仮定 | weekly vol.087
「The LOST以降世界の地理情報システムは国家管理化に入った。その当時、全世界では24億のドローンが飛行中で、それが一斉に位置情報を失い行方不明になったのだからその衝撃は大きかったのだろう。配送や点検、監視のためのドローンは年々増え続けており、生活に欠かせないものになっていた。物流量は年々増え続けていたが、人口は減っており、労働力は慢性的に不足していた。つまり、ドローンを始めとするロボットの導入は不可避であったのだ。そして、ロボットやドローンにとっては、位置情報システムこそが世界の中での自分の位置を知るための手がかりであり、それを失うということは迷子になってしまう、ということだ。不安になったロボットやドローンは帰巣本能とも呼べるような行動を見せた。」
彼女は音読をやめると、窓の外を飛び交うドローンを指差して、ドローンのない世界について思うところを述べた。曰く、陸上交通網などという不合理な運搬手段を選んだ理由は何だったのか、と。鳥は昔から空を飛んでいたわけで、空を飛ぶという選択がないわけではなかったはずだろうと言うのだけれども、人類が飛行するための機械を生み出したのは人類の歴史が記録されるようになってからしばらく経ってからのことだった。アイディアを実装するのにはテクノロジーの発展を待たねばならない。テクノロジーは夢想を現実に変えていく。
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予定は未定で理想はなかなか現実になりませんが、何とかこうしてまたnoteを書くことができる程度には回復しつつあるキノコです。時間の経過というのは無情なもので、調子がいい時も悪い時も同じように過ぎていくものですが、体感というのはもっと不条理なもので、調子が悪い時にはそれが未来永劫続くかのように感じられるものです。やがて時間が解決するというのは、人間の記憶力というものが時間の経過とともに変化していくということに期待しているわけで、なまじ記憶力がよかったり、想像力があったりすると内省される地獄はより彩り豊かになるということなのかもしれません。記憶力があり想像力が豊かだと言うつもりはありませんが。さておき、リハビリしつつなので無理のない範囲でやっていこうと思いますので、再びお付き合いいただければと願います。
まず市況については銅先物が下がっているよ、といった先行指標とされるものがいったん調整の機運を見せているのでボラティリティーの上昇に期待したいところです。ボラティリティーさえあれば上がろうが下がろうが正直どっちでもいいという感じになってきました。これは一つの成長です。人類は適応するということなのでしょうか。
家の状況ですが、順調に毎月説明会や検討会が開催されておりますし、文京区の開発意欲は引き続き高そうな状況であります。さっさと再開発を決めて高値のうちに売り抜けたいという気持ちになってきておりますので、これも成長なのではないかと自認しております。持ち家もいいけど賃貸もいいよね、というこれまたどっちもいいところはあるよという感覚です。
というわけで、今日の話は仮定の話はできない、という首相の発言が切り取られて報道されているのを見つつ感じた、人生における確度の話です。
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