新社会人に贈る言葉はありません。

いきなり刺戟的なタイトルだが、これが今の自分の偽らざる本心である。

何故なら、一口に新社会人といっても、中卒・高卒・高専短大卒・大卒・大学院修士課程修了・大学院博士課程修了、それぞれでかける言葉が変わってくるからだ。

それを全て一緒くたにして「新社会人としてアドバイス」などとドヤ顔している時点でマウンティング行為そのものであり、年長者の傲慢と取られても仕方がないだろう。

だから、少々薄情に聞こえるかもしれないが、新社会人に贈る言葉はありませんとさせてもらった。

但し、人生の先輩としての経験則を伝える事はできるので、以下の事を伝えさせていただきたい。


①社縁以外の縁を積極的に作ろう。

昨日もつぶやいたが、社縁以外の縁は大事だ。
何故なら、社縁一本槍で行くと、簡単に狂信的労道信者へと変貌してしまうからだ。かつての高度経済成長期ならいざ知らず、国家経済は低成長期で国民生活水準は絶賛衰退中の現在において会社にのみ忠誠を誓う『昭和的働き方』は時代遅れでしかなく、さらにリストラとかいうリスクが潜在的である以上、それ以外の部分に重心を置くのはリスク管理の上で非常に重要だからだ。
そして、特にJTCは過重労働によって「社縁以外の縁を剥奪していく技術」に長けているので注意しよう。

地縁血縁趣味縁何でもいいです、とにかく社縁以外の縁を積極的に作っていきましょう。


②インフルエンサーやネット言論人の言葉は話1割くらいで聞こう

彼らは「言論のマネタイズ」や「承認欲求の為」などという動機の違いこそあれど、あなた個人を思いやった上で言葉を発している訳ではない。むしろ、彼らからすれば「良い金づる」くらいしか思われていない可能性のほうが高い。

ここに一例を上げておく。

はっきり言うと、彼女のアドバイスを真に受けて実行しても一銭の得にもならない。最初から先輩男性社員を目の敵にする女性社員は周囲からは「コミュニケーションスキルに難がある」としか見られず、人事部は「リスク回避」を口実に女性の採用を減らす方向に行きかねない(実際、ジェンダーキメた社会学部出身者やジェンダー論履修学生の採用に対して「他責性が強い」「特に男性社員とのコミュニケーションスキルが乏しい」などの理由により消極的な方向に向かいつつある。)

何より、この態度では「君子危うきに近寄らず」とばかりに先輩男性社員は絶対に近寄ろうとはしない。業務上のアドバイスを受けられるなんて期待は絶望的、夢のまた夢である。

また別のインフルエンサーは「子育てしやすい地方への配属」を推奨しているが、これもまたとんでもない落とし穴が待っている。

現在進行形で絶賛衰退中の地方事業所への配属は、そのまま営業成績の低さと直結する。酷い場合は人員まるごと地方事業所廃止、リストラ対象なんて事にもなりかねないのだ。

故に、社会人としてこれからをサヴァイブしていくのであれば、最低でも札仙広福クラスの地方大都市か政令指定都市クラスの事業所配属を希望する方がより生き残りの確率は上がる。県庁所在地以下の中核市クラスの事業所はほぼノーフューチャーだ、早めの転属願いの提出、もしくは転職を推奨したい。


③信用と信頼の違いを明確にしよう

他人は信用しても構わないが、絶対に信頼してはいけない。
「渡る世間に鬼はなし」とはいうが、実際の所は「渡る世間は鬼ばかり」だ(故・橋田壽賀子先生は本当に慧眼だ)
世の中、あなたを快く受け入れようとしている人は大勢いる。
だが同時に、自分の利益の為にあなたを排除してやろうと考える人間も同数もしくはそれ以上存在している。
そのような人間を信用したが最後、後ろから背中を押されて崖に突き落とされる。


④以上の言説すら疑おう。

「えっ、お前何を言っているんだ?」「今までの言葉は何だったんだ?」と思われるだろうが。

他人の言葉を疑おう。
そして、自分の頭で考えよう。
自分の人生は自分の為にあるのだから。

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