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#11 【新卒駐在】日本&台湾ベンチャーで活躍!海外キャリア成功の”秘訣”とは?

海外で活躍する20代の日本人女性にフォーカスするポッドキャスト番組『海外ではたらく私たち20’s』。今回のゲストは、慶応義塾大学卒業後、日系ベンチャーのロボットメーカーに入社し、新卒1年目から台湾駐在員として活躍する沈佳謡さん(27)です。この記事では台湾に移住するまでの背景をお伺いし、多様な選択肢と挑戦する勇気をお届けします。
※エピソードは2024年6月16日公開時点の内容です。



自己紹介

はじめまして、沈佳謡と申します!
名前から外国人と思われるかもしれませんが、私自身は日本生まれ・日本育ちです。両親が上海出身であるため、4歳から9歳までを上海で過ごしましたが、その間も日本人学校に通い日本の教育を受けて育ちました。

帰国後は東京の中高一貫校に通い、慶応義塾大学の文学部に入学しました。在学中は、Keio Fashion Creatorというサークルでデザイナーとして活動し、最終年度には代表も務めています。大学卒業後は慶應義塾大学の修士課程に進学し、中国語の語学学習を目的とした半年間の台湾留学や、現職のロボットメーカーのベンチャーでインターン生として働きました。現在は台北駐在員として台湾で働いています。

この記事では、日本と中国のバックグラウンドを持つ私の過去を振り返り、新卒で台北駐在を実現するまでの経緯をお話しします。私の経験が皆さんの挑戦のヒントに繋がれば嬉しいです!

インタビュー音声はPodcastで配信中です

二つの言語と文化に触れた幼少期

私は生まれも育ちも日本ですが、両親が中国出身のため、幼少期から日本と中国の2つの文化に囲まれて育ちました。家庭は中国の文化が強かったのですが、学校では日本教育を受けて育ち、4歳から9歳の上海に住んでいた頃も日本人学校に通っていたんです。

中国出身の両親が私に日本教育を施した理由は、中国の競争社会を懸念してのことでした。中国は人口が多いので、大学受験などの競争率が激しいんです。道徳や体育の授業は少なく、学生はひたすら座学で勉強に取り組みます。両親はそのような環境で学ぶよりも、道徳や体育も重視する日本の教育環境の方が私に合っていると判断し、日本人学校への入学を勧めました。

また、日本生まれの私が最初に習得した言語は日本語でした。当時は中国語が全く話せなかったので、語学力の面で日本人学校を選んだ背景もあったのだと思います。中国語は子どもの頃のリスニング力を活かして次第に伸ばしましたが、文法などは正式に学ぶ機会がなく、周囲の大人が話している内容を聞きながら真似して習得しました。

母国語習得のために突然の帰国

その後、小学3年生で帰国し、日本の地元の公立小学校に転校しました。
帰国の理由を母親に聞いたところ、当時の私は家では中国語、学校では日本語の生活で、両方の言語が中途半端だったみたいなんです。それを見かねた母が母国語は正確に定着させようと考え、小学3年生で日本に帰国することを決めました。外国語を理解するためには、それを学ぶ母国語をマスターしてないと理解できないんですよね。実際、帰国した直後は「これってどういう意味?」と同級生に尋ねることが多かったので、日本語も完璧ではなかったのだと思います。

小学校卒業後は、中学受験を経て東京の中高一貫校に入学しました。中国語が話せたので、英語の授業などで日本語にはない発音ができる強みはありましたが、周囲との違いはそれくらいでした。高校卒業後は慶應義塾大学の文学部に入学しましたが、その際も帰国生枠や留学生枠ではなく、一般入試で進学しています。

念願の中国留学とコロナの壁

学部を卒業した後は、慶應義塾大学の大学院に進学しました。
大学院では、中国語の習得を目指して交換留学に挑戦したい気持ちが強くありました。というのも、幼少期に中国に5年間住んだものの、最終的には日常会話しか習得できなかったんです。周囲には中国にルーツがあるけど中国語を話せない友人がたくさんいました。彼らを見て、せっかく両親が中国出身なのだから、自分の親の言語は話せるようになりたいという気持ちが幼い頃からあったように思います。

帰国後も中国語教室に通い勉強を継続しましたが、なかなか上達せず、中国への留学を経験して中国語を磨くことにしました。祖父母が上海に住んでいたので、上海の復旦大学を目指して慶應の交換留学に応募しました。2020年に留学の内定をいただいのですが、新型コロナウイルスの影響で中国が外国人の受け入れを停止してしまって。結果的に、その留学は実現しませんでした。

それでも語学留学を諦めたくなかったので、大学院を1年休学してでも留学に行こうと決めたんです。上海に行けないなら、同じ中国語圏である台湾に行けばいいという考えで、半年間台北に語学留学する道を選びました。この選択は、私にとって大きなターニングポイントでしたね。

台湾留学で身につけた言語への自信

台湾では語学学校に通いながら、現地の方が暮らすシェアハウスに住んでいました。台湾人のルームメイトや友人に囲まれる暮らしだったので、必然的に中国語を使う機会がすごく増えたんです。子どもの頃に上海に住んでいたことで中国語が話せると思われがちですが、実際は旅行で使える程度の語学力で、ビジネスで通用するほどの自信は全くありませんでした。

ですが、語学学校に通ったり現地の人と交流する中で、教科書に載っていない言い回しなどを学び、やっと中国語を話せるようになった感覚がありました。「トイレはどこですか?」という文章を覚えておけばいいように、分からない言葉を耳にした時はひたすら「それはどういう意味ですか?」と聞いて中国語を吸収していきましたね(笑)台湾で使われる繁体字もゼロから学び直し、机上で勉強しても身につかなかったリアルな中国語が身についた時期でした。以前の自分では考えられないくらい中国語に対しての自信が生まれたのは、やはり現地ならではの体験だったと思います。

なぜ新卒で台湾駐在員に?

現在は台北で駐在員として働いているのですが、そのきっかけは大学院在学中のインターンでした。当時、学業と並行して、現在の勤め先であるロボットメーカーのベンチャー企業でインターン生として働いていたんです。社長に台湾留学を決めた経緯を報告したところ、会社の株主に台湾の会社があることを教えてもらい、台湾オフィスのサポートを任されたんです。

留学中は学業の傍ら、株主の会社の方々とも交流させて頂き、台湾のビジネスを学ぶことができました。このような経緯があり、帰国後の就活を始めるタイミングで、社長から正式に「社員として入社し、新卒1年目から台北駐在を任せたい」という打診があったんです。私自身、今の会社が好きだったので、二つ返事で入社を決めました。

やはり半年間を台湾で過ごした経験がありましたし、語学力も向上していたので、親元を離れて自立してみたい気持ちが強かったです。もちろん、語学力は完璧ではありませんでしたが、不安よりも「なるべくしてなった」感覚が強く、自分が最も適任であるというフィット感がありました。3年前は自分が台北で働くなんて想像もしてませんでしたが、このようなご縁で台湾で駐在員として働いている経緯があります。

ベンチャー×駐在の選択肢

駐在が決まったものの小規模のベンチャーだったこともあり、期間は未定だけど台湾に行ってほしいという打診でした(笑)そのため、ひとまず3年間という期間を自分で設定し、その間に私がいなくても台湾支社が回る仕組みをつくることにしました。

駐在は大企業のイメージを抱く方もいらっしゃると思いますが、実は探してみるとベンチャー企業の駐在員もいるんです。自由度が高いからこそ、自分と相性の良い国や期間を設定できるケースもあるので、そのような道を調べてみるのも良いかもしれません。
エピソード7-8に出演している西平美侑さんも、同様に新卒からスタートアップの駐在員としてオーストリアで働いているとのことですので、そちらの記事もぜひ参考にしてみてください!

※エピソードは2024年6月16日公開時点の内容です。

👩‍💻佳謡さんの現在
今も変わらず日系ロボットベンチャーの台湾駐在員として、台北にて仕事をしています。新年度からは台湾企業と設立した合弁会社の代表取締役として、台湾市場開拓により一層邁進していきます。
プライベートでは心理学の授業を受けたりして、誰かの自己改革を手伝えるように専門知識を蓄え中です👓

📢佳謡さんからのお知らせ
毎月の一日(ついたち)に私自身のインスタグラムアカウントで自分自身の価値観を見直す「質問」を行なっています。過去の質問はハイライトからご覧いただけます。より多くの方の回答をお待ちしています!
また、フリーでモデルもやっているので需要がある方はご連絡ください〜🕊️

◾️個人Instagram ⁠@kxxayou⁠
◾️シェアハウスInstagram ⁠@threehahafriends

  • 後編は2025/2/22(土)投稿予定です

  • Podcastはこちらから聴けます

番組:海外ではたらく私たち20's
『海外ではたらく』に挑戦する20代の日本人女性をゲストに招き、日本社会の固定観念を覆し続ける彼女たちから、海外で働くまでのストーリーや現地でのリアルな体験談、将来のキャリアを伺う番組です。日本で生まれ育った彼女たちが異国でチャレンジする姿を通じて、リスナーの皆さんに多様な選択肢と挑戦する勇気をお届けします。毎週月曜日 朝7時配信
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制作:BIAS
BIASは、固定観念が人々の可能性を狭めている現状への問題意識から、固定観念が覆る瞬間を創造し、「バイアスを超えた可能性を」目指すプロジェクトです。現在は、BIASの第1弾コンテンツとして、Podcast番組「海外ではたらく私たち20’s」の制作に注力しています。


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