日本がITを活用しているのに生産性が低い理由
①「データのサイロ化」
基幹システム、名刺管理ツール、MA、グループウェアなど、
導入しているシステムやツールがバラバラで、情報も分散してしまっている企業がこのパターンにあてはまリます。
たとえば、グループウェアを導入してマネージャーが営業担当者の訪問先を把握できるようになっても、彼らが行くべき先に行けているかどうかまではマネジメントできません。
CRMやSFAのような営業支援システムをせっかく導入しても、管理をExcelで行っていては入力や報告の手間が増えてしまいます。
このやり方ではPDCAが回りません。
ⓐ同じような内容を何度もフォーマット別に書く必要があるので、時間がかかる
ⓑ情報が分断されてしまうので、マネジメントに必要な判断材料が集まらない
個別最適のシステムやツールがそれぞれの課題を解決しているだけで、全体的な課題は解決できていないと言えます。
②「営業を科学する視点がない」
営業は結果に至るプロセスがブラックボックス化されているケースが多い。
以下ということもよくあります。
「今月の会議では確度Aランクだった訪問先が、翌月の会議資料では消えている」
営業は勘や経験、根性に頼った属人的なスタイルに陥りがちで、プロセスマネジメントの考え方が抜け落ちてしまっていると言えます。
③「CRM、SFAが現場に定着しにくい」
営業の場合はExcelやメールで報連相を行うこともできるので、
ツールやシステムを導入する必然性が低い。
20年前に欧米から上陸したSFAやCRMが、
うまく日本に定着していない理由はそこにあると長田氏は指摘しました。
フィールドセールスが営業の主流を担う日本で外資系の営業支援ツールを活用するとなると、
毎日5〜6件の案件やスケジュールの登録作業が発生するため、そこで挫けてExcel管理に戻ってしまうのではないでしょうか。
営業情報を多く出す
→重要な情報を選別する
→一覧にして見やすくする
→分析をする
→次のアクションをする
最初の「営業情報を出す」という所から上手く行っていません。
在中国日系企業総経理の方が言う以下に繋がります。
「日報を書け!」