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「子どもの道草」研究本 14年経て光

#子どもの道くさ #書評 #特集 #毎日新聞 #水月昭道 #東信堂

14年目にして日の目を見た拙書「子どもの道くさ」(東信堂)のことが、毎日新聞で採りあげられました!(記事は下にあります!)

思えば長い年月がかかりましたが、私はこの本から「自分の信じた道を簡単に諦めてはいけない」ことの大切さを、改めて教わった気がします。

自分で書いた本に対してこんなことを言うのも変ですが、正直、どうもその本から逆に育てられたような気すらしているのです。

もちろん、ただ待っていればいずれ状況が好転する、などといった楽観論をここで唱えたいわけではありません。

そうではなくて、先はどうなるかわからないけれども、自分がこれと信じた道についてはとことん己を信じて歩みきる、そんな覚悟を持つことの重要性を今回の経験から学んだ気がします。

なぜなら、未来のことなど誰にもわかりませんし、うまくいくとも限らない。いや、思った通りにならないことのほうが多いわけです。それでも、自分の信念に従った行動を貫くことで、少なくとも結果についてイチイチ後悔したりすることなどないはずです。また、そんな自己決定には大きな誇りさえ持てることでしょう。

今回、研究をはじめて20年目、そしてその研究を博士論文にまとめたうえで一般向けにわかりやすく書き直した本「子どもの道くさ」(東信堂)を刊行してから、ついに苦節14年目にして、ご縁に恵まれこの研究がやっとのことで日の目をみました。

途中、「そんな無駄な研究をしてどうするのだ」というような批判もありました。ですが、自分のなかに湧くほとばしりがそれを乗り越えていく原動力となりました。

——この研究はきっといつか評価されるはず。絶対に面白いと言われるはずだ。負けないぞ。

そんなほとばしりを胸に世に問うた一冊でありました。刊行当時、下校途中の子どもが被害にあう事件が起こったりしたことで、「子どもの道草など(安全を考えれば)厳禁」という風潮が強まり、出したばかりの本書には逆風の嵐が吹き荒れました。

一旦はそのままお蔵入りした本書でしたが、そこで熟成される時間を与えていただいていたかのように、14年の時を経てこの度、蔵からついに出されることになったのでした。

封が切られたその中身は、長い時間の経過があった分それによる熟成の風味をまろやかに醸すようになったのでしょうか。大勢の方に、美味しい(楽しい)と絶賛される一品へと、あのかつての苦みはそれがまるで嘘のように大きな変貌を遂げていたのでした。

どうぞ、その熟成極まった一品をじっくりとご賞味いただけましたら幸いです。

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【出典:毎日新聞 朝刊 13面 くらしナビ|「子どもの道草」研究本 14年経て光】




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三毛猫と博士
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