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クラムボンの死/IT起業家たちがバイオを目指さない理由

【2020.07.16追記】

この記事で告知している本日のYouTube配信は、キノコさんが病没のためうでパスタがひとりで喋ります。したがいまして内容は「未定」となり、こちらで予告していたテーマについてはまた次回以降お話しすることになりますのでお知らせをいたします。以下、本文。

この告知は、うでパスタが書く。というか、つまりこれは告知だ。

健康を損なうというのはその三角の一つが壊れてしまうということで、回復するまでは経済や人間関係にも大きな影響を及ぼします。具体的にはweeklyの原稿が遅滞するなどの弊害があります。
ill | daily|九段下パルチザン

クラムボンは、死んでしまった。
先週の土曜日に掲載されるはずだった今週のクラムボンは、協議の結果、正式に死ぬことになった。
理由は、夏だからだ。
私の組んでいるパートナーはなかなかいいCPUを積んでいると思うが、熱には弱い。そういうことだ。
今回クラムボンが死んだのは久しぶりのことになる。いつもの通り特にお詫びなどはない。なぜなら我々はふだんから月額三百円のお約束に対してはるかに過剰なサービスを提供しているからだ。毎週が、ガチの本番行為だからだ。我々は毎週、そして毎週、完全に経済的な原則を放棄して、山火事のように安価で、いまマイアミへ着いたばかりのふわふわのコカインのように上質な文章を、市場へ流し込みつづけて止むことがない。そこにはそういった意味で、LAPDほどの倫理規範も存在しないのだ。我々は、できるときには過剰にやる。やらないときは、できないのだ。

今週の更新は以下の告知だけになる。

2020年7月16日(木)、この記事が公開されてからおよそ一週間後に、三度目となるBiblioTALK de KINOKO YouTube Live配信を実施する。開始時刻は20:00を予定しているが、以下のURLさえ知っていれば、配信開始後の「後追い視聴」や「アーカイブ」からの視聴も可能だ。

前回の配信は終盤に通信状況が悪化して音声が細かく途切れてしまうというお聞き苦しいものになったが、これについては素直にお詫びしたい。原因は突き止めていないので、また起こるかもしれない。ただ、次回はもう少しチャットに注意したいと考えているので、お気付きのことはなにくれとご指摘いただきたい。この点に関して私たちは謙虚だ。

先のテーマは「現代の宇宙開発は人類にとってどのような意味があるのか?」というものであった。
二時間近くも酒を飲んだあげくに我々のたどりついたひとつの仮説は次のようなものだ。

「アメリカは常にフロンティアを必要としている。その先兵たるIT起業家たちにとり、次に進むべき道はふたつしかなかった。ひとつは宇宙、もうひとつはバイオテクノロジー。だがバイオの世界には厳しい倫理規範が存在する。既成の秩序を破壊することであらたなイノベーションを巻き起こしてきた彼らにとって、生命科学は魅力のあるフロンティアではなかったのだろう」

次回は、このバイオテクノロジーについて話す。
つまりIT長者たちの進出を未然に防いだ倫理規範、それによって守られたものとはいったい何か、その倫理規範を破る者はどこにいるのか、それを裁くべきは誰か。あるいは究極的に、それを裁くことは可能なのか、そして適当なのだろうか。
実はキノコさんと私は、このあたりの本を結構保有している。
あまり株の話はしたくないのだが、前回の配信でも少し触れた通り、NASDAQのような新興市場において、いわゆるGAFA(M)の次の時代をになうことのできるセクターはバイオテクノロジーしか存在しないのではないか。すくなくとも私は買っている。
まぁそんな話ももちろん背景にはある。この世には、大学を中退してITをやり、世界にその名を轟かせる人間もいれば、同じようにドロップアウトしてバイオ、ライフサイエンス、メディカルをやろうという人間も存在するのだ。ただし幸か不幸か後者についてはまだ成功した人間がいないというだけだ。

配信URLは以下の通りだ。

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