主の恵み深きことを味わい知る
「主の恵みふかきことを味わい知れ。」(詩篇34:8)
「恵みふかきこと」と訳されたヘブル語の言葉は、非常に広範囲な意味での「良さ」を指す、とても豊かな言葉です。
愛情深さ、恵み深さ、忍耐、赦し、親切、優しさ、あわれみ、美しさなどであり、新改訳第3版ではそれをまとめて「主のすばらしさ」と訳しています。
この詩篇を書いたダビデは、主がそんなにも素晴らしい方であることを味わい知れ、つまり自分で経験してみなさい、というのです。
そしてペテロは、こう書いています。
「あなたがたは、主が恵み深いかたであることを、すでに味わい知った・・。」(1ペテロ2:3)
一年の終りを迎えるにあたり、皆さんが今年、主の素晴らしさをどのように味わったかを考える時間を取ってみてはいかがでしょうか。
「いやいや、今年は散々だった。コロナもあったし、良いことなんて何一つなかった」と言う人もいることでしょう。
でも、本当にそうでしょうか。
大変だったことは確かですが、そういった中にも、主の恵み深さ、素晴らしさは表れるものです。
それに、そんな大変な一年を切り抜けられたこと自体が、神の恵みだと言えます。
実は、ダビデがこの詩篇を書いたのは、自分の主君サウル王から殺されそうになって敵国へ逃れ、そこでもまた危険な状態になったので、気が触れたふりをして逃げなければいけなかった時のことです。
大変な目にあったからこそ、多くのことを学び、神の恵み深さを感謝したのでした。
私自身のことを言えば、年のはじめに妻が病気で倒れたことは、本人は言うまでもなく、私にとっても一大事でした。
でも、妻は順調に回復することができたし、私はこの経験から貴重な信仰の教訓を学べて、文字通り「主の恵み深さを味わい知る」ことができました。
また、新型コロナは私の生活にも大きく影響しましたが、それがきっかけとなって、このバイブルラインが生まれました。
苦難からさえも、私たちのために益を生み出してくださること、これもまた主の恵みです。(ローマ8:28参照)
どうぞ皆さんも時間を取って、この一年に味わった主の恵み深さ、素晴らしさを思い返していただければと思います。