新米手配師の日常3
通翻訳者として地道に活動してきた私がひょんなことからコーディネーター(手配師)に。
これまで見てきたのとは別の世界がそこに…そんな新米手配師が気づいたことを徒然なるままに書いてみます。
出来レース?
私が勤めている会社は小さいため、コーディネーターの仕事は手配だけに留まらず、営業もしなければなりません。といっても、コーディネーターの作業もあるわけですから実際に外へ出て営業活動をせずに、営業活動をする、それが入札なのです。
ただし、私は入札にまつわる業務が本当に苦手でして…それは、
① 仕様書の読み込みが大変。
まず、応募できるのか(資格があるか)、どんな書類が必要か確認か必要なのですが、これがまた量が多い上に、解読に大変な集中力を要します。流し読みをすると、あとで「エー、そんな意味?そんな書類もいるの?」となるので注意が必要です。
② 提出書類が多くて複雑。
値段だけ入力(応札)するという簡単な入札もありますが、翻訳の場合は翻訳トライアルがあり、プロポーザル型だと、提案書類が必要です。ほかにも会社案内、通翻訳者の実績、ISOや子育て支援を推進している証明書など多岐にわたります。
さらに、郵送の場合は正本と副本(6部ほど)そろえる必要があります。メール添付、は実は少数派でして、カードリーダー読み込み型システムからのアップロードが必要です。しかも、このシステムの使い勝手がとても悪く、提出時にかなり時間を費やしてしまいます。
③ そして、今回のテーマである、価格設定です。
せっかく貴重な時間を費やしてきたので、勝てそうな価格を入力すべく、昨年や2年前の実績を確認します。すると、「あれ?」という案件が…
出来レースの疑いです。
あくまで、経験豊富な先輩の勘、未熟だが私の勘からですが、以下の内容は出来レースの可能性大です。
・特殊な案件で、毎年同じ会社が落札している。
→入札とせずに随意契約だとコスト削減の取り組みをしていなかったことになるので、「入札を行った体裁を整えておく」ケース
・決まった2社がほぼ交代で落札し、値段もほぼ同じ。
「談合!?」と思ってしまいます。資料作成にかかった時間を返してほしい!
今時談合なんて映画の世界かと思っていましたが、スポーツでもSの場所、Kのレースなど、「八百長の疑いか?」ってときどき話題になるくらいですからね。
「公平な競争」という入札の目的はわかりますが、手間と利益を考えると割に合わず空しくなることはあります。
④ 落札価格が安すぎて後で泣きをみるパターン。思い切って値段を下げて、やったー、落札した!と思うのもつかの間、想像以上に手間がかかり、大赤字ということがありました。
新米手配師の学んだこと
怪しい案件には手を出さない。(本音:入札には参加したくない!!)