畑から見つかる泥面子
10歳の頃山の村から熊本市内に引っ越した。
まだ畑がたくさん残る新興住宅地だった。
クラスメイトに連れられて畑で遊んでいた時のこと、
「ここではときどき不思議なものが見つかる」と言って、
土の中から人の顔をした固い土の塊のようなものを拾って見せてくれた。
まだあるかも知れない。夢中になって探した。
ときどきそれらしいものが見つかる。
「これ顔に見える‥かな?」
「うん、そうだよ。それだよ」
それは、指の先位の大きさのものでいびつな形をしていた。
土が長い時間をかけて固まって