豊かな時間のプレゼント
何年も前に近隣の中学校や高校で授業をする機会をいただいたことがある。何回か同じ学校にいくので最初は簡単なスパイスの使い方から、それを活かしたカレーの作り方を家庭科室などを使って行っていた。ある日担当の先生にハーブを使った教室を開催してほしいと相談をいただいたので、生徒たちにハーブやスパイスの説明をしてそれぞれのオリジナルのハーブティーやスパイスミックスをブレンドしてもらうことにした。最初の講座はカレーなどに使われているスパイスを説明してその役割や一般的に使われている量などを紹介してから生徒さそれぞれにオリジナルのブレンドを作ってもらうことにした。
カレーに使われているスパイスの香りを嗅ぐ生徒たちはそれぞれの豊かな反応でスパイスを楽しみ、おちゃらけた生徒たちはちょっとふざけたオリジナルのスパイスブレンドを作っては楽しそうにしていた。
楽しかったのは良かったが、どこかもったいないなと思ったので次のハーブティーのブレンドを作る授業では母の日も近かったのでそれぞれの母親や身近にいる人のために作ってほしいと説明してからハーブの紹介をしていった。ハーブティーをプレゼントするというよりハーブティーを一緒に飲む時間をプレゼントしてほしい旨を伝えてみると生徒たちの目は前回のオリジナルブレンドを自分たちのためやその場の楽しみのためだけに作ったものとは随分と違ったものになっていた。それぞれが思い浮かべる様々な顔を想像しながらハーブを選んだりするので質問も色々な質問がやってくる。
作り終わったハーブティをカバンに入れている生徒たちの顔はちょっと嬉しいそうでもあった。家に帰ってハーブティーをプレゼントされた人たちはきっともっと嬉しい顔をするんだろうと思うととても有意義な講座になったなぁと思った。
誰かと一緒に何か楽しむ時間のためにプレゼントをしたり、その人の豊かな時間を作るために何かをプレゼントするのはとても良いなぁとも思い、それからは子供たちと一緒にも色々なスパイスブレンドを作るようにしている。
アナンには様々な商品があるが割とどれも誰かにプレゼントしても喜ばれるものが多いと思う。ただ食べて美味しいだけではなく、普段やらなくて刺激的な時間を作る。
カレーブック、タンドリーカード、チャイキット。
美味しい。だけではない刺激的で豊かな時間のプレゼント。