エッセイ473.いたたまれなかったあのとき(駄)
お久しぶりです。
とてもくだらないことを書きますので、お忙しい方は、頭に来ると思います。
閲読ご注意でお願いしますね。
むかーし昔あるところに、テレフォンカードとか、SFメトロカードとか、いうものがあったげな。
覚えていらっしゃいます?
今では私も、スマホとApple Watchに、遅ればせながら、お金を払うとか、乗り物に乗せてもらうお手伝いをしてもらっていますが、その昔は、定期入れにテレフォンカード、メトロカード、バスの定期・・などを詰め込んで歩き回っていたのですね。
で、そんなある日の話です。
忘れもせぬ、東京駅丸の内口にあった、公衆電話コーナーにて。
緑色の公衆電話がずらーっと、20台以上も並んでいました。
私が電話をかけようと、テレフォンカードを定期入れからゴソゴソ取り出しながら歩いて行って、一台の公衆電話の前に止まったと思し召せ。
で、カード挿入口に自分のテレフォンカードを入れようと思ったら、どなたかの忘れ物のカードがそこにありました。
さて、当時私は、いろいろなカードを集めていました。
キングジム(株)制作の、カードコレクションを入れていくフォルダーに、整理して集めていたぐらい。
そういえばあるとき、地下鉄の切符売り場で1枚のSFメトロカードを使い思ったら、0円になったのを目敏くキャッチなさったものか、一人の少年が駆け寄ってきました。で、
「エクスキューズミーですが、そのカード、
使い終わったなら僕にくださいませんか?」
と頼んできた。
その、いたいけな外国人少年に対し、
「アイムソーリー、
私もカードを集めているので、ごめんなさい」
とお断りしたこともあるのでした。
それはともかく、自分も電話をかけたいですから、まずそのカードを見下ろしながら、自分のカードで自分の電話を済ませました。
そのあとで、その忘れ物のカードに、まだ度数が残っているのなら遺失物係に届けるが、使い終わって捨て行かれたものならば、いただいて、しまっても、いいかな〜と思って、そのカードを、スロットに入れてみたのです。
そうしたら、そのカードにはびっくりするぐらいたくさん度数が残っていて、あららこれは・・と思った途端のことです。
後ろから、
「それ、私の!」
という声と共に、手が伸びてきました。
持ち主の方が戻ってこられたのです。
私が受話器をおくと、ピーピーと言いながら出てきたカードを、その伸びてきた手がさっと取り、その人は来たときと同じようにさーっとその場を離れて行きました。
そのあと私は思いました。
私、絶対、猫ババしようとしている人に、見えたよね?
・・・もうその人はその場にいませんし、いたとしても、
「あの、取ろうとしたわけではありません」
(盗ろう、の字のほうが合っているかなぁ)
と、私は言えたのでしょうか。
言えなかったかなぁ。
なんかもう、非常に、いたたまれませんでした。
他に、
成城郵便局前石ころ事件 とか、
都営バス01系統(新橋〜渋谷間)事件とか、
トラウマなことがあるのですが、そちらのほうはまあまあ時効(20年前)かもしれないので、いつか書いてみたいです。
三谷幸喜さん並みに、「気まずいこと」が多いのでした。