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第20回目~サタンの誘惑⑤~

イエスが受けたサタンの3つの誘惑についてシェアしています。

今日は前回に続き、3つ目、高い山の誘惑の更に深い所を見ていきたいと思います。

「サタンを拝んだら国々をもらえる」という誘惑…

これに乗るとどうなるのでしょうか?

イエスは国々の王として君臨することができますから、結果は決して悪くはありません。
ですが、サタンを拝む、つまり、サタンを自分よりも上に立つ者として、拝みひれ伏すことが条件でした
これは、結果は良くても、その土台、やり方が悪ければ、神様の考えとは違ったものになってしまうという事…、以前の投稿を読んで下さっている方々ならば、ここまではご理解されていると思います!

ですが、当時のイスラエルの状況を知ると、更に深い理解へとつながっていきます。

当時のイスラエルは、国としてはもはや存在せず、ローマ帝国の属州となっていました。
彼らの多くが、ローマの支配から少しでも早く抜けて、イスラエルを再建したいと思っていたことが、イエスの弟子からもわかります。

シモンという弟子がいましたが、聖書には、「熱心党」のシモン、と書かれています。
この熱心党は、ローマ帝国の支配から逃れてイスラエルを再建したい者の集まりで、実力行使、つまり武力によるイスラエル奪還も辞さないという思想を持っていました。

また、ユダヤの人々は、旧約聖書に書かれている〜メシヤ〜(救い主)を待ち望んでいました。
ローマ帝国の圧政の中で、その気持ちはますます大きくなっていたに違いありません。

そんな中、イエスの行う奇跡を見て、ある人々は、イエスを王にしようとした事も書かれています。

イエスは、人々がやって来て、自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り、再びただ一人で山に退かれた。
ヨハネの福音書 6章15節

国を失ったユダヤ人は、王に国を取り返して欲しかったのです。

ポイントはその方法でした。

戦いによってイスラエルの国は滅ぼされたから、人々は、やはり武力によって国を取り返したかったのです。
そしてそれは決して悪い選択ではない、という価値観が、彼らに植え付けられていました。
メシヤは、自分たちユダヤ人を助けてくれる、ローマをやっつけてくれると思っていたのです。

サタンは、それをわかっていたので、

イエスキリストが暴力によって国々を支配する

という計画を用意していたのでした。

つまり、暴力革命を起こそうと思っていた事が分かります。
暴力によってイスラエルの国を取り戻す、という考えが、ユダヤの人々にとっては当たり前だった、という背景をわかると、この高い山の誘惑の、サタンの巧妙さが浮き彫りになってきます。

ここで考えたい事。

これは当時のイスラエルに限ったことではありません。
今でも、紛争が起こっている国は1つや2つではない事は皆さんもご存知だと思います。

これは人が変わっていない証拠だと思いました。

人が人の考えだけで物事を解決しようとする限り、世の中の争いは止む事はないでしょう。
そして、この聖書箇所からすると、暴力による解決は、サタンのやり方である事がわかってきます。

この暴力に関してのイエスの興味深い箇所が他にもあります。

次回は、更に弟子達も、熱心党シモンだけでなく、暴力に対して罪の意識がなかった事がわかる箇所をご紹介しますね。


Have a blessed day!


※写真は「サンジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂にある熱心党シモンの彫刻」です。

20回




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