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”相互承認”がカッコいいと評価される社会へ~進撃の巨人から学ぶ

『社会の分断』について報道された2つの国際ニュース、

”フランス警察への抗議活動が暴動化”
”ピンクマネーへの過激な反応”

この2つのニュースに共通しているのが・・・

「SNSによって更に分断が深刻化を増した」こと

『社会の分断』を引き起こしているひとつの要因とされているのが”SNSの普及”です。そもそも、SNSが無かった時代から、分断は起こっておりました。しかし、SNSがあることで分断の進行は加速化させている、さらに、過激化させる側面も持ち合わせていると指摘されています。

それならば分断化を防ぐためにもSNSの規制は必要か?

確かにSNS規制が必要な面もあることでしょうが、果たして規制するだけで分断を乗り越えることはできるのでしょうか?

皆さんもお察しの通り、SNS規制を巡っては賛成/反対といった賛否両論ある中で、規制を強行するだけで根本的には分断は解決しないだろうという見立てはできますよね?


それでは一体、どうしたら社会の分断を乗り越えていくことができるのでしょうか、そんな分断を乗り越えるためのヒントを『進撃の巨人』※が教えてくれたというのが、今回のボソッとです。
 ※正確には、進撃の巨人とヘーゲルと東京大学大学院准教授の斎藤幸平氏さんから教わりました。

まずは、SNSによって分断を加速させているという2つの国際ニュースからご紹介します。


”フランス警察への抗議活動が暴動化”


フランスでは移民の深刻な貧困と失業、犯罪の問題を抱えており、人種差別への怒りも重なって、今回の暴動が起こったと言われていますが、この暴動に拍車をかけたのがSNSだと言われています。

なんと、フランスの若者たちがSNSで暴力行為を自慢しあっているというのです。

フランスの政治学者
「まるで競争しているかのようです。
自分の地区では車を大量に破壊した、役所を襲撃した、学校を襲ったととSNSに投稿している。」

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』「フランス 警察への抗議活動が暴動になった背景」(23/7/3放送分より)


”ピンクマネーへの過激な反応”


アメリカで今注目の“ピンクマネー”とは、LGBTQなど性的マイノリティーの人たちが使うお金、購買力を指す言葉で、年間130兆円にのぼると言われるこの“ピンクマネー”を取り込む動きがアメリカで活発化しています。

さらに、アメリカでは現代の若者にあたるZ世代の5人に1人が性的マイノリティーを自認しているとの調査もある(出典:ギャラップ)。このZ世代が社会に出ると、さらに”ピンクマネー市場”が活性化されると言われています。

しかし、“ピンクマネー”を巡って『社会の分断』も浮き彫りになってきていると、NHK番組『国際報道2023』「アメリカ”ピンクマネー”旋風は起きるか」が教えてくれました。


社会の分断とSNS


マイノリティーへの理解を取り入れた老舗大手ビール会社が、伝統的な性の道徳観を重んじる保守派から「ボイコットする、2度と飲まない」というコメントや、ビールをキッチンの流しに注いで捨てる動画などがSNS上で拡散されたことを受けて、売り上げが激減したというケースもありました。

しかも、この老舗大手ビール会社が「人々を分断する議論に参加しようという意図は全くなかった」などという声明を発表しましたが、ところがビール会社が「LGBTQ支持を明確に表明しなかった」とリベラル派まで不買運動が広がり、老舗大手ビール会社は20年以上わたって維持してきたアメリカの売り上げトップの座を別のメーカーのブランドに明け渡す事態に発展しました。

企業が市場に参加することは諸刃の剣であると受け止められている。


ピンクマネーをめぐる動きに過激な反応が相次いでいる背景には何がある?という問いに対して、この記事を取材した記者さんがおっしゃっておりました。

取材した記者
アメリカ社会そのものが分断していることに加え、拍車をかけているのがSNSの普及です。
ここ数年、強硬な保守派の主張がより目立つようになっているのは、SNSで誰でも簡単に情報を発信できるようになったからであると考えられている。
ビールのボイコット問題も、SNSを介して瞬く間に拡散され、会社の売り上げに大きく影響を及ぼした。
しかし、このビール会社は長年に渡ってLGBTQへの支援を続けていて、今年新たにこのコミュニティへの支援を始めたというわけではなかった。

社会の分断とSNSの普及が重なって、このような事態を招いたと分析されている。

NHK番組『国際報道2023』「アメリカ”ピンクマネー”旋風は起きるか」(23/6/26放送分より)


分断を乗り越える思想ヘーゲルの”相互承認”と『進撃の巨人』


この2つのニュースを通して、SNS規制を考える場合、私の考えでは『フランス警察への抗議活動が暴動化』の件ではSNS規制は必要となってくるのではないでしょうか。


しかし、『ピンクマネーへの過激な反応』の件では、何を規制したら分断を食い止めることができるのか、そもそも規制をすることでもっと分断が深刻化するのではないかと言う心配もあります。

それでは、ピンクマネーへのSNSでの過激な反応によって起こされる社会の分断は、どのように乗り越えていくことができるのでしょうか。


そのヒントとなったのが、NHK番組『100分de名著』「ヘーゲル“精神現象学”」で斎藤幸平氏(東京大学大学院准教授)が教えてくれたヘーゲルの思想、”相互承認”でした。

この”相互承認によってグローバル化が進み混沌とした世界における分断を乗り越えて本当の自由を可能にするというヘーゲルの思想。


斎藤幸平氏は「相互承認は自己批判して双方が対照的に変わっていくという過程」であると語っており、その様子を分かりやすく表現したものが『進撃の巨人』だということを紹介してくれました。

『進撃の巨人』のガビとカヤの会話を通して、”相互承認”とは何ぞや、何が大事なのか、この相互承認によってどのような社会になるかを、斎藤氏は教えてくれました。

それでは『進撃の巨人』のガビとカヤの会話をNHK番組『100分de名著』「ヘーゲル“精神現象学”」で教えてくれたことをご紹介します。


『進撃の巨人』の”相互承認”~ガビとカヤの会話


NHK番組『100分de名著』「ヘーゲル“精神現象学”」から引用します。


ガビはサシャを殺し、サシャを慕うカヤは恨みに任せてガビを殺そうとしますが、結局カヤは殺せませんでした。あるとき巨人に食べられそうになったカヤをガビは助けます。命がけで守ってくれた姿にカヤはガビを赦し、その証に今度はカヤがガビを身を挺して助けます。

そして2人は語り合います・・・

カヤ「私はあなたを殺そうとした。私、悪魔なんでしょう。

ガビ「違う。悪魔は私。

互いに自己批判する2人。
それを見ていたニコロと言う青年がこう話すのでした。

ニコロ「みんなの中に悪魔がいるから、世界はこうなっちまったんだ。」

ガビ「じゃあ、どうすればいいの?」

ニコロ「森から出るんだ。出られなくても、出ようとし続けるんだ

ガビの善、カヤの善は真っ向から対立していて、しかしガビが助けることで「告白」となる、そしてカヤがガビを助けて「赦し」となっていく。さらに、ガビの自己批判を受けて、二ロコもみんなに悪がいるという「告白」、みんなが自己批判をすることで、善悪の判断は変化していき、これによって3者の間で相互承認が生まれて、憎しみ合う関係から助け合う関係へと変化した。

でもこの相互承認で万事解決とはならないかもしれない。
様々な判断をする個人が集まる現代社会で、必ず対立そのものはなくならない。
だからこそ森から出続けようとしなければならない。
共に変わっていこうといする姿勢こそが欠かすことができない。

意見の違う相手とともに、本当の善とは何かと言うことの共通認識を合わせていく、これが相互承認です。


”相互承認”がカッコいいと評価される社会へ


”ピンクマネー”で過激な反応をしているSNSでは保守派の善、リベラル派の善が真っ向から対立をしております。

この分断を解決するのはSNS規制ではなく、”相互承認”ではないかと私は信じております。

でも、ガビとカヤの会話のようなことを果たして私たち人間はできるのでしょうか?SNS上で、このような行動をすることができるのでしょうか?

私はできると考えております、なぜなら考え方ひとつ変えるだけで人は変わることができるから。

SNSを規制するよりも、SNSへの考え方を変えるだけで良いのではと考えております、それはとっても簡単・・・

”相互承認”がカッコいいと評価される社会にすること

SNS上で、ガビとカヤの会話のような投稿があったのならば、それを評価しましょう!

”相互承認”する投稿内容がカッコいい!と思う考え方に変えるだけで、分断を乗り越えるのではと私は信じております!

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