【アメリカ】シカゴ郊外の旧刑務所(廃墟)を歩く〜プリズン・ブレイク撮影地:オールド・ジョリエット刑務所〜2
皆さん、こんにちは。ばたこです。
今回は前回の続きから。
映画「ブルース・ブラザーズ」やアメリカの人気ドラマ「プリズン・ブレイク」の撮影地にも使われたオールド・ジョリエット刑務所のレポートです。観光地ではありますが、ところどころ廃墟な感じが…それも含めてお楽しみください🎵
まだの方はぜひ前編からご覧ください↓
模範生は名誉寮へ…?
かつては、倉庫として作られた建物でしたが、のちに寮としても使われるようになりました。これは、善行を目的としており、受刑者にも個室部屋が提供されていたそうです。
刑務所の礼拝堂もあったそうで、映画「ブルーズ・ブラザーズ」のワンシーンでも有名な建物だそうです。知っている方、いらしゃいますか?
学びの場所は図書館と学校
受刑者の多くが、罪を犯し、教育を修了しないまま入所していました。そこで、出所した後の生活でしっかりと生計を立てることができるよう、刑務所内には、図書館や学校が併設されました。日本では現在、1カ所のみ学校を併設した刑務所があるそうです。アメリカの方が教育観点的には進んでいたのかな。
学校の入り口には、『MAKE TIME SERVE YOU」と書かれていました。
調べてみると、これは、アメリカで有名な銀行強盗ウィリアム・サットンの言葉に由来しているそうです。
ウィリアム・サットンは、変装の名人で何度も脱獄を行い、人生の半分を刑務所で過ごした人だそう。(←すごい人だ)出所後は、刑務所改革の擁護者となり、本を出したり、銀行に盗難防止技術について助言するなど、悔い改め、二度と犯罪に手を染めることはなかったとか。
そんな彼の残した言葉の中に「Do not serve time, let time serve you」という言葉があり、【刑務所などの制限された状況においても、ただ時間を過ごすのではなく、自分の利益や目標のために時間を活用しよう】という言葉があります。この言葉から入り口のスローガンは作られているのではないでしょうか。
皆が平等に与えられる時間。過ごし方次第で、人生は変わってきますよね。うーん、私も時間を大切にアメリカで過ごさなきゃ!
寂しい暗い監房
ついに監房ですが、肉眼では真っ暗で何も見えない空間でした。それはそのはず、窓から光が差し込まないからですよね。そして、空気が冷たくて、お昼に行ったはずが、夜のような静けさでとても寂しい空間でした。
剥がれかかった壁と暗い空間が廃墟感増し増しです。
別の建物にも監房があり、こちらは中まで見学することができました。
こちらの部屋には手の届かない上部に窓があり、木と鉄の二重構造のドアが取り付けられていたそうです。ちなみにこの建物の2階部分には、死刑囚監房もあり、一般の受刑者とは別の監房で過ごしていたようです。
広い庭で日向ぼっこ
野球場、ハンドボール、バスケットボールコートとして使用されていた庭は、とても広く、いかにこの刑務所が大きいのか実感できます。
正面にあるお城のような建物は、当時2階は所長の家、3階は隔離棟、4階は女性囚人が収容されていたそうです。一般の人と受刑者が同じ建物で生活していたとは、少し驚きです…
こちらの建物は、いま改修中だったので、近いうちに綺麗になって公開されるような気がします。
また、庭にはプリズン・ブレイクにも出てきた、公衆電話があります。当時から外にあったのでしょうか。壊れるのが早そうなんて思ったり。そして、外部と電話ができるなんて、安全上、大丈夫だったのかな…と心配になります。
落書きされたダイニングホール(食堂)
ダイニングホールがまだない時には、受刑者はそれぞれの監房内で食事をしていました。しかしながら、キッチンと刑務所内の病院が隣り合っていたことで、病気が蔓延したり、野菜や肉の倉庫は死体安置所と隣り合っていたことで衛生面で問題がありました。また、せっかく作られた食事も監房に運んでいる間に冷めてしまったりしたとか。
そこでダイニングホールが作られ、1日3食の食事が提供されるようになりました。温かくて美味しい食事は、受刑者の精神面にも大きく影響を与えました。
きっと当時はたくさんの人がいたであろうダイニングホール。それを考えると今は何もなく、静かで寂しい空間でした。
IT'S NEVER TOO LATE TO MEND 【改心するには遅くない】
ある独房の床には
【IT'S NEVER TOO LATE TO MEND 『改心するには遅くない』】と記されています。これは、受刑者にそれぞれの反省を促すために刻まれていたそうです。
罪を犯して入所する受刑者が、罪と向き合い、反省をしながら生きてほしいという願いを感じました。
まとめ
プリズン・ブレイクの撮影地と聞き、観光地をイメージして行きましたが、実際には観光地化があまりされていない刑務所で、ところどころ廃墟感を感じる場所でした。安全上なのか、廃墟すぎるのか、建物内まで見学できるところはほとんどありませんでした。日本ではこんなに廃墟だったら、整備されるまで公開されなさそう…逆にそれもまた、アメリカらしく感じました。
寂しさを感じる場所もありましたが、各場所に設置された説明看板などで読み解いていくと、一つの小さな町のように誰かが刑務所内の電気を作り、物を作り、勉強をし、受刑者の生活があったことを感じることができました。
1時間から2時間ほどで回れ、廃墟の中にも緑があり、ちょっとクセのあるお散歩観光には良い場所かなと思いました。また、近くにはルート66もあるので、立ち寄りにもピッタリですよ!
おまけの寄り道
近くのドーナツやさんに立ち寄りましたが、ここのエンゼルクリームが美味しかった!久しぶりに、アメリカでミスドのエンゼルクリームを感じられました。甘すぎず、硬くないフワフワ生地です。
24時間営業だそう。近くに行かれた際にはこちらもぜひ!
ばたこ