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2023/09/10 読書記録 写真を観察してみよう 『鵜の目鷹の目』

9/5の<つぶやき>にチラっと載せた浅瀬川原平著『鵜の目鷹の目』について書いてみようと思う。

1994年12月発行
月刊『日本カメラ』に連載(1989/01〜1992/06)されたもので構成されている。

赤瀬川さんによると、この本は「作品批評ではなく、作品観察とでもいえるもの」とのこと。

例えば、トップに載せた写真は、
石内都写真集『APARTMENT』の中の一枚。

赤瀬川さんは、「トレンディなアパート」というタイトルを付けている。

アパートの名前の「初根荘」より「アパート」という文字がドンと大きのはなぜだろう・・・
右下に並んでいる二脚の椅子には誰が座ってどんな話をしたのだろう・・・
と、書かれている。

桑原甲子雄写真集『東京昭和十一年』の中の一枚。
赤瀬川さんは、「満開のハリ紙」というタイトルを付けている。

「毛生剤ビルグ」はさぞや強力だったのだろう。
昭和13年にはまだこの世に存在しなかった私にも、そろそろ必要な薬だ。

武田花著『猫・日の当たる場所』の中の一枚。
赤瀬川さんは「猫のまなざし」というタイトルを付けている。

まるで猫語がわかるかのように、3匹の猫の会話の様子が書かれている。

今日の散歩の途中で、さっそく図書館によって武田花さんの本を3冊、借りてきた。楽しみだ。

時が経ち、世の中が変化して、人の心も変わる。
その流れの中で写真は、人にとって一体何なのだろう。

この本は、赤瀬川さんが路上観察する時の目をもって写真を仔細に観察し、読む者を楽しませてくれる。もしかしたら、ご自身がいちばん面白がっているのかもしれない。

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