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えばとん情報2024.11.25


エバトンの上層部は、トフィーズがシーズン開幕から低調なスタートを切り、3試合無得点が続いているにもかかわらず、ショーン・ダイチ監督への信頼を保っている。

Sky アラン・マイヤーズ氏より。

長い歴史に幕を閉じようとする、グディソン・パーク最後の1年を過ごすファンにとって我慢の時間が続いている。マイヤーズ氏によれば、エバトン上層部はダイチへのバックアップを続け、後任候補の可能性とアプローチは進んでおらず、あくまでも現指揮官を維持する姿勢だ。一方で契約最終年を迎えたダイチの契約延長についての検討は全く行われていないのも事実である。日を増すごとに戦術や采配への批判は広がっている。

昇格組で最も早く切られたのはレスター・シティのスティーブ・クーパーだ。後任に注目が集まる。すでにSNSではマン・ユナイテッドを退いて間もないファン・ニステルローイや、現在フリーのデイビット・モイーズの名が挙げられている。

ダイチがここまでエバトンを率いた中で、重要な勝利、期間、結果をもたらしたことに違いはない。常に険しい環境に身を置いてきたことも確かである。しかし、ファンが抱く理想と乖離した状況が、それらを帳消しにするほどフラストレーションを溜めているのは、ブレントフォード戦終了後のリアクションに現れているだろう。筆者も試合後のポストを躊躇い、当たり障りのない言葉を連ねるしか思い浮かばなかった。

ダイチの言葉にも覇気がなくなってきた。異なる選手、異なるスタイル、勝つために如何なる方法をも見つけ、試し、実践しなければいけないという意思がありつつも、ピッチ上のバリエーションに現れることは非常に限られている。そんな中でエンジャーイを中央起用したブレントフォード戦は、ダイチの強い意志が折れたようにも見えた。結局、その方法はひとり少ないフランクのチームを崩す一端にはならなかった。エンジャーイをファンが待望する10番に採用したところで、「誰」がそこに置くか、どんな枠組みの中で人を扱うのかが最も重要だと察したゲームでもある。

マイケル氏の言葉も重く響く。

私はダイチが好きだ。彼は明らかに特定の要素を指導するのがうまいし、チームにアイデンティティを与えている。
しかし、昨日は天井が低いことを証明したし、彼がチームをさらに進化させることができることを証明する機会を与えられても、私たちは平凡な結果に終わってしまった。
ダイチが監督になって2年近く経つが、私が一番不満に思っているのは、いまだにフットボールで勝つ方法がほとんどないことだ。 セットプレーやトランジションで相手を圧倒することくらいだろう。
しかし、それは明らかに初日から私たちの強みでありながら、それ以上のものには発展していない。ブレントフォードを例に挙げてみよう。昨日は特に素晴らしいとは思わなかったが、彼らの脅威は非常に広範囲に渡っていた。
セットプレーで相手を圧倒し、カウンターでは非常に危険であり、相手チームの形を崩す必要がある場合、GKとディフェンスで深い位置でもプレーできる。少なくとも、構築すべき基礎はある。ディフェンスは再び機能し始めており、過去 8 試合のオープン プレーで 0.6 xGA、4 回の無失点、ヴィラ戦以来 1試合で 1失点以上を許していない。
しかし、それでもチャンスの創出が我々を苦しめている。

マイケル氏のポストより抜粋。

矢面に立たされて、一部では笑いものにされ、ダイチを支持する声は日に日に少なくなっている。昨季の春、月間最優秀監督に選ばれた時期とは天と地の差がある。12試合を終えてPPGが1.0に満たない現状を踏まえれば無理もなく、かといってクラブは今、"動きたくない/動けない"タイミングにある。

ダイチの描くチームの先に、結果が伴いさえすれば現状のような批判が増すことはなかっただろう。少なくとも守備は改善した、しかし創造性、イマジネーション、攻撃の貧弱さが事態を難しくしている。

12ヶ月前なら、xGの合計がプラスであることを、フィニッシュさえ磨けば状況が好転する証拠として挙げることができた。 今、彼は数字に同じ慰めを見出すことはできないだろう。

12試合を終えて、エヴァートンのxGはわずか13。 フィニッシュに問題があるのかもしれないが、創造性にはさらに大きな問題がある。

しかし、これはエンターテインメント性、あるいはその欠如の問題だけではない。 結果を出す限り、ファンは現実的なサッカーを容認する。 問題は、ダイチ本人も認めているように、エバトンが十分に勝てていないことだ。

The Athletic ボイランド記者より。有料記事。

バーンリー時代、ランパード・エバトンに対して放ったダイチの言葉が蘇る。''勝つ方法を知らない"、それは昨季の13試合未勝利のワースト・レコードを刻んだ時期にも浮かび上がった教訓だ。

同時に、かつてエバトンを率いたサム・アラダイスのことも思い出した。アラダイスはどん底にあったクラブを最終的に8位へと導いたが、結果を残しても現実的で退屈なフットボールが彼の延命を妨げた。ダイチがエバトンに就任した頃、私が「勘弁してくれ」と感じたのはこの経験があることに拠るものだと自覚している。言わば、ダイチ時代に訪れるであろう、最悪の想定しうる事態がとうとうやってきたのだと思う。12月で決着がつくかもしれない。

開幕4連敗のあと、8試合で1敗。そう思えば言うほど悪くないのかもしれない。それでも、「限界を露呈した」と言う意味ではブレントフォード戦のスコアレス・ドローは充分な結果だと感じてしまった。例えば、ここ数試合のウルブズを見れば、順位は下であれチーム状況の違いがあからさまに見て取れる。

攻めに攻めて、結局ゴールを割れずに不甲斐ないゲームを見たことはシウヴァ時代にもあった。負傷者が増え、ベストな状態を維持できない時間はアンチェロッティやベニテスの時にもあった。先制しながらも、終わってみれば選手たちが項垂れている光景はランパード時代にもあった。

その繰り返しがモシリ時代の、画面上にある我々極東支部の見届けてきた景色だ。

ダイチが今後の新時代を率いる監督として相応しくない、武骨で真新しさのない、驚きのないスタイルを持った指揮官であることもここ数年でよく分かってきた。それでも素晴らしいモーメントはあったのだ。

だが、皮肉にもモシリ時代で最も長くチームを束ねる、共に戦ってきた監督となった。そこにはあらゆる障壁と、困難と、葛藤の中で繰り広げられた戦いがあった。

冒頭の報道通り、ダイチが今のエバトンを進歩させられるかどうか、まだ猶予が残されている。

12月が楽しみな自分がいるのだ。
この状況を逆転させた経験があるからだろう。
諦めるのは非常に簡単で、新しい監督を待つことは楽しみであり、それが良い答えに繋がらないことは、20年近くファンを続けてきて身に染みるほどよく分かっている。

耐えてみようじゃないか。
このダイチ時代で学んだことは、つまらないフットボールでも感動できると知ったことだ。それを味合わせてくれた1人として、私は最後までダイチ・エバトンを応援するだろう。

モシリがいて気付かされたこと、モシリが退いて理解したこと、本当に学ぶことが多いエバトン事情は、諦めの悪い、不健全な方向へと私を育ててくれたかもしれない。

そんな気持ちで、今週もエバトンを追いかけていくことにする。

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BF
気に入ってくださり、サポートしてくださる方、ありがとうございます。 今後の執筆活動や、エヴァートンをより理解するための知識習得につなげていきたいと思います。

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