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【農ライフ】ゴールを見失わなければ、道順は変えてもいい(前編)
その日は空港上空が分厚い雲に覆われていた。
条件付き運航で、「高松空港に着陸できない場合は、岡山空港または伊丹空港に着陸する可能性があります。」
そう、搭乗前に案内があった。
毎回乗る早朝便、晴天率の高い香川県ではなんともめずらしいことのように感じた。
(大抵の場合は問題ないからまあ大丈夫だろう。)
そんな軽い気持ちで搭乗した。
定刻通りに離陸して、約1時間後、高松空港上空から着陸態勢に入る。
1回目。雲の中に飛び込む。
高度を下げても雲が切れず、窓の外は真っ白。
数秒後には急上昇し、雲の上に。
その後、上空を旋回して、天候の回復を待つことに。
大きく円を描くように飛ぶ飛行機、すぐ隣の市街地はよく見えているのに、空港周辺にだけ雲がかかっている。
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4〜5周は旋回し、定刻から30分くらいがすぎた頃だろうか。
機長からのアナウンスで、もう1回着陸を試みるとのことだった。
2回目。雲の中へ。
高度を下げていく。雲が切れない。
再び機首を上げて急上昇。
機長から再びのアナウンス。
「天候の回復が見込まれないことから、行き先を岡山空港へ変更します。」
約15分後には到着するとのことだった。
高松空港に着陸する予定の飛行機は、定刻から1時間15分後、約100キロ離れた、岡山空港に着陸した。
旅にトラブルはつきものだ。
不思議と気にならなかったし、焦りはなかった。
プロジェクトの集合場所が丸亀だったため、バスとJRで追いかければ大きな遅れにはならない。
今の目的は、高松空港に到着することではなく、集合場所である丸亀に到着すること。
そして、難なくそれは達成できた。
結果よりプロセスが重要
結果は大切だが、過程がもっと重要。
人の成長を考えるときに、そういう考え方が一般的だ。
その通りだと思う。
ただ成長につながるプロセスにも色々ある。
計画通りに最短ルートを辿るのもよし
苦労しながら回り道をするのもまたよし
そして、偶然の出来事があって結果オーライ的に道が拓けることもある。
今回の農ライフ、三豊プロジェクトも4回目が始まる前まで、
大まかにやりたいことの方向性が決まって、これから詰めていこうと考えていた。
ところが、ふとしたきっかけで、今までなんとなく気になっていた点がすべて線でつながり、これだ!というものが見えた。
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それは今まで考えてもいなかったことだが、ローカルの人が教えてくれた「感謝の輪が循環する」ようなものだと考えている。
すべては偶然であり、必然だった。
続きは後編で。
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