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えばとん情報2024.12.3「コーピング、それはエバトンで達成される」

悲しい時に悲しい曲を聴く。失恋したら失恋ソングを聴く。感傷に浸る行為。みなさんは、そんなストレス発散方法を試したことがあるだろうか?南フロリダ大学の実験によると、「うつ病と診断された人は悲しい音楽を好む」という研究結果が発表され、女子学生のうち健康な38人とうつ病と診断された38人を対象に、「幸せな音楽(天国と地獄)」と「悲しい音楽(弦楽のためのアダージョ)」を聴かせたという。
結果、うつ病と診断された人は健康な人よりも「悲しい音楽」に好感を持ち、心を落ち着かせてリラックス効果が得られる効果もあったということ。この結果から音楽療法や音楽セラピーに応用できる可能性もあるのではないかと注目されているらしい。

こうしたストレスへの対処としてセルフケアする行為を『コーピング』という。

コーピングとは、ストレスへ対処するために行うセルフケアの行動のことで、ストレスコーピングとも呼ばれます。アメリカの心理学者ラザルスによって提唱された理論で、英語では「対処」を意味する「coping」と表記されます。コーピングは、ストレス要因の解決あるいは負担軽減を目的に、問題に対して何らかの行動を起こすことで、単に気晴らしやストレス発散だけの行為ではありません。ストレスを解消するだけでなく、どのように向き合うかという「認知」などのプロセスを経て、ストレスへの対処を考えます。

これは、まさに私が日々エバトンについてnoteに綴る行為に当てはまると思う。

悲しい気分の時に、悲しい気持ちを綴る。
そして、自身の性格的に少しでも前を向こうとするのである。発散からの認知。昨日のnoteはまさにそういった内容だった。

だが、前を向いていくマインドセットをしたにも関わらず、今日になってエコー/マイケル・ボール氏の記事に手を出してしまった。暗いとわかっているのに読んでしまうのだ(ちなみに、The Athleticボイランド記者のレビュー記事も暗かった)。

今日、ここで気づいた事は落ち込んでいる自分より、さらに感傷的に綴られた暗い内容の記事を読むと腹が立ってきたということだ。

私は怒っている。

過去3シーズン、エバートンを救ってきたファイティングスピリットは、もう失われてしまったように感じる。
今シーズンの大半の試合、特にここ数試合がそれを証明している。 シャツのため、バッジのため、監督のためにプレーしようとする炎、燃える心? それは消えてしまったのか? 私にはそれがなくなってしまったように見える。(中略)

選手たちはバッジのためにプレーしているようには見えないし、監督のためにプレーしているようにも見えない。

リバプール・エコー/マイケル・ボール氏の記事より

うるせえ、うるせえ!うるせえ!!(怒)

そう感じた上で選手の1人や2人くらいインタビューしてこいや!選手の葛藤や悔しさ、建前上の応答であっても、なんか引き出すような努力でもしてみろやい!ファイティング・スピリットやらを焚き付けるようなアプローチで書いてみろやい!ちなみに、マイケル・ボール氏は記事内で現状への解決策について言及しているが「勝利ボーナスを与えろ」だった。しょうもねええ!そんなんで解決できたら苦労しねえわ!こんなのがオピニオン記事だと?笑わせてくれるぜ!

逆境や不甲斐ないゲーム、負の連鎖に立ち向かって熱い記事の1本くらい書いてみろやい!

と、そんな気持ちで怒り心頭だった私は、つい昨日まで「雪に埋もれた枯れ葉みたい」と感傷に浸っていたのに、図らずとも自分の尻に変なベクトルの火がついた(これを八つ当たりといいます)。


さて、惨敗を引きずらず、次の試合に切り替える必要がある。明るい話題が見当たらないように見えるのは確かだ。今週は、ミッドウィーク開催(H)ウォルバーハンプトン戦が控える。

我々の目線からいけば、明日早朝のイプスウィッチvsクリスタルパレス、レスターvsウェストハム、ボトムハーフ勢の行方を追う注目のカード。

前述の2ゲーム、ウルブスとの結果次第では降格圏に落ち込む状況もあり得る展開に。いよいよボーダーラインに近づいてきた印象がある。

上記はPLラスト38ゲームの成績がまとめられたもの。エバトンの得点力不足が浮き彫りになる。ここ数週間で「守備面については立て直しつつある」という唯一の強がりポイントを失う格好となっただけに、ダイチのチームが守り切る強さと、11月の3ゲームで無得点が続いている現状は、どちらかだけが救われるものではないことを示している。攻撃を改善したいという意欲が良い方向に働いていないのがもどかしい。

まあ、そうですよね、というSkyの見解。

惨敗の裏で。

マン・ユナイテッドとの試合後、ファン・サービスに時間を費やしたエンジャーイ。ちょっとリシャーリソンを思い出した。試合中、何度も悔しそうな素振りを見せていたのが印象的。上手くいかないフラストレーションがどのように消化されるか、ウルブス戦のパフォーマンスに期待したい。こういうところを取り上げてみろやい!(まだ怒ってる)

2006年以来、2度目の対戦。

明るい話題。FA杯3回戦から出場するエバトンは、ホーム/グディソンパークでピータバラと対戦することが決定。ヤングvsヤングの親子対決が叶うのか?と話題になっている。試合日は1月11日。父が息子と対面するかもしれない、息子のチームの立場的に難しいかもしれないけれど、漫画のようなシチュエーションに中二病心がくすぐられた。

光明はある。

あくまでもスタッツ、されどスタッツ。


私も、自分の心境に寄り添う音楽を好んで聴くことが多いと思う。モチベーションを高めたい時、しっとりと落ち着きたい時、晴れた日に家族でドライブに出かける時…そこにリンクしたプレイリストを脳内に備えている。

同時に、明るい時はいいものの、暗い時にいつまでもそんな心持ちでいるのも辛いのである。チームが良くない時に一緒になって落ち込んでばかりいるのもナンセンスなのだろう。例えば、劣勢時に静まり返って黙り込むグディソンパークは嫌いだ。

サポーターも努力はしている。
ホームではボランティアを募り、いくつものフラッグを振り、雰囲気作りに尽力しチームの士気を高めるための貢献をしている。
ランパード時代、荘厳な空間を作り上げた現地サポーターの底力は映像からも十分に伝わった。

今季、エバトンはホームで1勝しかしていない。
誰もがグディソンパークの、そしてエバトンの魔法を期待している。

期待したもん勝ち。
私は毎シーズン、そう感じながら応援している。
期待すること、期待し続けることは、実はとても難しいことだと考えている。ノイズが増えてきた時期は尚更だ。

非難、罵倒、こき下ろすことの方が簡単。
まるで自分がクラブとチームを指揮しているかのような振る舞いになる。これは自分にも経験があるし、そうだと思う。

データ、指標、いくらでも空想的な期待を吹き飛ばす材料はある。でも、数字を、統計を、分析を覆すことがあるのもフットボールの魅力だと信じている。脈略のない空っぽな期待はきっと馬鹿にされるだろう。

しかし、昨季チェルシーに0-6で粉砕されたゲームを覚えている。次のゲームで減点ダービーを制したシックス・ポインター/フォレスト戦のことも覚えている。その次のゲームはマージーサイド・ダービーだった。ダイチはエバトンでこれ以上のゲームはできないと思う、それほど琴線に触れた素晴らしい勝利だった。

さあ、不思議なことに今季も同じ状況が巡ってきた。惨敗のマン・ユナイテッド戦を経て、次節シックスポインターのウルブス戦、そして週末に控えるのは絶好調、お隣の赤いチームだ。主要なメディアの記者たちは口を揃えて言う。

昨シーズン、良い指標とデータを残しつつも結果が出なかったエバトン、だが今季は数字とパフォーマンスが落ち込んでいる、と。

抗う時だ。
私の"コーピング・リスト"には、「エバトンで得たストレスは、エバトンで解消する」と記されている。

認知へのプロセスと勝負しているのだ。結果がどちらに転ぼうとも、起承転結、この過程を楽しもうとする強がりな自分を見つけている。

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BF
気に入ってくださり、サポートしてくださる方、ありがとうございます。 今後の執筆活動や、エヴァートンをより理解するための知識習得につなげていきたいと思います。

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