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Foodies! その35.Hot cross buns!

ホット・クロス・バンといいますと、「熱い十字架丸パン」です。

ややこしいですが、パン、じゃなくて、バン、bunですね。

何かと言いますと、キリスト教では一年で一番大切な行事、
「復活祭」のときに作って食べる、シナモンの香りの丸いパン。
人間のために十字架にかかったキリストが
3日後に復活したことを祝うイースター(復活祭)の食べ物です。

ちなみに、英語で女性のお団子ヘアを、「バン」と呼びます。
お米の国日本では「おだんご」、パンの国では「バン=丸パン」なんですね。


さて、ホットクロスバンですが、
キリストの「受難日」である「聖金曜日」に食べることになっています。
でも、他の日でも食べるそうです。おいしいですから。


キリスト教の国でも、イギリスを中心にした、
アングロサクソン系の国で、多く食べられているとのこと。

我が家では、子供の小さいころには 
長期休みにひっかけずにニュージーランドに帰省することがありました。
ですので、4月の復活祭時期にも何回か行ったことがあります。

そのときには、スーパーにこのパンが山積みになります。
夫によると、買うのが普通だそうですが、
コロナ時代の今、お家で焼いた人が多かったことでしょう。

イースターバニーというウサギが子供のいる家を訪れて、
イースター・エッグという、彩色した卵を家や庭に隠すので、
エッグ・ハントを楽しみます。
久しぶりに会う孫たちのため、待ち構えていた祖父母が、
チョコレートのイースターバニーを用意し、
これもまたチョコレートの卵を銀紙で包んだものを買ってくれていて、
子供中心に大騒ぎ。
これは本当に楽しい思い出です。

その義父が8年前に物故し、98歳義母はまだまだ元気でおりますが、
しっかりしているとはいえ、手術のできない病も抱え、
目も不自由になりました。
元気なうちに、コロナウイルスの流行が収束してほしい、
そうしたら義母に会いに行きたいと 心から願っています。



さて、もう何年もホットクロスバンを食べていなかった旦那が、
数日前にぽつりと

「あ〜、ホットクロスバンが食べたいなぁ」

と言いました。
夫は翌日が久々の出勤日で 家にいませんでしたので、
うまく焼いて驚かせようと思ってしまい、朝から台所に篭りました。

いつもはオーツブランミックス(低糖質の粉)ですが、
この日は食パン専用の、ちょっといい強力粉を使いました。


シナモンというのは、こねても消えてしまわずに残るもので、
これがお店で売っているシナモンパンのマーブル模様のわけなのか、
と納得しました。

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結構たくさんシナモンとレーズンを入れます。


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いつもはしませんが、軽量しながらピッタリ63gずつに分け、
丁寧にまるめてみました。


クロスの部分ですが、買って食べているうちはお砂糖だと思っていましたが、
実は、強力粉と水と砂糖を混ぜたペーストを作り、絞り出すのでした。
そのペーストがどうにも硬すぎるように思え、少し水を足してしまいました。
余計なことをしましたため、これがまあ大失敗。

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小さい写真の真ん中のように、だらだらとなりまして、焼き上げてからシロップでツヤっとさせて ちぎってみますと、水分がしみていて生焼けの部分があり、泣く泣く様子を見ながら、焼きを足していきました。
クロスに見えるのは ほんのいくつかだけです。

そして、食べる方は「わ〜い」となっていて、クロスがあるかどうかとかは、
「見ちゃおれせんて〜」(正しい名古屋弁かな?)
ということになっていました。

焼きすぎになったのでしょう、ふわっというよりも、
「しっかり」な感じになり、手間かけた割には残念な感じになりました。
旦那からは、

「まあ、来年もイースターはあるし」

と慰労されましたが、1年経つといろいろ忘れそう。
それにふわっとしたのを食べたい気持ちがおさえられません。

それで、昨日も作ってみました。
クロスの部分のペーストが足りなくなったのは気にせずに焼きましたが、
残念ですが、焼く前は結構いけるかと思ったけど、いけませんでした。
ふわっとはなったので、熱いうちにバターをたっぷり塗って食べました。


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あと、2回目のやつを食べながら旦那が、
ゴソゴソと何か探していたかと思うと、自分の料理本を持ってきて、
「これって君のレシピと似てる?」
と私に見せました。







あっ、なんだこれは 😱






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クロスの部分は、お砂糖と水を煮詰めたものを絞り出せばよいのだそうです。
早く言ってよ〜🙉 と思いました。
そしたらあれだ、100均で売っている、ケーキデコペンの白いのでいいでしょう。
んもうぅぅぅ〜〜・・・・😭
しかも、家にあったし白いデコペン。



余談ですが、私はホットクロスバンのクロスの意味はわかっていたと思うのですが、ホットクロスバンにおける十字架は縦横比が同じで、
しかも丸いところのっているので、「十字架」との認識をしていませんでした。

ふうん、外国にも、島津氏の紋と同じ紋があるのねと思っていたのでした。


♪見えた見えたよ松原越しに
丸に十の字の おはらは〜帆が見えた♪ (鹿児島おはら節)


こちらですね。

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子供によく読んでいたので、一節だけ思い出せるホットクロスバンの歌です。

Hot cross buns!
Hot cross buns!
One a penny, two a penny,
Hot cross buns!

お母ちゃんもう一つ食べていい?
どうかな〜、ご飯が食べられなくなっちゃうよ。

そんな会話があったように思います。


子供たちが幼い頃が蘇る、ホットクロスバンの味でした。

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ガラパゴス諸島から来た日本語教師 tamadoca
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