2024/10/13 12万円や5万円の年金で暮らす高齢者がいる日本の社会におもうこと
母が亡くなって相続問題が起こり、さて、その母はいったいどくらい年金を受給していたのだろうかと気になった。私自身は、長生きして一人暮らしになったら、いくらもらえるのだろうかと不安になった。
父が亡くなった後、母は、つねづね、15万しかないんだよと言ってたのを思い出した。
15万が少ないのか、多いのか。そして、一人で暮らすのに十分なのか、足りないのか私にはよく分からなかったが、預金もあるのだからとあまり心配していなかった。
そんな母は、最後は介護施設に入居して、子供に金銭的援助を求めることなく亡くなった。おそらく一銭も持たずに田舎を出たであろう父は、家を建て、母に蓄えを残した。父、母ともに立派な一生だったと思う。
さて、少し話がそれたが、最近、少ない年金で上手に倹約しながら暮らしている女性のブログが目に入った。ある人の年金は12万円だそうだ。もう一人は、なんと5万円。さすがに5万には驚く。
極端な話だが、年金が月に1万円でも貯金が1億あれば心配ない(笑)。お二人ともブログに貯金がどのくらいあるかは書いていない。嘘だと言うつもりは全くないが、12万とか5万とかいう数字に注目しすぎてはいけない。
おそらくブログが出版社の目に留まったのであろう。お二人とも本を出している。倹約しながら元気に楽しく暮らす様子が書かれているようだ。私が気になるのは、本に書かれたお二人の暮らしぶりではなく、売れる理由だ。
読者は、自分が老いた時に十分な年金がもらえないのではないか、年金だけで暮らせるのかと不安を抱いている人たちだろう。そういう人が日本中にいっぱいいるということだ。
そのような本が売れる世の中は、はたして高齢者にとって幸せな社会だと言えるのだろうか。
お二人とも、離婚後ひとり暮らしをされている。夫婦ふたりのほうが老後は暮らしやすいのではないか。そう思うかもしれないが、私は逆ではないかと心配している。
私の父母のように、父が多少の蓄えを残して先に亡くなり、長生きしたのは母のみの場合は年金とあと少しの貯金で足りたが、夫婦二人揃って長生きして介護施設に入ることになった場合は、大変だ。必要な老後資金は2倍になる。
私もnoteに、そしてブログにあれこれ書いてバカな頭の中をさらしているが、家計簿やレシートを載せて私生活をさらすような倹約の記事は書きたくない。
この日本には、12万や5万の年金で暮らす高齢者はたくさんいる。倹約にのみ焦点を当て、高齢者の不安や苦しい現状、その真の原因を語らない出版社やマスコミは、論点をずらしているだけだ。
もちろん高齢者の側にも問題はあるが、倹約だけで解決できることではない。自戒を込めて、賢い高齢者でありたいと思う。
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