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読まないと、書けない2️⃣
本を読むのは好きだけど、書き上げたことはない二人が、マイペースながらも力を合わせて一冊の本を作り上げる(予定)までの日記です。
前回の記事はこちら
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相棒のリトルにおススメされた、村田沙耶香さんの『信仰』を早速読んだ。
「なあ、永岡、俺と、新しくカルト始めない?」『信仰』村田沙耶香 | 単行本 - 文藝春秋
小説6編と、エッセイ2編で構成されていて、長いもので50ページ、短いものは10ページくらい。どの作品もテーマがくっきりしていて読みやすかった。特に『彼らの惑星へ帰っていくこと』というSF小説風エッセイでは、なぜ小説を書くのか、が語られているように感じられて、共感した。
リトルの言っていたクローンの話は『書かなかった小説』という作品だった。自分と同じ記憶を持っている存在がいたら、それは自分なのか?というテーマは大好物だし、途中から醸し出される不穏な雰囲気と、どこに向かっていくのか最後まで予測できない展開が、とても面白かった。
私はロボットの出てくる話を書こうとしているんだけど、怖い話にしたいと言ったからリトルが勧めてくれたんだな、ということもわかった。
創作のヒントになりそうなのは[シーンXX]という章立てで書かれていたところ。シーンをつなげることで短編って書けるのかもしれない、と勇気づけられた。50ページ書かないといけないと思うと尻込みしてしまうけど、たとえば、5ページ×10シーンなら、がんばれそうな気がする。
文章的なところでいうと、私の作品は短編にしては描写が細かすぎるのかもしれない、と感じた。自分では削れるところまで削ったつもりだったけど、改めて読み返すと、もっさりして見える。ただでさえなけなしの分量がこれ以上減るのは痛いけど、心を鬼にしてさらに削る・・・やったことないけど、盆栽みたいだな、なんて思っていたら、アレハンドロ・サンブラ『盆栽/木々の私生活』にこういう一節があるらしい。次はこの本を読みたい(はよ書けよ!)。
ものを書くことは盆栽の世話をすることに似ている(P.82)
ビッグM