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森上いろはのコーチング談義③      「心のマネジメント講座で学んだことを、反抗期長男に使ってみたら。驚愕の結果報告。」

このページでは、ライター森上いろはが、コーチングについて好き放題、語る特集です。

「心のマネジメント塾」ってなに?

心のマネジメント塾の話も2回目。操作コーチがやっている、複数の人を集めた講座。1ヶ月に1日4時間、9ヶ月をかけた講座だそうです。今期は7期目。経営者さんや管理職のみなさんが参加しています。

他の人の声を、”ほんとうに”聞くとは?

私が、この心のマネジメント塾で特に驚いているのが、「聞く」という行為のあり方です。

あなたは、
「自分の聞かれたい位置で、
 聞かれたいトーンで、
 自分の話を聞いてもらったこと」
ってありますか?

そういえば、私には、全くなかった。
「聞いてほしい位置」なんて設定したこともなかったし、
「聞いてほしい声のトーン」なんて考えてもなかったし。

ところが、これが、本当に心地よい時間だったのです。
聞く方としても、
聞かれる方としても。

そこで、私は無邪気に喜びました。
そして、分かったんです。

子どもの頃に、「親にこうやって聞いてほしい!」って気持ちがあったな、と。

そう考えると、私もまた、子どもとたくさん話しているようで、
実は子どもの声は聞いていなかったのかもしれない。

臨床心理士の東畑開人氏の著書「聞く技術 聞いてもらう技術」(筑摩書房2022年)は、こんなふうに書いています(だいぶ意訳含む)。

「聴く」は解釈が含まれ、「聞く」には含まれない。
私たちは「聴く」ことには慣れているが「聞く」ことは案外、苦手である。
聞いてもらった経験があって、人の話を聞くことができる。

「聞く技術 聞いてもらう技術」(筑摩書房2022年)

私は、心のマネジメント塾で、「聞いてもらう」経験をした。たぶん、だから、子どもの話を「ほんとうに聞いてみよう」と思ったのです。

絶賛反抗期中の長男に試したら。

「ちょっと、話をしてみようか
 座る位置から
 君の要望を聞いていくね。
 聞いてほしい位置って、どこ?」

「お???」
と初っ端から自分のことを超尊重してくる母に、鉄砲玉を喰らったような長男(笑)
根は素直なので、「じゃ、ここで」と指定してきたのは、対面!
おやおや。
これは、お母さんが、いつも大事な話(主に生活の指摘)をするときに使う位置関係ですが、それでも良いのでしょうか?私の心の中でちょっと不安がありましたが、本人が指定してくるので、それはまぁ、ヨシ。そこも受け止めながら。

長男は、超満足で、この日以来、ちょっと何かが変わったようです。
「ストレスがかなり減った」んだそう。

この日、話を聞いたのは、ほんの5分。
もう10年以上も一緒に生きて、暮らしているのに、ほんとうに私が彼の話を聞いたのは、もしかしたらこれが初めてだったのでしょうね。。。。。。。。
「聞く」という行為ですら、
無意識の当たり前、勝手なお節介を押し付けていたんだなと気づいてきます。

特に重要な話はしていない!内容も覚えていない!

この時の「聞く」で、大事だったことは、深刻な話とか、初めて聞く話とか、そういう重大な話はしていないってことなんですよ。
ただ、彼の指定する位置で、
   彼の指定する声のトーンで、
ただただ、口を挟まず、彼の話を聞き続けただけ。
それもたった5分!(驚き)
人は、それだけのことで、これだけ癒されるんだ、ということに驚きです。
しかし、それだけのことを、私たちは、全くやっていない!ということにも驚きです。

いつでもできる。とはいえ、結構、実行するには、心の軽やかさがいる。

いつでも、簡単にできる。
だけど、できない。
長男に初めて試した後、
同じことをしようとしても、それがなかなかできないのです。

それは、私の方に準備が必要だから、なのですね。
ここまでほんとうに人の話を聞くには、
聞く方に、心の軽やかさが必要です。
人の話をそのまま受け止められる、心の空きスペースが十分にないと実行できないんです。
頭でやろうと思っても、心がついていかない!(驚き)

私がすぐに長男に実行できたのは、心のマネジメント塾で聞いてもらっていた翌日だったからかもしれません。

あなたは、
ほんとうに、
人に話を聞いてもらったことがありますか?
人の話を聞いたことがありますか?


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