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第23回目~カナの婚礼~

今日は、イエスが行なった最初の奇跡として有名な「カナの婚礼」と呼ばれるエピソードをご紹介します。
 実に多くの示唆に富んだエピソードなので、少し長くなりますが、読んでいただけたら感謝です。
 
 
イエスが生まれたナザレの北にあるカナという町で婚礼があって、イエスも弟子たちも、またイエスの母も招かれていました。

当時のユダヤ人の婚礼は、数日、長いと1週間も続くという盛大なお祝いでした。その婚礼の最中にぶどう酒がなくなります。これは、招待した家の恥にもなりかねない事。

そこで母マリアは、イエスに「ぶどう酒がありません」と言います。
 
まず、ここを考えてみます。
 
そもそも彼ら自身は招かれた客です。ですがそんな中、ぶどう酒が切れたことを知ったマリアは、イエスに報告したのですが、それは「とりなし」と呼ばれる働きでした。
 
「とりなし」とは、誰かのために問題の中に割って入り、それを神に解決していただくよう求めることです。
 
これは単に状況を言ったのではなく、主催者にとっても、客にとっても、大切な祝いの婚礼が台無しにならないように、マリアはイエスに解決を求めたのでした。

ところがそれに対し、イエスの答えはちょっと驚きです。
 

〜「女の方、あなたはわたしと何の関係がありますか。わたしの時はまだ来ていません。」
ヨハネの福音書 2章4節

 

なんだか母親を他人扱いしたような、もっと言えば、親を侮辱したような言い方にも聞こえませんか?
 
ですがイエスは、神の国の考え方を人々に示していたのです。それは、世の常識とは違うものでした。

神の家族とは、肉的な繋がりでなく、天の父との繋がりがある者が家族なのだという事を母マリアにも示唆していたのでした。
また、「わたしの時」とは、イエスが公に、自分が神の子であり、救い主であることを示す時、つまり十字架にかかり、天国にあげられる時のことでした。
 それがまだ来ていません、というのは、自分が神の子であることが人々にまだわかっていない今、わたしに一体何を求めるのでしょう、という意味だったのです。
 
ですが、これに対しマリアの答えは見事なものでした。
 

母は給仕の者たちに言った。「あの方が言われることは、何でもしてください。」
ヨハネの福音書 2章5節

 

マリアはイエスに問題の解決を求めましたが、あくまで親子の関係の中で求めていました。ですがもはやイエスは、自分の息子というところから離れて、神の子として、敬い従う立場なのだ、と、瞬間に理解したのです。
 
そこでイエスは、母マリアの言ったことを無視しませんでした。給仕達に6つの水がめ(1つ80〜120リットル入るメチャ大きい水がめ!)を水で満たし、宴会の世話役の所まで持って行くように言います。
 
するとここで、奇跡が起きました!!
 
持っていった水が、なんとぶどう酒になっていました。
世話役は何が起こったかを知らずに味見をし、あまりに良い味に驚いて花婿にこう言います。
 

「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、人々が十分飲んだころになると、悪いのを出すものだが、あなたは良いぶどう酒をよくも今まで取っておきました。」
ヨハネの福音書 2章10節

 

イエスはこのことを最初のしるしとしてガリラヤのカナで行い、ご自分の栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。
ヨハネの福音書2章11節

 

最後に数字のお話を少し。
聖書に出てくる数字には意味があります。

6は、7という完全数の一つ手前で、不完全な、人間的な(神の存在がない状態)という意味を表しています。イエスはその不完全で人間的な6つの水がめに、神の奇跡を加えたのです。

この奇跡は、神と共に生きるようになると、そこに神のみわざがなされるようになる、ということも示唆しています。
 
聖書は本当に奥深いですね!
 
次回は、このぶどう酒についてちょっと面白いお話をシェアします。
 
Have a blessed week!



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