羽魚(ハイオ)~魚の名前が地域で変わる話~
みなさんは「ハイオ(羽魚)」という魚をご存知でしょうか?
お刺身なんかになってて、木の年輪みたいな筋が大きく入ってて、
ちょっとバサバサしてる。
白身の魚です。
思えば、「ハイオ」って東京で見ないな~。
もう何年も口にしていない。
熊本にいたころ、よく晩御飯に出てきた「太刀魚」も、こっちではちょっと高級な扱いだったり、「きびなご」も、売ってないことはないけど、めったに見ないし。
熊本では完全なる大衆魚だった「このしろ」(小骨が多くて子供心に苦手な魚だった)にいたっては、東京には全く売ってない。(東京の「コハダ」が「このしろ」に当たるらしいけど、大きさが違う。)
魚の流通って地方によってこんなに違うのね~。
と思っていましたが、
宮本常一著「忘れられた日本人」を読んでいて、あっ!と思いました。
対馬の漁師さんの話の中で、
「ハイオ(カジキマグロ)」 という言葉が登場したのです。
え?
ハイオ(羽魚)って、カジキマグロのことだったの??
知らなかった。
ネットで検索したら、熊本の話題ばかり出てきました。
「ハイオ」というのは、熊本限定の言い方なのかしら?
熊本の魚屋さんのブログを見つけました。それによると、おいしい「トロ」みたいなハイオもあるそうです。
パサパサした魚と思っていたのは我が家のお財布事情が原因か?
「このしろ」は出世魚だそう。
コハダが、「このしろ」になるそうです。
だから、「このしろ」のほうが大きくて当然なのですね。
西日本でよくとれるらしいですが、有明海が有数の漁場で20年位前までは、ばんばん捕れてたそうです。傷みが早いので、遠くの地方にまで流通することが少なかったらしい。だから、子供のころ熊本であんなに食べた「このしろ」が東京にはないのですね。
納得。
学名:Konosirus punctatus
まさしく「このしろ」ですね。
元記事 2008年08月01日