おもちゃ

私は引っ込み思案であった。また幼稚園が家の近くになかったので、家のまわりにも友達はいなかった。そのため、一人でよく遊んだし、弟とよく遊んだ。一人で遊ぶときは、公園に行って虫を探すか、おもちゃで遊んだ。おもちゃの一部は、いとこからもらったものだった。よく覚えているもらったおもちゃは、仮面ライダーのベルトであった。私の子どもも仮面ライダーのベルトでよく遊んでいた。おもちゃ以外では、絵本や図鑑をよく読んでいた。

おもちゃは、年に1回、買ってもらえる日があった。大晦日であった。大晦日は、必ず父とお墓参りに行っていた。その帰りだけは、おもちゃを買ってもらえた。しかし、何のおもちゃを買ったら面白いかよくわかっていなかった。

もらったおもちゃの中で、面白そうなものを自分なりに買っていた。ただ、父は厳しい人だったので、おもちゃ選びを手伝ってくれなかったし、本当に欲しいかどうかを聞かれていた。その時の気持ちは「本当に欲しいかどうかよくわからないけど、欲しいと言わないと怒り出すし、買ってもらえなかったら損する」というものだった。

幼稚園の時は、ロボット系のおもちゃを買ってもらっていた。この日だけは、なんでも買ってもらえる日だった。ただし、必ず自分で持てることが条件であった。自分の身長くらいのロボットのおもちゃを買ってもらった。

もっと私が小さいときは、おそらく父が好きなおもちゃを買っていたと思う。宇宙船ヤマトの合金、車が小さなボールをショベルカー、ダンプカーブルドーザーに変わって流すおもちゃを覚えている。宇宙船ヤマトの合金は、今ではどこでもみない。車のおもちゃは、子どもが小さいときに復刻版のようなものが売っていたが買わなかった。それは後悔している。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?