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スープカレーをコトコトと

最近はスープカレー作りにはまっている。寒い日にたっぷりの生姜を入れて作ったスープカレーは
食べ終わった頃には身体の芯から暖かくなってくる。好きな野菜やお肉をたくさん入れてコトコト煮込む。切った野菜の皮やヘタなどはそのまま捨てずにフライパンなどで焼き、それに水を加えて煮込むことでベジブロスのような野菜の出汁が作れる。これでのばしていくとスープにしっかりとした旨味が加わる。家で作るなら気軽に手頃に手に入る鶏の手羽元なんかを使うとお肉の出汁もしっかりと出て来て美味しい。

北海道で生まれたと言われているスープカレー。家族や客のことを思いスパイスと漢方などの知恵
を入れてスープ状にして提供した「薬膳カレー」と言うものが変化していってスープカレーになっ
たのだとか。どこで聞いたかは忘れてしまったがスリランカのカレーが元になっていると言う話
も聞いたことがある。モルディブフィッシュと言う鰹節のようなものを使うスリランカのカレー
は出汁文化の日本の食とうまく融合した形がスープカレーなのかもしれない。スパイスの香りに加
え何かしらの魚や海藻の旨味が鶏肉やその他の肉の旨味と鍋の中で重なり合う。野菜の芯や皮、
へたなどでとったベジブロスが彼らの美味しさをより引き立ててくれる。

具材を変えていくことによって無限にアレンジができるのもインド料理やスパイスカレーとも一緒
で季節、食材、場所、雰囲気などでいろいろなスープカレーを作ることができる。

イノシン酸、グルタミン酸、グアニル酸などの旨味成分がそれぞれしっかりと引き出されていく1
つのベストな調理法がスープカレーなのかもしれない。日本ならではの調理方法や食文化は研ぎ澄
まされた美しさがありインドやスリランカなどの料理には美しくドレスアップする文化があるよ
うな気がしている。その両文化の良さがうまく絡み合い、美味しさが倍増していっているのがスー
プカレーなのかもしれない。

スープカレーの歴史や生い立ち、その育ち方を見ていると日本の発酵食文化とインドのスパイスの
食文化は掛け合わせることでもっともっとたくさんの可能性や新しい美味しさを発見できるので
はないだろうかとつくづく思う。

そんな素晴らしい食文化同士の架け橋に私がやっていることがなっていったら良いなと最近は特
に思うようになった。全てを知ることはできないけど素晴らしい作り手と作り手をインドと日本
の食の交わる場所や人と人が交わる機会を作ることをもっとやっていこうとコトコトとスープカ
レーを煮込みなが思う。

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