育児エッセイ SCPとは何か
小学生くらいのお子さんがいる方は、子どもがSCPという良くわからない物について話し出して困った経験はないだろうか。SCPとは何かについて聞いてみても、要領を得なかったり、YouTubeで見たとだけわかっても詳細はわからなかったりしなかったろうか。
実は我が家の子どもたちもそうで、特に下の子は一時期SCPの話題を口にしない日はないくらいだった。
結論から言うとSCPとは、SCP財団とその財団が管理している、または管理しようと試みているSCPオブジェクトのことである。SCP財団は異常な物品、存在、現象の封じ込みを行っている団体で、SCPとは確保(Secure)、収容(Contain)、保護(Protect)の頭文字を取ったものだ。
彼らは超常的な物品や現象(SCPオブジェクト)が人類に害を及ぼさぬよう世界各国の政府から委託を受けて、秘密裏に世界規模で活動している。
以上は勿論、架空の物語である。SCP財団のサイトはwiki形式で多数の筆者が参加して、同じ設定の中で筆を奮っている。日本語版のサイトもあり、日本人の筆者も多数参加しているようだ。
SCP財団の物語はSCPオブジェクトの報告書を中心に、財団の設定や、SCPオブジェクトに関わる小説風の読み物など多岐にわたる。論より証拠で幾つか紹介してみる。オカルト、ホラー、ダークファンタジー、SFの好きな人、皮肉や諧謔の効いた文学の好きな人とは親和性が高いと思うが、グロテスクだったり救いのない話が好きな人以外は少々「閲覧注意」かもしれない。
比較的有名だと思うSCP
・SCP-040-JP ねこですよろしくおねがいします
・SCP-173 彫刻 - オリジナル
・SCP-682 不死身の爬虫類
・SCP-096 "シャイガイ"
さてこのSCP財団やSCPオブジェクトについて、何故小学生の目に入るようになっているのだろうか。うちの子の場合はYouTubeだった。マインクラフトの動画が好きだった子どもたちは、SCPをテーマにしたワールドを公開していた人の動画でSCPに触れてしまったようで、それから数か月はSCP、SCPとうるさかった。
SCP財団のサイトはクリエイティブコモンズ3.0というライセンスで公開されており、CC3.0の条件に従う限り、著作権フリーで利用できるため、SCPオブジェクトの解説動画なども幾つも上がっているようである。
僕自身は子どもたちがSCPに触れる少し前に、何かのまとめ記事でSCPに触れている人がいたため、何だろうか?と思って検索して既に知っていた。なかなか面白いものが多くてそれなりに気に入っていたのだが、子どもがSCPのことを言い出したときは、少々焦った。
先にも少し触れたがSCPにはグロテスクだったり残酷だったりする内容が多い。報告書の体裁で書かれているため表現としては抑制されているが、それがかえって恐ろしかったりする。要するに子ども向けのコンテンツとはとても言えないものだ。特に世界滅亡に繋がるようなオブジェクトが活性化した場合には、財団の職員ごと容赦なく始末されること、危険な任務や実験で消耗品扱いされるDクラス職員の存在など、特に子どもに触れさせたくない内容もある。
とは言え、一度知ってしまった、それも気に入ってしまったものを、無理に取り上げるのは逆効果だろうし、そもそも『名探偵コナン』や『鬼滅の刃』を見ている子どもたちには今さらかと思って、妻にSCPにはそのような内容もあると伝えておくに留めた。
幸いうちの子どもたちについては、フィクションと現実を混同するようなことはないようである。
* * *
先日、SCPの何番は何?SCPの何番は何?とお兄ちゃんらしき年長の子にしつこく聞いている子どもを見かけた妻が、「どこも同じだね」と言っていたので、SCPが何かわからず混乱している方もおられるのではないかと思って記事にしました。
少しでもお役に立てれば嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。
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