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【第3軸を探る旅】ロシア人は「バービー」から普遍的なものを知る
「第3の選択肢」を探る旅のために、国際ニュースから色々な報道を観ることで”第3軸”を創りだしていくボソッとをしておりますが、これまでイスラエル人・パレスチナ人、ユダヤ系・アラブ系住民ひとりひとりの生の声を集めた良質なニュースから、”第3軸”を創るきっかけを見出してきました。
そこで今回取り上げるニュースの当事者は、それはロシア人です。ウクライナへの侵攻によって、ロシア人のひとりひとりはどのような考えを持っているのか?規制などでなかなか見えてこないロシア人の声でもありますが、それでもロシア市民のひとりひとりの声を集めた良質なニュースから、第3軸を探る旅をしてみたいと思います。
ロシア人は「バービー」を観ないといけない
この夏、公開された映画「バービー」、実はロシアでも海賊版ですが公開されていたそうです。私は「バービー」を観ていませんが、想像する上では娯楽いっぱいのムービーなんだろうな、そんな映画が今のロシアでどう受け止められているのか?
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ロシア議員にもインタビューをしていましたが、伝統的なロシアの価値観にそぐわないと批判していました。
ロシアの議員
「あまりにも現実離れしているので、今ロシアが世界にもたらしたいものとは思わない」
それではロシアの街では、映画「バービー」の公開についてはどう思っているのか?
男性
「今は士気を高める愛国的なロシア的な映画がいる」
「生活から西側の習慣を取り除く必要がある」
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女性
「芸術は普遍的なもの。もっと教養ある社交的な人間になるには外国の映画を観ないといけない」
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いまのロシアでは愛国心を高める方向に向かっている中でも、ロシア市民は教養も芸術も求めていることが分かります、人としてそれは、”普遍的なもの”だからです。
全世界の子供たちにとって普遍的なもの
プーチン政権下でのロシアでは現在、愛国教育の名のもと、政権に従うことを強いられる状況となっています。軍事侵攻が始まるとロシアの学校を取り巻く環境が一転、子供たちは愛国教育の名のもとにプーチン政権の歴史観や国家への忠誠心を刷り込まれるようになったそうです。
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そんなロシアから国外に逃れる親や子も増えており、逃れた子供たちの教育を担う役割を背負ったロシア人教師のお話から、第3軸を探ってみましょう。
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去年9月にモンテネグロで学校を設立したロシア人のマリコさん、モンテネグロに来たのは去年4月、以前はモスクワの学校で地理の教師をしていた。設立した学校ではロシアから逃げてきた子供たちへの教育を行っています。
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マリコ・モナホワさん
「教育の変化という点では(子供たちは)困難なときを迎えています。彼らが理解できる言語で再び教育の機会を与えたいと思っています。」
「政権や大人からの圧力によって子供たちは自分で考え行動できなくなりました。視野を広げることはできず子供たちの世界観は狭めれています。こうした状況がより進むことに恐ろしさを感じました。」
「(愛国教育によって強いられた)子どもたちは非難を恐れて自分の意見を言えずにいました。傷ついていない子など一人もいませんでした。」
「人にはそれぞれの価値があり、それがこの先の社会を作るのだと教えています。互いに敬い合い、周りの人や国を尊重し、知識を攻撃の為ではなく、自分の成長のために使って欲しい。そして、いつも皆のそばにいて支えると伝えたいです。」
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モナホワさんがおっしゃった”互いに敬い合い、周りの人や国を尊重し、知識を攻撃の為ではなく、自分の成長のために使って欲しい”という言葉、
これこそ全世界の子供たちにとって普遍的なもの。
皆さんはモナホワさんの言葉からどのようなことを思いましたか?