![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164449551/rectangle_large_type_2_bd52efc58abb4c79536e8f3245cd709c.jpg?width=1200)
えばとん情報2024.12.4「ラストスパート」
先日、妻が娘の授業参観に参列した。入園後、初の参観だ。私は残念ながら仕事を休めず、帰宅した後にその模様を聞かせてもらう形になった。
兎にも角にも、娘は力一杯張り切っていたそうだ。「どんぐりころころ」を先生の伴奏に合わせて歌いはじめると、顔を真っ赤にするほど大きな声で歌唱し、序盤からフルスロットルの全力投球。おかげで、2曲目に入った時にはもぬけの殻になったような方針状態でガス欠に。そんな話を聞いて、ふと自分の幼かった頃のエピソードを思い出した。
小学1年の冬、ちょうど今くらいの時期だったと思う。1年生にとって初の校内マラソン大会が開かれ、保護者も観覧できる形式の催しだった。
張り切りモード全開の私は、最初に校内のトラックを1周する段階で全力疾走を試みた。その後には校外の田園地帯を走る長い道のりが待っているというのに。
出だしからトップを走ることが幼い私の両親への精一杯のアピールだったのだろう。ペースを考えること、体力を温存すること、ギアを入れ替えること、そんな技術もプランも、あの頃の私には毛頭ない。結果は8位、次々に追い抜かされた記憶はちゃんと残っている。同時に、エネルギーの使い方を学んだ経験だった。翌年のマラソン大会では2位でフィニッシュした。
(尚、小学6年間で1位は一度も取れなかった、少年野球クラブのエースには勝てなかったのだ)
来年の授業参観は有給を取らなきゃな、妻が嬉しそうに話す姿を見て、少しばかり反省しつつ頑張る娘の歌う姿を想像した。
◇
スロースターターのダイチ・エバトンとは言えど、体力温存などというカッコいいフレーズとは異なる状況にある。巻き返す頃にチームを率いていなければ言い訳のしようがない。我々はまだ最終コーナーから程遠い場所で苦しんでいる。
しかし、先週からのえばとんニュースを取り上げていると、チームは最後の曲がり角に差し掛かるようなムードにあるのは間違いない。レースのトラック上には我々よりも先を走るチームが何チームもいる。瀬戸際だ、"Must Win"の文字があちこちに転がっている。辛いフェーズだが、皆が諦めているわけではない。
Huge game tonight under the lights at Goodison Park…
— EFC DAILY (@EFCdaily_) December 4, 2024
Come on Everton! pic.twitter.com/8EAqSAIBEc
降格圏との勝ち点差は「2」。
毎日が死闘。
開幕から13試合で勝ち点「11」は94-95シーズン以来最悪の数字。昨季の13試合未勝利に通ずる重さがある。
ダイチがここまでチームを率いたプレミアリーグ58試合で4点差の大敗を喫したのはマン・ユナイテッド戦で5度目らしい。ちなみに、モイーズは7倍以上の試合数で7度しか4点差の敗北を味わっていないとのこと。ははは、もう比べたって仕方がない。ダイチはダイチのやり方で、生きるか、死ぬかなのだ。
Everton's three most recent managers are among the five managers with the lowest PPG in the club's history (permanent only, 3 pts/win):
— EFC Statto (@EFC_Statto) December 3, 2024
Mike Walker - 0.871 (31 games)
Frank Lampard - 0.921 (38)
Rafael Benitez - 1.000 (19)
Walter Smith - 1.154 (143)
Sean Dyche - 1.159 (69)#EFC
こんなデータも出てきて、現代のエバトニアンはとっても厳しい時代を生きているなあ…と思わされる。極東エバトニアンのみんなは逞しい。
A lot of anger, anxiety, even some paranoia ahead of tonight’s match with Wolves. This toxic environment is not good & stems from years of failure. Right now we need the manager and the players to stand up and be counted. Times are tough but a win will give everyone a huge boost.
— Ian Croll (@Iancroll1) December 4, 2024
そう、苦しいからこそブーストを必要としている。スタートのホイッスルから全力疾走するような、未熟な不器用さは求めていないけれど、どんな形であれ、勝利さえ手にすれば、得点さえ奪えれば、今からでも状況は一変する。不恰好でもいい。昨季の(H)バーンリー戦や、(A)ニューカッスル戦だってそうだった。息を吹き返すエバトンが見たい!
◇
「暗号を探している」
そう記者会見で語ったダイチ。それは出場可能となったブロヤの起用なのか、ルウィンをスタメンに戻すことなのか、システムを変えることなのか…誰にも正解は分からない。ファンの後押しと声援で左右されることもあれば、対戦相手のパフォーマンスに拠ることもある。ガリー・オニールのチームは前節の敗戦から巻き返そうと息を荒くして臨むだろう。惨敗のあと、ダイチは暗号を解く鍵を手に入れられるのか?選手たちは扉を開けることができるのか、明日早朝にその答え合わせをすることになる。タイムリミットは迫っている。
◇
◤◢◤MATCH DAY◢◤◢
— エバートンジャパン🇯🇵Everton Japan🏴 (@Everton_Japan) December 4, 2024
1年前、暗礁に乗り上げ不穏な空気に包まれた減点と、チームに残された勝ち点「6」。現在、「11」という勝ち点がもたらしたのは更なる暗澹。
自身のミスを認めた指揮官は、必勝のゲームでグディソンパークを味方にできるか。
就任当初のキーワード、
『Unity』が試される時。 pic.twitter.com/RQn4An0UIE
◇
大人になってみると、後先考えず「今」に全力を注ぐ子どもの姿は本当に微笑ましい。
新鮮な日々、驚きの毎日。知らないこと、新しく見つけたもの、覚えた言葉や感情、そのすべての物事に新しいものを見つけていく。娘との会話は、そんな「初めて」と「未知」にあふれた世界で生きるからこそ、そばにいて成長を感じさせられることばかりである。
しかし、大人になると目を背けたり、初めてのことから避けがちになったり、「経験」が先に来て躊躇うことも多くなっていく。
そういう意味では、エバトンは辛い感情からいつも新しい気づきを与えてくれる鬼ハードモードを提供してくれる。困ったものだ、こうも残留争いばかりのシーズンが続くと常にラストスパートの渦中にいるような感覚にさせられる。目を背けようとも、現実を突きつけて、すぐに次の戦いがやってくる。試練。
明朝に控えたウルブス戦が、今季の始まりになるようなゲームになってほしい。ここを皮切りに、また不器用なスタートダッシュを決めればいいのだ。息を吐く間も無くダービーマッチも待っている。
もし転けた時は……また立ち上がる。
そうやってこの数年を乗り越えてきたはずだ。
本格的に寒い季節になってきた。
みなさん、明日の朝リアルタイムで観戦される方は暖かい環境で、お身体を大事に、ベストコンディションで臨むこととしよう。
Up The Toffees!!
マジで勝ってくれ…
いいなと思ったら応援しよう!
![BF](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/96841780/profile_fda0e28aa85d1896602e32f000df8b5a.png?width=600&crop=1:1,smart)