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レシピのない料理教室

富士五湖のひとつ、西湖。
登山家や冒険家が集まるイベントがあり、そこで10種類以上のカレーをずっと作り続けてきた。
エベレストを何度も登っている人やK2やマッターホルンなど名だたる山々を制覇した人、北極や南極、未知の世界へ冒険をする人々が集っている1泊2日のキャンプイベントである。
飄々と冒険のことを語る冒険者たちの言葉は軽やかで楽しくもあり、体験や経験が言葉に乗って聞いている我々もワクワクしてくる。まさに集まっている人たちが作り上げているであろう空気感に酔いしれることができた。

それぞれの経験や体験、知識などが集まると心地良い空間ができるのかもしれない。と悶々とイベントの帰りに妄想してみた。世界のスパイスの知識や技術が飄々と集まり、固くなく、しなやかなで優しい場所。そこにいると学べて心地が良い。そんな場所があったら良いなぁと思うようになった。

数年前から月の初めの金曜日に「季節を楽しむスパイスの会」と題し料理教室を開催している。一般的な料理教室とは少し変わっていて、レシピ、メニューがない料理教室なのである。毎回決められたテーマをもとに私が当日の朝か前日に旬の食材を買ってきて、それを並べ何が作れるか話し合う。言葉で作り方、入れるスパイス、手順などを説明しグループに分かれて作り始める。最近は「ラム肉」「ハーブ」「ナッツ」「ローストスパイス」「豆」などをテーマに料理教室を開催した。持っている様々な知識や経験を掘り出しながら毎回作るものを考えるので私はとても楽しい。それを楽しいと思ってくれているかはわからないが、毎回ほぼ同じメンバーが参加してくれているので、どこかに連帯感が生まれチームみたいになっている。

この「レシピのない料理教室」の先に私が妄想するしなやかで優しいラウンジみたいな場所はあるのかもしれない。

もっともっと新しい料理を作りたい。
色々なスパイスのブレンドを作っていきたい。
実践の場が増えれば増えるほどそう思うようになった。月に一回の「季節を楽しむスパイスの会」は刺激的である。

スパイスや世界の料理の専門書や世界各地の調味料を集めて、知識や技術を刺激するような場所を作りたい。

きっとその場所からはたくさんの面白い人たちが生まれてくるのであろう。

スパイスを通して世界の料理、文化、人、風習、歴史をを知るのはとても楽しい。

人が作った道を歩くのは冒険ではない。と冒険家が言っていた。

レシピのない料理教室はこれからもずっと開催していこう。

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