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【現代アートを学ぶ】”便器”と”シャベル”を思考するということ
現代アートを全く知らない私が、どうやって現代アートを学ぼうとしているのか?
そんな私が出会えた2つの番組から知った、『現代アートとは何か?』ということを今回はボソッとさせていただければと思います。
皆様からすると「そんなこと知っている!」といったような内容をボソッとしていますが、何も知らない人が現代アートをどうやって学んでいっているのか?という、ある意味セルフドキュメンタリーのようなボソッととなっておりますので、ご理解のほどどうぞよろしくお願いいたします。
もし、私のように現代アートを知らないけど学んでみたいという方、または、現代アートを知らない友人に「現代アートとは何か?」を教えてあげたいと思う方には、歴史も含まれた内容ですので楽しんでいただけるのではないかと思っております。
尚、私が出会えた2つの番組とは、前回のボソッとでもご紹介した下記2番組のことです。
●NHK番組『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』「価格高騰!現代アートに100億払える人いる?」
●NHK番組『日曜美術館』「現代アートはわからない?」
正直、私にとって驚きの連続でした。
「なんだそれは?」
「ん?どういうこと?」
「え?思考で常識を打ち破るってなに?」
そんな想いを抱きながら、2番組を観た結果、私がわかったこと、この番組で教えてくれた『現代アートとは何か?』ということ、それは・・・・
”便器”と”シャベル”を思考することで世界が変わるかもしれない
これは素人なりに、現代アートとは何かをまとめたものです、私なりの見方を含めた、現代アートと何かを、ご紹介していきたいと思います。
”便器”を思考したことで始まった現代アート
NHK番組『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』「価格高騰!現代アートに100億払える人いる?」では、【現代アートの始まりとは?】ということを分かりやすく説明して頂きました。
【現代アートの始まりとは?】とは、”便器”を思考したことがきっかけでした・・・・
![](https://assets.st-note.com/img/1695369075123-mEnC8oIfKQ.jpg?width=1200)
100年前、近代美術から現代アートへの変化を起こしたのが、マルセル・デュシャンです。「現代アートの生みの親」とも呼ばれています。
デュシャン曰く、「クールベ以来、絵画は網膜に向けられたものだと信じられてきました。誰もがそこで間違っていたのです。今世紀全体がまったく網膜的なものとなってしまっているのです。」
簡単に言うと、目で見て面白いだけの作品はもう限界だということです。そしてデュシャンはあるとき、アート界を仰天させる事件を起こしました。お金を払えば誰でも出品できる展覧会に、サインを書いただけの便器を送りつけたのです。作品のタイトルは、「泉」。
デュシャンは「便器にタイトルをつけることで、本来の実用性は無くなった。これだって立派な作品!」と主張したのです。
さすがに当時、これが世間に受け入れられることはなかったものの、そもそもアートとは何なのという問いを投げかける作品になりました。その後デュシャンのように、見る人に考えさせる作品、つまり「コンセプト」を持ったアートが生み出されるようになり、かつて問題作だった「泉」は、現代アートのルーツと言われるようになったのです。
アートは美しいものでなくても良いんだ!
もう自分の目を疑いました!現代アートはコンセプトが大事だと教えてもらいましたが、まさか”便器”にコンセプトを持たせたことがきっかけで、現代アートが始まったとは・・・
なぜなら、私は学校で美術を習っていても、自分で絵を描いたとしても、美術館に行って「ボーっと絵画を観ていた」ときでも、今までの私の人生の中でアートに触れていた時間全てにおいて抱いていた自分の考えとは・・・・
「アートは美しいものなんだ!」
しかし、マルセル・デュシャン『泉』を知ることで、そんな私がアートに持っていた常識がもろくも崩れ去っていきました。
つまり、「目で見て美しいものを楽しむ」というアートがある一方、「思考しながら楽しむ」アートがあるということ、それが現代アートであり、現代アートのコンセプトを踏まえれば、アートは美しいものでなくても良いといこと。
マルセル・デュシャン『泉』に出会うことで、目だけでアートを楽しもうと思っていた私の常識はなくなり、思考を始め、五感(第六感も含め)で楽しむものもアートだっていいじゃないか!ということが分かりました。
”シャベル”を思考することで分かる現代アート
NHK番組『日曜美術館』「現代アートはわからない?」では森美術館で開催されていた展覧会「ワールド・クラスルーム」に展示されていた作品を使って、私たちに現代アートを教えてくれました。
この番組の最初の作品、つまり1時限目は、ズバリ『国語』の時間でした。
そうですよね、知ることの基本、始まりは『国語』という科目が果たす役割は大きいですもんね。
その『国語』の時間に出会えた現代アート作品とは・・・・
ジョセフ・コスース『1つと3つのシャベル』(1965)
![](https://assets.st-note.com/img/1695369308294-o8xlph0NUu.jpg?width=1200)
壁の真ん中には何の変哲もないシャベルが掛けられ、その左に実物大のシャベルの写真、右に辞書に書かれているシャベルの定義が展示されています。
現代アートの教科書的な作品
いきなり難しい作品、誰もが「なんなんだろう」と思う作品ですよ、なぜなら”シャベル”ですから・・・・
しかし、この作品こそが・・・
現代アートの教科書的な作品である。
この作品の作者であるジョセフ・コスースさんこそが「芸術の本質を見た目ではなくコンセプトに存在する」と提唱された方なんです。
この考えにより、作品の背景にある作者の概念や思考を知ることでアートを楽しむ、そのようなことを”コンセプチュアル・アート”と呼ばれ、現代アートの基本的なスタイルとなった、ということです。
この作品のコンセプトとは・・・
”実物”と”写真”と”言葉”
この3つ並べることで、観るものに「シャベルとは何か?」を考えさせる作品。
番組に出演されていた尾上さんと光宗さんが、この作品を観て、このようなお話をされていたのがとっても印象的でした。
尾上右近さん (歌舞伎役者)
「話すことが生まれる、話し合うことがアートだ、”実物”と”写真”と”言葉”の隣に”このアートを観て話す”ことで、作品が完成するのではないか?」
光宗薫さん (俳優、アーティスト)
「会場の入り口にあるシャベルを使った作品ということで、まずは現代アートの考え方を教えられたような気がしています。」