エッセイ502.「寅に翼」第10週第49話。Ach! Herr Honer! ホーナーさんたら!
昨日、ドラマ一緒に見るフレンドの定期毎日通信で、褒められました。
「tamadocaさんすごい!」
在米のこの人とは時差があり、お互いの仕事が始まる直前と、夜遅くしかチャットができません。
どちらかが非常に眠く、夫君がそばをうろちょろしている時間帯に、もう一方がシャワー浴びなくちゃとか思いつつ、会話している感じ。
で、どっちかが寝ているうちに、伝えておきたいことをだだだ〜と入力して仕事を始めたりしています。
まあなんというか、昔はやった「ペンパル」みたいな感じです。
今回も友達は、「すごい!」と褒めっぱなしで寝落ちされたようですが、なにを褒めてくれたかは後日わかりました。
多分、46話ぐらいをみた後で、私がこんなことを書き送ったのでした。
なんか途中、失礼なことも言っていますが、私がまた「寅に翼」はすごいと思ったのは、大きな伏線として、このホーナーさんが、「ドイツ訛りの英語を喋る人である」ことを、準備していたこと。
だって、よく聞かないと、「この人ネイティブじゃない、ドイツ人かスイス人で、英語のバイリンガルだ」ということはわからないです。
でもちゃんとやっている!
ドイツ語訛りは真似しやすい。私でもできます。
ドイツ語には Th サウンドがないので、this=zis , they =zei のようになります。
あと、W は V となるため、What? は Vat? Where は Vere? と言います。
私はかつて、たまたまドイツ人スイス人の生徒が多かったのと、大学で第二外国語がドイツ語であったのと、ドイツリートが好きなので、かろうじて気づくことができます。
なぜホーナーさんが、実はドイツ語が母語であるのかがわかるのは、第49話でした。
では、昔アルバイトでテープ起こしをしていた私が、画面についてきた字幕とともに、ここに再現したいと思います。
え、もう見たから要らん?
まあそう言わず。
始まり始まり・・・
寅子がホーナーさんにもらった一枚の板チョコを、不公平のないように小皿に割って置き、みんな一切れずつ口にして、感動・・
一同:あ、まぁ〜い・・・😌
そこへ、障子のガラス部分から覗く顔に気がつき、花江が きゃ! と驚く。
それはライアン沢村一樹と、日本側との架け橋になって働く、GHQスタッフのミスター・ホーナーさんでした。
座敷に通され、無理な正座をしているホーナーさんが言います。
ホーナー:Sadie san, you live in a nice, quiet area, don't you?
(静かないい所ですね)
寅子:Thank you.
(寅子はthが発音できる)
ホーナー:(一同に)どうも。ホーナーです。
ライアン沢木:どうも。いや〜もう、夜分ほんとに申し訳ない。
いや、ホーナーがどうーしても、今夜君に渡したいって・・・
寅子:え?
ホーナー:One lonely chocolate VAS(was) not enough for your family.
(やはりチョコ一枚では足りないでしょう)
(t: 一枚のチョコじゃ寂しくて、御一家には足りませんでしたね)
子供たち:チョコレート?
え?! チョコレート!?
ライアン:は、はっはっはっは・・・
ホーナーは込み上げるものが目を濡らしている。
ライアン、その肩を、励ますように叩く。
(ホーナーの役者さん、素人とか言ってごめんなさい!)
花江がそれを、けげんそうに見つめる・・
ホーナー、涙を抑えつつ・・
ホーナー:Please forgive me, I..when I see a family all together(togezaa) like this...I sometimes, I...
(字幕:いろいろ思い出してしまって)
(t:ご勘弁ください。こうしてご一家が一緒におられるのを見ると、私は時々その・・・)
寅子:ホーナーさん・・・
ライアン:ホーナーは祖父母がユダヤ人でね。
ドイツから亡命してアメリカに渡ったんだだから、戦争では大勢の親戚が犠牲になったそうでね。
・・・じわじわと飲み込めてくる花江の真剣な顔・・
寅子:そうだったんですか・・
弟直明:戦争で、何も傷ついてない人なんて、いないですよね。
(そうそう、代弁ありがとう直明!)
ライアン:うん、弟君の言う通りだね。
・・・気持ちを消化していくような花江の まなざし。
ホーナーは振り返り、子供たちにチョコレートを差し出しながら・・
ホーナー:Ahh...Here!
(どうぞ)
子供たちの歓声
子供たち:お母さん食べていいよね!
花江:(万感の思い・・)Thank you for children.
(花江も th 発音できる)
ホーナーNo, no, I'm just happy for them (zem) to enjoy it.
(なによりです ・・いい字幕だなぁ)
(t: いえいえ、喜んでもらえたら嬉しいです)
子供:お母さん、英語できるんだ
はる: そうよ、あなたたちのお母さんはね、女学校まで出たんですから。
(ここで私堤防決壊しました。
女学校卒ですぐ「嫁に来た」義理娘を、最初は仕込むつもり満々で、褒めたことがなかったのに、「嫁」と衝突し、息子が200%嫁の見方をして世帯を分離しても、それで関係をこじらすことなく、並外れた努力で、花江を一人の女性と認めることができるようになった、はる・・お母さん素敵!)
ホーナー: Let us work together (togezaa), Sadi san, for the sake of happiness of the children
(子供たちのために頑張りましょう)
寅子:Yes,n of course!
・・・メガネの下の眼をそっと拭う Herr ホーナー・・
いやいや本当に良かったですね。
家事は手抜きするが朝ドラは3回ずつ見る私に、
毎日の気力をつけてくれる素晴らしい「寅に翼」。
自分自身はもう、「すん」としなくても、だ〜れ〜からも文句が出ませんが、若い頃はあちこち、ピンボールのボールのようにがっちゃんビーン!とぶつかって、満身創痍でした。
だから寅子から目が離せません。
さあ、今日は見逃したので、今からNHKプラスで見てきますね。
今日も良かったですか?
見てきまーす!
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