認知症バリアフリーサミットで知った”自律”の重要性
前回のボソッとでは『認知症とアフターコロナ』について書きましたが、そこで私が知ったのが”考え方ひとつ変えるだけで、社会は変われる”ということ。
そこで、今回ボソッとさせていただくのが、『認知症バリアフリー』についてです。ここから私が学んだことは”私たちは認知症の方は何もできないと思い込んでいただけ”ということ。
認知症になってからも心豊かに暮らすために必要となるのが、認知症ご本人の方とその周囲の方も「認知症になると何もできない」という心の中にある“心の中にあるバリア”を打ち破ること。
そのことを教えてくれたのがNHK番組『認知症バリアフリーサミット』です。
『認知症バリアフリーサミット』を観て、心の中にあるバリアを打ち破る“認知症バリアフリー”な街づくりが広がっていることを知るとともに、みんなの“心の中にあるバリア”を打ち破るために必要なキーワード、それは<自律>だということを学びました。
”自律”が大事なわけ
認知症バリアフリーな街づくりに必要なのが、認知症になったとしても過保護にさせずに”自律”させることです。
自律により「自分はできるんだ」という自己肯定感が高められますので、「何もできない」と自信を失い引きこもってしまうことを避けられると思います。
そこで、私たちができることは、「失敗しても大丈夫」という認知症の方が社会進出しても”安心できる環境”を用意してあげること。
また、「長期間、孤立を感じると、人は他者に対する不安や恐怖を感じる脳活動が高くなる」という実験結果を踏まえて、認知症の方々を孤立・孤独にしてはいけないという共通認識を持った社会にすることで、認知症の方々は自分自身を幸せな状態にさせる”ウェルビーイングな脳”を形成していくことができると思っております。
つまり、”安心できる環境”において”ウェルビーイングな脳”が形成されると、認知症の方が自分自身をより良い方向にしていく能力が高まるため、「これをやってみたい!」「自分ででやってみたい!」という”自律”した認知症の方々が活躍する社会になるのではと思っております。
NHK番組『認知症バリアフリーサミット』を観て思ったこと
NHK番組『認知症バリアフリーサミット』で取り上げた認知症バリアフリーな街づくりの具体例に共通しているのは、認知症の本人の“やりたい”という意見を尊重しながら、地域の人たちとつながっていく社会を形成していることでした。
そんな具体例を見て学んだこと、それは、私たちができることとして・・・
●認知症の方がやりたい!をどう叶えていくか?
●周りの方々も「何もできない」と勝手に思い込まない。
●認知症の方に手をかけすぎないことに気をつける。
そんな番組内において、認知症の方のご本人がおっしゃっていたことがとっても印象的でしたのでご紹介します。
取り組み事例:『スローショッピング』
例えば、「外出を楽しみ続けたい」という認知症の方の声から生まれたバリアフリーな取り組み”のひとつとして番組内でも紹介されていた『スローショッピング』。
なぜこの取り組みが成功したかというと、それは認知症ご本人の方の自律を尊重した取り組みだったからです。
買い物をしたいという認知症ご本人の方と、その周囲の方が持っていた“心の中にあるバリア”とは・・・
●認知症ご本人:「買い物がしたいけど、難しい」
●その周囲の方:「ついつい助けすぎて、買い物の楽しみを奪ってしまいがち」
このバリアを打ち破るために、周りは手を出しすぎず、本人に力を発揮してもらいながら買い物を楽しんでもらうことを心がけていました。
つまり、買物をする際に「失敗してもいいんだよ」「ゆっくり買い物を楽しんでください」という認知症の方の安全性が保たれた環境を用意してあげれば、「自分も買い物ができるんだ!」という自己肯定感が強くなり、それがやがて確固たる自信となり、「次はこれをやってみたい」という認知症ご本人さんの主体性を高めることができる。
自律を目指す社会、これこそ認知症になってからも心豊かに暮らすために必要なことだと思います。
次回は『スローショッピング』のような事例をご紹介していきたいと思います。