産めるカラダのための7つの習慣

※訳あって公開していますが、全く書きかけの記事です。それでもよろしければご覧ください。

はじめに

 最初にこんなことを聞かされるのは嫌な気分になる方もいらっしゃるかもしれません。私のことを少しだけ聴いていただけたらと思います。
 まず、大学を卒業してからずっと、仕事に明け暮れて生きてきました。結婚もしたけれど、子供は授かりませんでした。
 そして会社から独立。離婚。バリバリ働いて生きる。それが私の人生だと思っていたのが、42歳の時。
 しかし転機が訪れます。

 離婚したその年の年末。右胸に激痛が走ります。
 触ってみると、1センチくらいの丸いコロコロっとしたものが。
 ああ、いよいよ来たか。家系だからな。
 乳がんでした。

 母も祖母も曾祖母もなので、覚悟はしていました。そして、その年が明け、春に全摘出手術を受けることに。
 新型コロナ禍が始まった頃で、面会が制限されたり、病室や手術室の空きが中々なく大変な時期。仕事もコロナ禍のせいで少なくなっていたので、それほど多くの人に迷惑もかけず、ひっそりと。
 覚悟はしていたし、離婚して仕事に生きると決めていたし、それでも、実際にそうなってみると、涙が出てくるもんですね。女性としての証の一つを失った。
 もうこれからは恋愛もしない。しても、その人とどうにかなるとかは考えない。相手のためにも考えてはいけない。
 それがなんだか寂しくて、人生の楽しみや充実感のうちのいくぶんかを失ったと思い、さめざめとなきました。じぶんとしては意外でした。

 ところがどっこい。人生は何が起きるかわかりません。
 その翌年、44歳でなんと自然妊娠、そして45歳で初産を経験することになりました。
 妊娠中も特にトラブルなく、毎日楽しく母子ともに健康に過ごせたのは、旦那さんの支えと、科学・中医学両方の智恵を生かした日々の養生のおかげ。
 出産自体は帝王切開でしたが、それも大事を取っての予定手術。
 赤ちゃんは出てきてからも、今の所、すこぶる元気で、大きな病気もせずすくすく育って行っております。

 そこで、薬剤師と薬膳師という東西医学の資格を併せ持つ私が、自分の経験を踏まえつつ、できるならば妊娠前の自分に伝えたい!と思うことを記録しておこうと思います。
 自力の養生もあれば、薬膳の師匠のアドバイスを受けたこともあります。が、ひとまずは、
「これは妊娠前からやっておいてよかった!」
「これは妊娠前にやっときゃよかった……」
ということです。
 なぜ、「妊娠前」なのかというと、

  • 知ってから習得するまでに一定の期間が必要な物事が多い

  • いざ妊娠してからだと、修行みたいになりそう

  • 妊娠中は目を酷使させたくない

という理由です。
なので、妊娠前にできるようにならなくちゃとか、全部できてなきゃだめとかではありません。気長にゆる〜くやわ〜く、取り組んでみてもらえたら嬉しいです。

巡りのいいからだを作ることだ!

 「何をしたらいいの?」とはやる気持ちがあるかもしれませんが、基本的なところから書いていきます。まずは、妊娠する仕組みについて整理しておきましょう。
 科学的にはご存知の通り、男女が性交をして、卵子と精子が出会い受精卵になり、子宮に着床し、胎嚢(ここで育つよという小部屋みたいなの)を作ります。ここまでで5週間くらいだそうです。不妊治療なんかでは、この胎嚢が作られていることを確認して、妊娠成立とされるようです。(でもこの時期が一番、薬など化学的なものの影響を受けやすい時期。要注意)
 この後も、もちろん流産や死産の可能性が0ではないので、ずっと気をつけて過ごすのですが、ひとまず妊娠成立おめでとうということになります。
 では、中医学ではどうかといいますと。
 「男女が交媾し和合すると身体ができる」
とされています。「身体」ができる前に「精」という物質が生じるとも言われ、それが受精卵に当たるのかもしれません。
 要するに、科学でも中医学でも、男女が交わり、卵子(陰)と精子(陽)が合わさると受精卵(精)ができ、それが子宮の中で育っていくのを、妊娠と呼んでいる。同じ考え方をしているよ、ということです。
 更に、排卵日にあたる概念も、「的候」という名前で中医学にも存在します。
 そして、中医学では、陰暦で10ヶ月つまり280日で分娩になります。3ヶ月目に胎盤ができ、4ヶ月で身体らしくなり、5ヶ月で動き始める。(胎動ですね。)6ヶ月で筋骨、7ヶ月で毛髪、8ヶ月で臓腑ができ、9ヶ月で穀気が胃に入るようになる(食べ物から気を作る準備)、とされています。
 胎盤作られるの3ヶ月目!?
 と思いますが、科学の方でも、妊娠7週目くらいから作り始められ、妊娠15週目くらいに出来上がるとされているので、ここも大体一緒です。

 ところで、妊娠する気のある方にとって興味の強いポイントとして、

  • 排卵日を狙って性交するべきか

  • ホルモンバランスはどうしたら整うのか

  • 着床しやすい子宮というのはあるのか

などが挙げられるんじゃないかと思います。
この辺りの科学側の最先端の知識は、私は書籍やネットで拾えるレベルしか持っていません。なので、専門家の方々の記事に譲ることにして、中医学的にそれらを見た場合について書いていきます。

 排卵日という概念は中医学にもあるというのは先述しました。では、排卵はどのようにして起きるとされているのか。(ここから中医学の専門用語がいろいろ出てきます。)
 排卵をするには、大きなエネルギーが必要です。その際には、生命活動のためのエネルギーの素である「気」を、グンと押し出す力を借ります。押し出すためのポンプ機能は「肝」という臓腑が担当します。
 「肝」が「気」をグンと押し出す力を借りて、卵子に当たるものを子宮の方へ送り出す。ということは、「肝」の力が弱かったり、「気」が足りなかったり詰まっていたりすると、排卵が起きにくいということになります。
 ただ、そのタイミングを測っているのは肝ではありません。教科書にも出てきませんが、中医学は、自然と人体が一体であるという考え方をしているので、なんらかの自然の変化とリンクしていると考えるのがいいのかもしれません。なので、「タイミング」を測れない。
 かといえばそうではなく、タイミングを測るのは、気持ちなんです。交わる気になるタイミングがそのタイミング。これはいわゆる性欲とは少し違っているのですが、言葉で説明は難しい。ともかく、多くの人間が忘れてしまった感覚によって、本来はタイミングが測れるということです。
 その意味では、「排卵日に性交するべきか」といえば、「その方が妊娠確率は高まりますよね」と答えることになります。しかし、「するべき」と考え、「しなくちゃ」になり、義務のようになってしまうと、「肝」が暴走したり弱ったりしてしまい、排卵そのものがうまくできなくなってしまう可能性が高いのです。
 だから、「するべき」ではなく、自然とそうなるのがいいね、というのが妥当解な気がします。
 自然にのびのびとしていると、肝は健やかに活動し、気の巡りが良くなり、排卵がうまくいくようになります。

 次に、ホルモンバランスですが、中医学には、ホルモンという概念があるようなないような状態です。科学では、全身をホルモンや神経伝達物質などがつないでいると考えていますが、中医学では、五臓六腑から目から鼻から、骨から筋肉から、何から何までがそもそもつながっている統一体と考えています。
 でも、強いていうならば、陰と陽の力でバランスをとっているので、それが同じような概念になるのか。はたまた、科学のホルモンのように全身を巡って代謝などを行なっているのは「気」なので、気の巡りや量がそれに当たる部分もありそうです。
 更に、妊娠に関係の深い臓腑は「血」に関係が深いので、「血」の流れや量も気にしたいポイントです。
 また、生理などに関係の深い「天癸(てんき)」という「気」の一種、そして生殖機能自体は、「腎」という臓腑が大きく関わっているので、ここもケアする必要があります。
 結構いろいろ考えなくてはなりません。
 しかし、「気」の巡り、「血」の巡りといった「巡り」はキーワードになってきます。それから「腎」が元気で陰陽が調和していること。陰陽の調和には巡り、循環が不可欠ですから、やはり「巡り」がキーワードになりそうです。

 「着床しやすい子宮」というのは、科学の方ではいくつか項目が設けられているようです。精子の邪魔をするものがなく、泳ぎやすい状態であること。それから、受精卵のベッドになるわけですから、厚めで柔らかいのがいいとされています。
 排卵期が近づくと、子宮の中の粘液の状態が変化します。サラサラになり、量が増える。粘っこかったり干上がってたりすると精子が泳ぎにくいからです。
 自然界で水の流れがねばついたり干上がったりするのはどういう時かというと、流れが悪い時や、供給が途絶えた時です。体の中にも自然界の法則は当てはまります。精子が泳ぎやすい状態にするには、「津液」という水分の流れ、巡りがいい状態を保つこと。そのためには「気」の巡りも必須です。「気」の巡りが「津液」の巡りを後押ししているからです。
 また、厚くて柔らかい子宮。厚みが十分ある状態にするには、「血」と「気」が十分に子宮に入ってこなくてはいけません。そのためには、食べ物から「気」をしっかり作れること、「気」と「津液」から「血」を作れること、そして子宮に運ぶための巡りの力が充実していること。
 柔らかさも、巡りの力が必要です。巡らず滞れば固くなるし、汚れてきます。汚れればまた巡りにくくなる。
 「気」「血」「津液」がうまく巡っていると、着床しやすい子宮になっていきそうです。
 子宮は平滑筋という筋肉でできています。リラックスしていると緩むので、リラックスも大事。リラックスするには、中医学では「気」を巡らせることをします。ここでもまた、「巡り」の力がカギを握っています。

 「巡り」のいい体を手に入れることが大事。そこに行きつきました。
 年齢や元々の体質など、考慮に入れるべきポイントはそれぞれありますが、「巡り」がいいのがいいということだけは、誰にでも当てはまることです。
 巡りが悪いと、便秘になったり、鬱っぽくなったり、逆に怒りっぽくなったり、つわりもひどくなりやすかったりします。だからと言って、巡りを良くする「薬」を使えば、匙加減を間違えたら大事な受精卵まで……ということになりかねません。
 巡りのいい体を妊娠するより前から手に入れておくことが、とても重要なのです。

 でも。ここで一つ、私の事実をお知らせしておきます。
 44歳で自然妊娠して無事産むことができた私自身の子宮の状態は良かったのかというと、そうでもありませんでした。全く知らなかったのですが、子宮内膜症と子宮筋腺症だったのです。
 帝王切開で出産したのですが、付き添いでいてくれた母曰く、赤ちゃんが出てくるまではほんの10分程度だったそうです。しかし、その後、私が出てくるまでの時間が長かった。何かあったんじゃないかと思ったそうです。
 実際、「何か」あったんです。
 子宮がそんな状態だったので、赤ちゃんを出したお腹の穴から、子宮を戻すことができなかったんです。出す時は腹圧で萎んでいる分が、外に出ると、大気圧の方が軽いので子宮が膨らむんだそうです。子宮が柔らかければスッと戻せるけど、膨らんだ上に弾力がないから入らなかった。それで、さらに広く切開することになって、その分長引いたとのことでした。
 産後回診の時に、先生が「生理痛ひどかった?」と聞いてくださったのですが、私自身は生理痛はひどくないと思っていたので、「いいえ」とこたえました。「本当に!?」とかなり驚かれ、それほどに子宮の状態は科学的には良くなかったんだな、と。
 でも、妊娠中の検診では内膜症などの指摘は一切なく、医師も気づかないような、そんな曖昧な病態だったのでしょう。
 生理痛については別の機会にしたいのですが、医師も気づかず、自覚症状がほぼない状態だったことからすると、中医学的にはそれほどまずい状態ではなかったのか。それとも、やはり「妊娠」というものは、物質的な条件より重要なことがあるのかもしれないなと考えたりしています。
 そんなことでありましたので、今、いわゆる「子宮が硬い」ような、内膜症や子宮筋腫などで悩んでいる方も、諦めないで欲しいなと思います。
 諦めず、でも常にリラックスして、楽しく軽快に、「産めるカラダ」を作っていただきたいです。

 さて、ここからは、やわらかい子宮のベースである「巡りのいい体」を手に入れるためにおすすめしたいあれやこれやを紹介していきます。

まずはこの3つ

 絶対にやってみてほしいので、ハードルの低い順に紹介していきます。
 まずはこの3つ。

  • コリない姿勢作り

  • 散歩

  • 澱まない食べ方

です。合計6つ紹介するのですが、まずはこの3つのそれぞれについて、詳しくお伝えしていきます。

コりない姿勢をつくる

 これはもう、文字どり「巡りのいい体」になりそうですよね。肩こり、腰痛、神経痛なんかがある体では、巡りがよくはなさそう。
 とてもわかりやすいと思います。
 しかし。
 どうしたらそうなるのか。コリのない体になれるのか。
 動画サイトや書籍などでも、たくさんのストレッチやマッサージ方法が紹介されているので、好きなものがある方はそれをやるのもありだと思います。ここでは、私がやっていた(現在もやっている)方法を紹介するので、騙されたと思ってやってみてもらえたら嬉しいです。
 まずおすすめしたいのは2つです。
【ケツ割り】【小指ファースト】
 です。
 これらは、「コリをとる」こともできますが、どちらかというと、起きてしまったコリをとるよりも、コリが作られないようにするための習慣と言えます。
 習慣にできるかどうかが鍵です。一度や二度で飽きちゃうと勿体無いです。

【ケツ割り】
 「座る時に必ずお尻を割る。」
 一旦座って、左のお尻を左手で、横向きに持ち上げる。右のお尻は右手で。片方ずつです。脚とお尻の境目あたりに指を引っ掛けて持ち上げる感じがいいです。
 これをするだけで、背筋がなんとなく伸びる感じがします。皮膚やお肉を少しいじるだけで、骨盤の向きが変わるんです。驚きです。
 ヨガなどで、骨盤を立ててと言われると、筋力で頑張って向きを変えているつもりが、気づいたら元通りになっている。そんな経験もあるのではないでしょうか。また、背筋を伸ばして作業をしていたら、背中や腰の筋肉が痛くなってしまったり。
 ケツ割りは、基本的には筋力をつかいません。お肉を持ち上げる時に意識をするだけ。あとは無意識に任せます。
 そうは言っても無意識だと、一度割ってみたものの、やはり最初のうちは癖で姿勢が崩れてきます。顎が出てきたり、猫背になってきたり。それに気づいたら、また手でお尻を割ればいいんです。ああ、またできない、と思わないことが肝腎です。
 これをやっていくと、座り姿勢が良くなり、脚を組まなくなります。これだけでも下半身や首のコリが起きにくくなります。

元記事「ケツ割り」

【小指ファースト】
「ものに触れる時に、必ず小指側から触れさせる」
 それだけです。スマホやマウスなどでやってみてください。
 触れたあとは親指側で持っても大丈夫。これも「最初だけ」意識します。
 ものに触れる時に差し出した腕の向きで、そのあとそれを持っている間中の上半身の楽さが変わるという不思議なハナシ。
 例えば、車の運転のとき、ハンドルを握る際にやってみてもらうと、肩こりや目の疲れの具合が全然違います。また、重い荷物を持つときに試してみてもらうとわかりやすいです。
 重いものを持つ時に楽になる。ということは、赤ちゃんが生まれたあと、だっこするのも楽になる、ということ。将来を見越して今から習慣づけておくのをお勧めします。
 しかも、小指ファーストで赤ちゃんに触れると、赤ちゃんは喜びます。相手に触れる時に、親指から触れるのと、小指から触れるのでは、小指からの方が優しい印象を受けるのです。
 大人どうしでも同じように感じるので、ぜひ試してみてください。

元記事「小指ファースト」

 どちらもかんたんにできるものですので、まずは試してみてください。
 3日坊主を何度も繰り返すのでもいいのです。長期的にみて習慣化されていれば。
 30日やってみると行動習慣が変わり、
 90日やってみると肉体習慣が変わってきます。
 180日続いたら、脳・意識が変わって、習慣化できているはずです。
 でも。半年続けよう!なんて思わないで、まずは30日。近い目標をクリアし続けていきましょう。これは他の習慣作りにも言えることです。

散歩を日常に

 妊娠したいかどうかとか、男女の別とかに関わらず、健康のために勧められることが多い散歩。ここでは、ウォーキングではなく散歩で大丈夫です。
 散歩すると何がいいのか。
 少しだけ消費カロリーが増えて代謝が上がる
 筋トレと違って、気の巡りの邪魔になるものが作られない
 気分転換になる
などなど。
 代謝が上がって無駄な蓄積が減りやすければ、巡りが良くなるのはイメージしやすいのではないでしょうか。
 「巡りのいいカラダ」という視点で体を見る場合、筋肉というものは双刃の剣になります。筋肉が少ないとリンパ液の巡りが悪くなるのは、科学的にわかっていることです。これも巡りが悪い状態なので、ある程度筋肉はある方がいいのです。が、大きくて固い筋肉がついてくると、筋肉そのものが、気や津液の巡りを邪魔することになります。気は経絡という高速道路のようなものを通って駆け抜けていきます。津液は三焦という道を通って流れていきます。筋肉が盛ってくると、その道に対して大きな樹木が伸びてきたり、岩が落ちてきたような状態になるわけです。
 なので、筋肉はそんなにつかないように、でもリズムのある運動としての散歩。これがいいのです。リズムのある運動としては、他にも歌や楽器があるのですが、場所を選びますので、散歩が手っ取り早いかなと思います。

 そして、散歩の習慣があると妊娠中に便秘になりにくい、というのは、産みたい女性にとって一番わかりやすいメリットかもしれません。
 ただし、歩くこと自体を目的にはしないのがおすすめかなと思います。
 自分の住んでいる街を、歩くスピードで見て回ることで、新しい発見があるのがいいです。ここにはこんな木があるのか。ここにはこんな猫が住んでるのね。こんなお店が我がまちに。などなど。自分の好きなものを探しながら歩くのがおすすめです。そうすると、街と自分の関係が見えてきて、「暮らし」の中にある自分の姿がくっきりしてきて、生活の質が上がってきます。生活の質が上がると、自分を大事にする、という、大事だけど苦手な人がおおいことをしやすくなります。
 いやいや田舎なのでそんなものはない、という方は、自然の変化を楽しめるといいですね。定点観測をしてみると、どの季節にどんな草花があるのかとか、雲の形の変化とか、鳥や虫の様子など楽しめるものがあるのではないかと思います。
 妊娠中に便秘になりにくいということを書きましたが、妊活としてももちろんメリットがあります。リズム運動というのは巡りが良くなりやすいのです。少し腹斜筋を意識して歩くと、骨盤周りの柔軟性が上がり、柔らかい子宮になりやすい。しかも妊娠維持もしやすくなります。
 また、気分転換を上手にすることも、巡りのいい体づくりには欠かせない要件です。「ストレスで気が詰まる」というのは言葉通りのことなのです。ため息が出るようなら、もう、すでに気が詰まっています。散歩して気分転換をすることで、ストレス解消。そして巡りがよくなるという仕組みです。
 しかも、赤ちゃんを産んで3ヶ月を過ぎたら、
 外に出ましょう!
 陽や外の空気に当てましょう!
 お母さんとお出かけで情操教育!
 みたいな情報が飛び込んできます。
 散歩の日々が始まります。この時に抵抗を感じないようにするためにも、散歩を習慣化するのに早すぎることはありません。
 それでも歩くのに抵抗がある方もあります。その中で、例えば、すぐ疲れるとか足が痛くなるとか、物質的なハードルがある場合は、次のストレッチをしてから歩いてみてもらいたいです。
【足裏イナー】
元記事

澱まない食べ方をすること

 体を動かすことのおすすめが続きました。もう一つの切り口があります。
 「食べたもので体ができる」わけですから、食べることについてもおすすめの習慣があります。
 ダイエット?となりそうですね。でも、食事を減らすとか、ゆっくりよく噛んで食べるとかではありません。
 巡りを妨げるもの、といえば、確かに体脂肪・内臓脂肪があります。そして、あまり意識されませんが、細胞のサビのようなものや、間違った材料で作られた細胞やDNAも巡りを邪魔します。細胞のサビなどと書きましたが、実際にそういうものが存在するわけではないので、あくまでイメージではありますが、少し詳しく書いていきます。

 まず、サビの原因として「酸化」とは別に有名になってきているのが「糖化」です。砂糖を摂りすぎることで、タンパク質や脂質に糖が酸化して結びつくとされています。
 簡単に言えば、甘いものを控えましょうということなんですが、それはそれでストレスの素にもなりますね。なので、食べ方を変えましょう。食べるものを変えずに、食べ方をまず変える。これが最大のポイントです。
 食べるものを変えるのはかなりストレスを伴います。我慢が発生するからです。
 食べ方を変えるのは、少しの努力ですみますし、中にはこの食べ方は今までより美味しいものを美味しく食べられるという方もあるくらいです。(実際、私もそう思います)
 その食べ方はもう少し後に書きます。食べることで溜めてしまう余分なものは全て、同じ食べ方で溜まりにくくなるからです。先に、他の「溜まるもの」について書いていきます。

 次に、間違った材料で作られる細胞について。
 毎日、体の中では新しい細胞が作られています。DNAが複製されて、核が分裂し、1つの細胞が2つになる。その時に、必ず材料として使われるのが、タンパク質、脂質です。
 そのタンパク質と脂質はどこから調達するのかと言えば、食べたものからです。食べたものがアミノ酸と脂肪酸に消化され、またタンパク質や脂質に変化するのです。
 この時に材料として用意されているタンパク質と脂質に、変なものがくっついていたら、肝臓が分解・代謝、腎臓が排泄をするようにしてくれるのですが、限度があります。中には変なものがくっついたまま、細胞の材料になってしまう場合も。
 純度の低い細胞と高い細胞では、どちらが本来のものづくりに適しているか。純粋な材料で作られた純度の高い細胞で作る子宮の方が良さそうですよね。
 純度を下げるものは何かというと、「添加物」です。
 ものすごい種類の添加物があり、中には気にしなくてもいいようなものもあります。逆に、気にした方がいいのに「添加物扱い」にはなっていないものもあります。それを覚えたり、データベースと付け合わせて判断したりなんてことをしていると、そのストレスでかえって巡りが悪くなってしまうんじゃないかと思うほど、溢れています。
 しかも、楽に手に入って、すぐ食べられるものが、添加物にまみれていることが多い。そして、楽に手に入るから、小さい頃から食べ慣れてしまっていて、添加物の味のするソレが、ソレの本当の味だと思っていることが多いです。
 同じ名前のもので、添加物が入っていないもの、農薬や化学肥料を使っていないものを食べてみると、味が違うのがわかります。そして、そちらに慣れてきてから、以前に美味しいと思って食べていたものを食べると、「???」となることでしょう。
 野菜、お肉、お菓子、お惣菜がわかりやすい気がします。
 そういえば、バナナは、子供が食べるようになってから有機バナナにしていまして、私もそれを食べるようになりました。すると、実家で慣行栽培のバナナを出してくれた時に、「あ!このエグみって、バナナそのものの味じゃなかったんだ!」と気づきました。子供も、バナナ大好き(だから母が買っておいてくれたのですが)のはずなのに、一口食べて変な顔をして、しばらく置いてました。(おやつがそれだけだったので食べてましたが)
 お菓子も、シフォンケーキのようなシンプルなものにベーキングパウダーが入っているとわかりますし、お肉は薬のような匂いがするものがあります。
 野菜は、根菜の葉っぱの部分や、キャベツ白菜ブロッコリーの芯の部分の味が顕著に違います。普段捨てている部分です。なぜ捨てるのか。まずいからです。でも、そのまずさは、その野菜本来の味ではなく、実は肥料や薬の味なのですね。
 こういった、本来のその食べ物の味ではない味がするものを避けることで、体の巡りがよくなり、妊娠しやすい体になっていくわけです。
 子供を授かってから、急に無添加自然派になるのは結構苦痛を伴います。しかも経済的にも少しだけコストが上がります。赤ちゃんだけのためにソレをするとなると「頑張ってやっている」というストレスがかかって、赤ちゃんにもじぶんにも、もちろん家族にも良くないです。
 妊娠する前から美味しい無添加に慣れて、それが普通になっておけば、ノーストレスで、赤ちゃんにもキレイなご飯を食べさせられます。

 そして、もう一つ。好みの味の濃さを変えておきたいのです。
 減塩をしましょう。
 というわけではありません。塩という食材の力は、まだまだ知られていないことが多く、やたらに減らせばいいというものではないのが本当のところです。でも、「濃い味」は、体のむくみにつながり、巡りを邪魔してしまいます。
 そして、濃い味を好むと、前述した添加物を摂る機会も増えますし、素材のおいしさを味わうスタイルに、なかなか到達できないのです。
 だから、薄味に慣れていくことが、巡りの良い体づくりの基本になります。
 お料理は薄味にしておいて、塩を摂った方がいい場合には、塩を舐めたり梅干しや塩昆布を食べたりするのがおすすめです。夏場などにはそのようにしています。
 また、味の濃いものを全く食べないかと言えばそうではなく、梅干しや漬物もそうですし、酒のアテ系なども我が家では食べます。メリハリをつけるようにしている、と捉えてもらうといいのかもしれません。
 お料理は薄味、というのも、赤ちゃんができてから離乳食のために薄味のものを作るというストレスから少しばかり解放されます。半分くらいはじぶんたちと同じものを食べさせればいい、という食卓は、とても楽だし楽しいですよ。

 それでは、そんな食事にしていくための「食べ方」を具体的に説明します。

まず、何かを食べるとき、その時間内に時間の流れの区分があります。

  1. 食べ物が目の前に現れた時

  2. その食べ物を切り分けたり、分け取ったりする時

  3. 口に入れる時

  4. 噛んでいる間

  5. 飲み下した後

 これらの段階のそれぞれで、五感をできる限り使ってみましょう。そして、感じたことを逐一、ことばにしてみましょう。言葉は難しいものを使わなくていいですし、自分が分かればいいです。
 例えば。
【食べ物が目の前に現れた時】
 視覚的に「うまそー!」となることもありますが、鉄板でお肉が焼ける音などの聴覚情報や、漂ってくる匂い・香りといった嗅覚情報をえることでより一層期待が膨らみます。
 「このツヤが」「滴る肉汁」「焦げ目の茶色がなんとも」「香ばしい匂い」などグルメレポーターがいいそうな言葉で表しておくのもいいですし、「男前な肉だ」とか「色っぽいな」とか、誰にも共感されないかもしれない表現でもいいので、言語化しておきます。
 甘いものだと、「かわいい」「癒される」「宝石みたい」などの表現が出てくるかもしれません。
 自分にしかわからない表現の方が、本当に感じたことの可能性が高くていいです。
【その食べ物を切り分けたり、分け取ったりする時】
 例えばミルフィーユなどのパイのお菓子。パイ生地はナイフやフォークを入れると、サクサクとか、ザクザクとかそういう音と感触があります。ここでも聴覚と触覚を使っています。
 フォンダンショコラなんかは、カットすると中のショコラが出てきてさらに香りが増したりして、嗅覚を研ぎ澄ますとより一層美味しそうなのが感じられます。
 こんな感じで、ここまでに、すでにたくさん感覚を使って「味わって」おくと、よだれもたくさん出てきます。これが重要なポイントです。
 よだれがしっかり出てくると、味を感じやすくなります。ですから、よだれをたくさん出してから、いざ、お口へ運びます。
【口に入れる時、噛んでいる時】
 口に入れた瞬間には、ケーキなどの場合は甘い味がきます。ここでやっと味覚を使います。
 同時に、使われている素材の香り、例えばバターや卵の焼けた匂い。果物やナッツ、スパイス、隠し味のお酒などの香り。嗅覚を使うことになります。
 それから、甘さ以外の味。酸味や塩け、苦味のあるものもあるかもしれません。
 素材の味は噛んでいくにつれてどんどん複雑に感じられていくので、数回噛んだだけで飲み込むなんてのは勿体無いの極みです。噛んでいる時は、その歯触りや舌触りが聴覚と触覚によって感じられるので、その変化もお楽しみポイントです。
 特に、「噛む」という歯と顎での作業だけではなく、舌と上顎も使って、なめらかにしていく過程で、味わいが変化していくのを感じてみてほしいなと思いますし、その最中に鼻から息を抜くと、口に入れずに嗅いだ香りとは別の香りがすることもあるので、逃さないでほしいです。
【飲み下した後】
 飲み下した後にももう一度、鼻から息をんーっと抜いてみてほしいのです。この時、今までになかった香りがある場合があります。
 お酒、特に蒸留酒や、コーヒー、チョコレートなんかは感じやすいので、ぜひ試してみてほしいです。
 実はこの香り(お酒のそれに倣って「キックバック」と呼んでいます)、ポテトチップスでもよく感じられます。一度やってみてください。すると、ポテトチップスを連チャンでどんどん次々に口に入れていくなんてのは勿体ない食べ方だと気づきます。

この5段階を意識的に五感をフル活用して味わう

 これだけです。
 よく噛んでゆっくり食べることが目的ではなく、その一皿一皿をじっくり丁寧に味わい尽くすことが目的です。ここを間違えてはいけません。
「美味しく食べる」は絶対条件。そうでないと、食べ物は力を発揮してくれません。

 この食べ方をすると、今まで好きだったものが嫌いになることもあります。でも、大きく見ると、自分の体にいいものを好きになっていくのは確実です。どういうことかというと、「添加物や多すぎる調味料を受け付けなくなってくる」のです。
 よく味わうためには、口のなかに長時間いてもらわないといけません。そうすると、添加物などの余分なものに舌や口腔粘膜が刺激されて、嫌な感覚がしてくるようになります。
 美味しかったはずなのに嫌な感覚が残る、ということが繰り返されれば、それを好きでいられる人はそれほど多くないはず。最初は「あれ美味し買ったやつ」「この新作美味しそう」と思って買うことが続いても、そのうちに「あれは美味しそうに見えるけど、後味が変なんだ」「この表示があるものはなんとなく口の中に嫌な感じが残る」とわかってきて、好きだったものが嫌いになってしまいます。
 そして、調味料も、素材の味を引き立てるための最低限でいいなと思えてくるのです。特に、添加物いりのタレやドレッシング、ソースなどは、買ってまで使わなくていいや、と思えてきます。
 ここでよく考えてみてほしいのですが、「食べたもので体はできていきます」という言葉。
 添加物が混ざったアブラをたくさん取っていれば、添加物の混ざったような細胞ができます。その細胞で臓器や器官を新しくしていくとしたら。それが子宮の細胞だったら。果たして、柔らかい子宮ができるでしょうか。
 そして、せっかく生まれてくれた赤ちゃんに飲ませる母乳も、同じように添加物が混ざったアブラを含んだ血液から作ることになります。赤ちゃんも産まれてすぐから添加物ざんまい。どうでしょう。
 これ、嫌だなと思ったら。添加物を避けたくなりますよね。
 でも。
 妊娠してから添加物を避ける食生活を心がけるとなると、あれもだめ、これもだめ、好きだったものを我慢して我慢して我慢して。「あなたのために私は我慢ばかりしている!」というストレスがいつか赤ちゃんに向けて爆発するかもしれません。
 妊娠前からすがかてして、気づいたら添加物入っているものは食べなくなっていた、というふうになれば、赤ちゃんの体にいい食事をすることになんの我慢もいりません。一石二鳥です。
 さらに、調味料も最低限で良くなっておくと、離乳食の時にとても便利です。

 それでも、これは難しいと感じる方は、せめて
 ながら食べをしないで
 食べている物のいいところを探しながら
 毎食、おやつも食べてみてください。そこからでもすがかてになっていく可能性は十分にあります。
 また、すがかては、一食食べきるまでずっとやっていると、食事時間が驚くほど長くなってしまうので、それぞれのおかずにつき最初の3口まで、意識してトライするのをお勧めします。
(どれくらい長くなるかというと、直径2センチ程度のお万じゅうを食べ終わるのに10分かかります!)

 ここまでに、姿勢・運動・食事の3つの習慣を書いてきました。
 生活の中でかんたんに、しかも今までになかった時間をを捻出することなくできます。これらを習慣化していくことで、巡りのいい体のための土台作りになります。ぜひまずは30日。気になったところから試してみてください。

そしてこの3つ

 次に、これらもできるといいなというものを3つ紹介します。

真呼吸

深呼吸ではなく真呼吸。
 これは造語です。イメージの話になりますが、深い呼吸というのは、肺が大きく膨らんで、肺のキャパシティいっぱいに空気を吸うことができる呼吸を表しているのではないでしょうか。
 まず、それは絶対条件として、その次の段階も効率よくできる呼吸法に名前をつけてみました。それが真呼吸。
 これができるようになると、

  • 疲れにくくなる

  • 痛みに強くなる

  • 便秘解消しやすくなる

  • コツ★トレ!の効果が出やすくなる

といったメリットがあります。
 そして、中医学で妊活といえば必ずケアする臓腑である「腎」を元気にすることもできます。
 「腎」と呼ばれる中医学の臓腑の一つは、生命活動エネルギーの素である「気」を貯金する場所でもあります。また、普段の生活のための気だけでなく、生殖活動に関わるエネルギーである「天癸(てんき)」もここに入れられています。「天癸」はお父さんお母さんからもらったものと、腎に蓄えられている気を合わせて、維持されています。この天癸が、生理に関わっています。女性ホルモンと呼んでいるものの裏側に天癸があるようなイメージです。
 天癸をしっかりさせるには、腎に気がちゃんと蓄えられている必要があります。そのためには、腎気を補う薬膳を食べたり、腎に気を蓄えやすい呼吸をしたりすることが「できること」です。
 まずはそのために真呼吸をしてみてほしいなと思います。
 そして、妊娠中、出産後には、疲れにくく腰痛になりにくい体の方が絶対いい!ので、今のうちから習慣化できるといいですよね。便秘については散歩のところでも書きましたが、妊娠出産の時期には薬以外の解消法を持っておくと楽です。真呼吸はそこにも役立ちます。
 もう少し中医学的な解説を続けます。
 便秘への効果は、真呼吸によって「肺」の働きが上がることで、「大腸」の働きも良くなるという仕組みによります。
 肺と大腸、関係なくない?
 と思われると思います。が、中医学的にはこの二つは表裏一体の関係にあるとされています。具体的に、科学的に照らし合わせることはまだできていませんが、「五行論」という中医学基礎理論において、肺は大腸と密接に関係していることがわかっているのです。
 中医学の「肺」が担当している仕事は、呼吸ではなく「宣発粛降」というものです。これは、脾胃が食べ物から作り出した気と津液を肺が受け取り、全身に撒き散らし届けるはたらきです。全身というのは、体の表面や末端、五臓六腑、などなど、本当に全部にです。
 「宣発」と「粛降」という二つの動きが同時に行われるので、四文字熟語のようになっています。
 便秘の対策になるのは「粛降」の方です。「粛降」は「気や津液を粛々と降ろす」はたらきです。肺は五臓六腑の中で一番上にあるので、「宣発」のはたらきで頭の方や体表面へ、それ以外の場所に届けるには降ろす方向になります。
 この粛降のはたらきがうまく行かないと、気が下に降りにくくなります。排便にはこの気が下に降りるはたらきが使われていますので、それが弱くなると排便がしにくくなるのです。
 呼吸で粛降を助けてあげることで、大腸のあたりの下向きの気の流れが良くなり、排便しやすくなる、つまり便秘解消に繋がるわけです。
 また、この粛降のはたらきが弱まると、腎まで気が届きにくくなり、腎での気の貯金がしにくくなります。
 少し話を戻して、真呼吸によって起きることに書いたものに説明を加えます。
 真呼吸を続けて腎に気の貯金ができてくると、疲れにくくなる。これは、本当にお金と同じ感じです。食べたり呼吸をしたりして取り込んだ気を、そのまま使ってしまって、蓄えがない状態はまさに自転車操業状態です。動いているときは食べてないし、呼吸も止まりがちなので、気が足りなくなりやすい。気が足りない状態は疲れを感じやすくなります。
 逆に腎に貯金があれば、動いている時もそこから出してくればいいので、疲れを感じにくくなります。
 だから、真呼吸を習慣化することで疲れにくくなる。
 痛みに強くなる理由はよくわかりません。でも、やっている方が最初に感じる効果です。肩こりや首こりがなくなるにはまだまだというタイミングでも、痛くはなくなる。腰痛が軽くなる。頭痛の時にしてみたら軽くなった、みたいな体感を得る方が多いです。私自身は、乳がんの手術後、鎮痛剤を一度も使わずに済みました。

 メリットと解説が長くなりましたが、やっと真呼吸のやり方です。
 大雑把に言うと、

  1.  吸うときに、背骨を空気が通るイメージで吸う

  2.  それが骨盤に広がるイメージをしながら少し呼吸を止める

  3.  下腹部に気が溜まっていくイメージで吐く

 という感じです。
 イメージばかりなのですが、気の問題なので、気持ち次第なのです。
 とはいえ、もう少し説明を加えます。
 真呼吸では「空気」と「気」を同時に取り込んでいると考えてください。空気は肺(横隔膜の上)にしかはいりません。気は腎(骨盤の中)まで入ります。
 ですからまずは、横隔膜の上、あばら骨のある部分が大きく膨らむように吸うことが大事です。腹式呼吸とは逆です。ただし、胸だけでなく背中側も膨らむように。360度、上半身を空気で満たします。
 背中側も、というのが結構重要です。
 なぜかというと、「気」の方は背骨を通っていくからです。胸を膨らませようとだけ意識していると、背骨を通っていきません。すると横隔膜で止まってしまいます。
 ですから、鼻先から鼻の中へ空気が入っていくのを感じられたら、次に、頭蓋骨の中を通っていっているのを感じます。すると背骨に入っていくイメージがしやすいです。
 背骨に入っていくイメージができたら、お尻のあなをきゅうと窄めます。これがゆるいと、せっかく骨盤まで気が入っても、お尻のあなから漏れてしまいます。きゅうと窄めるのと同時に、背骨にある気をそこに引っ張り下げるイメージをします。すると背骨を通って骨盤まで来てくれます。
 しっかり吸い切りつつ、骨盤まで来てくれた気が骨盤内に広がるイメージをします。「吸い切りつつ」という表現をしますが、呼吸が自然に止まっている状態になるので、それを目安にしてみてください。(意図的に止めるのではない) 
 そして、広がった気がおへその下3センチくらいのあたり「丹田」と呼ばれるあたりに集まるようにイメージしながら、ゆっくりと細く長く、息を吐きます。

 やり方は以上です。
 吐く方が先!という話もありますが、そこはお好きなように、と思います。きちんと吸えている時の方がしっかり吐ける、ということもありますので…。
 そうそう。書き忘れましたが、真呼吸をする前に、座るわけですが、正座でも胡座でもいいです。この時に、「コツ★トレ!」のケツ割りをするのをお忘れなく。骨盤が立っている方が、気が入りやすいです。

お灸

 巡りをよくするために、プロのケアを毎日受けられたらいいのですが、そうもいきません。そこでおすすめなのが、セルフでお灸をすること。みじかなものではないですが、やってみると意外にハードルは低いのです。
 お灸というのは、気の通り道である「経絡」のあたりに温熱刺激をすることで、その道の流れをよくしたり、その道の先にある体の臓器や器官を元気にするような、中国医学・医術の技法です。
 お灸自体はドラッグストアや通販で買えますし、お灸に火をつけるためのライターも買えます。
 あとは、匂いと煙の問題があるかないか、というところ。
 匂いは慣れればそれほど悪くないですし、煙も特に無害なもの(よもぎの葉を燃やす形なので)ですので、ちょっと煙たいなくらいに流してもらえればいいなと思います。
 お灸をまずは入手していただいて、次に、どうやって使うのかという段階に入ります。
 お灸はもぐさというよもぎの葉っぱを乾かしたりして固めたものです。これに火を点けて、「経絡」の中の「ツボ(経穴)」やそのあたりに置き、しばらくすると熱が皮膚表面に達します。「熱いな」が我慢できないくらいになったら、すぐ外します。ここでの我慢は意味がなく、火傷のようになるだけなので、熱い!と感じたら外します。これ、大事なポイントです。
 いくつか、有用そうなツボを選んでやってみますが、一つのツボに1回または3回、お灸を据えるのが良いそうです。
 具体的におすすめのツボをいくつか紹介しますが、自分の体を撫でてみて違和感を感じるところや、マッサージしたり指で押したりすると気持ちいいところに据えるのがいい場合が多いです。

【おすすめのツボ①】


思考整理術

 これはもしかしたら、妊活中には一番大切なカギかもしれませんし、産後うつの予防にもいいかもしれないことです。
 不妊治療を頑張ったけど、もう諦めた。そうしたら突然授かった。という話を聞いたことはありませんか?不妊治療をしている全体数のうち、実際そうなった人は何%いらっしゃるのか、統計をとる機関がないのでわかりませんが(不妊治療してたところで全員が産めば統計取れるけど、たぶん、そうじゃないんですよね色んな理由で。)
 それは、なぜなのか、科学的には説明がつかないかもしれません。
 ここにきて「かもしれません」ばかりなのですが、これは中医学的にも科学的にも論理的根拠がないので、「かもしれない」というしかない話なのです。
 でも、アーユルヴェーダなどには答えがあるかもしれません。アーユルヴェーダでは、「私という存在」は五層構造になっていて、科学や中医学が診ている体はそのたった一層分だけ。しかも一番上っ面でしかなく、ほとんどの重要な部分は精神や魂のようなものだとされています。思考はこの精神や魂のほんの一部と言えます。
 これによれば、考え方が変わればその表現体であるカラダという「鞘」が変わるとされています。もっと言うと、考え方よりも奥深い魂が変われば病気になったり治ったりするとされているのです。
 そこまでのコントロールをするには瞑想を本格的にしたり、若干修行みたいなモードになるか、偶然的に覚醒するようなことになればいいのです。
 とはいえ雲をつかむような話。
 中医学的には少し説明がつくのでそちらも紹介しておきます。
 キモの部分は肝(かん)という臓の健康度です。
 肝という臓は、気の巡りのポンプ機能を担当しています。ですからここがバランスを崩すと、気が巡りにくくなります。
 肝がバランスを崩すときというのは、例えば、

  • ストレスなどでイライラする

  • 頑張りすぎてきゅうくつだなと感じる

  • 気が滅入る

というようなことが続くときです。
 そんな時には肝がバランスを崩し、気が巡らない体になっていきます。妊活に不利なだけでなく、これは子宮筋腫などの子宮の病気の素にになったり、そこまでいかなくても生理痛がひどかったり。排卵も肝のポンプ機能によって起こるとされています。
 生理以外には、不眠(中なか寝付けないタイプ)や吹き出物、ドライアイなどの症状が出やすいので、そちらも肝のバランスが整っているかどうかの目安にできます。
 そして、肝のバランスを崩しやすい精神状態の時をもう一度見ていただくと、これ、真剣に頑張って不妊治療をしている方が陥りやすい状態でもあるんです。
 頑張れば頑張るほど、頑張りすぎてきゅうくつになったり、旦那さんや親族とのズレがストレスになったり、中々うまくいかないことで自分をせめて気が滅入ったり。
 受験や仕事と違って、自分が努力をしてもうまくいかないのが妊娠・子育てだなと、産んだ今でも思います。仕事なんてホントに楽ちんだった!そして、子育てはなんとか「頑張る」ことができますが、妊娠は本当に神様からの贈り物だと感じます。選ばれて、母にならせてもらうんだなと。
 選ばれないのには理由があり、それは、子育てをする思考状態にないということなのかもしれません。そう思ったのは、私自身、双極性障害があり、20代や30代のうちに出産していたら、ひどい産後うつになって母子ともに不幸な未来が待っていたかもしれないと感じたからです。でも、思考法を変えていっていたおかげで、あのお腹なら入ってもいいかなと思ってもらえて、生まれてきてくれて、軽いうつにはなりましたが乗り越えられました。
 選んでくれるためにというのもありますが、現実的に考えると、産後うつになりにくい思考回路になっておく、と思っていただくのがいいです。
 そうとは考えずにですが、これは私もやっていましたし、今もやっています。無意識のうちに考え方のクセが変わっていきます。そして、そのおかげで妊娠できたし、産後うつもクリアできたと感じています。
 どういう方向に考え方を変えるのか、というと、

  •  切り替えが早くできる

  •  どんなことからも本当に学べる

  •  いつも明るい方を見る

という感じです。これは言葉ではできていると言えてしまうけど、実際には意外にできていない人が多いのではないでしょうか。明るい方を見るのも、くらい方と比較してだと、意識に暗いものが入り込むので完璧ではありません。絶対的に明るい方と見る。これが大事なポイントです。
 絶対的に明るい方、というのは?
 これは陰陽論を使った暦の理論に出てきます。「吉方」と言います。
 できるだけ毎日、この「吉方」を意識することで思考のクセが変わっていくのです。脳みそは、頻繁に目にするものに影響され似ていきます。だから絶対的に明るい方を見ていると自分も明るくなっていきます。すると、嫌なことがあっても切り替えが早くなり、言い訳でなく学ぶことができるようになってきます。
 ラッキーカラーやラッキーアイテムなんかも吉方の一種ですが、効果の高いものは「吉方取り」という方法です。

(やり方解説)

 750メートル離れたところで、がポイントで、毎日そこまで徒歩で行けば、散歩の習慣もついてしまうという。
 コツ★トレ!して、吉方まで散歩して、地の気を取り込むためのものをすがかてしていただく。それだけでももう、かなり巡る体になります。そして、合間合間に真呼吸。寝る前にお灸。やってみて損はないはずです。

もう一つだけ

 最後にもう一つ。これもぜひ心がけてほしいことのなのですが、妊娠する前にやっておくといいこと。
 とにかく「勉強」です。
 なぜかというと、妊娠中、産後、目を使うことを減らした方が絶対いい!!!からです。
 中医学的に、妊娠出産で弱ってしまうのは「腎」という臓なのですが、ここが弱ると本来腎に養ってもらっている「肝」も弱ってきます。気の巡りのポンプだと説明した臓です。
 五臓六腑はそれぞれ感覚器とつながっています。腎は耳と、肝は目とです。ですから、肝が弱ると目が弱ります。逆に、目が疲れすぎると肝はバランスを崩しやすくなります。お酒を飲みすぎて視力が落ちる、ということもあるくらいです。
 そして肝は血を貯めておく場所でもあります。妊娠して子宮内膜の方へ血液を溜め込んでふっくらさせていくためには、肝の貯金ならぬ貯血が重要です。でも、目を使いすぎると、目の方に血を送ってしまいます。
 内膜のための血まで使い果たすことはないにしても、やはり十分でなくなることもあります。だから、妊娠中や産後は、できる限り目を休めるのがいいのです。
 産後は赤ちゃんのことを勉強したくなります。どうやって育てるのがいいのか。だっこの仕方、ミルクや母乳のあげ方、知育はいつから何からがいいのか、保育園事情はどうなってるのか。もっとリアルに、こんなことが起きたけど何かの病気ではないのかとか、うちの子はフツウなのか、そもそも何がフツウなのかとか。でも、勉強しようにもまとまった時間がなくてスマホで検索すると、不安を煽るような情報がたくさん出てきて、また気が滅入るということもあります。
 だから、産む前に。もっというと妊娠前に。
 もちろん、赤ちゃんのことだけじゃありません。産休育休中に勉強しようなんて絶対考えちゃダメです。スキルアップしたいなら、妊娠前に。今読みたい本があるなら、今、です。

おわりに

 ここまで読んでいただきありがとうございます。44歳で自然妊娠した私ですが、本当に正直なところ、一生産まないと思っていました。産めないと思っていたというのが正しいかもしれません。
 産まなくても楽しい人生を歩めると思っていたし、今でもその選択肢を持つことはいいことだと思っています。
 ただ。
 この記事を書き始めてから思ったのは、
 これって全女性にやってほしいことだな
 ということでした。
 産めるカラダとはつまり、女性が「動物的に健康である」状態なんです。産む産まないは選択すればいいのだけど、産めるカラダつまり動物的に健康なカラダは、全女性に維持してほしい。だって、その方が、どちらにせよ人生楽しめますよね。
 産まないから巡らなくていい、なんてことはないのです。
 ここに書いた巡りのいい体づくりの方法は、ストレスフルな現代社会を生き抜く全女性の、健康的なカラダとこころを守るものでもあります。
 だから本当は全女性に届いてほしいな、なんて書きつつ、記事を終わりたいと思います。
 もちろん、男性も同じ方法で巡る体を作れますので、パートナーやおやごさんにもおすすめくださいね。
 一人でも多くの方が、自分に素直に、本当にしたい選択をして、人生を謳歌できますように。

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