“地点の演劇は、どうしてあんなに俳優が叫ぶんですかってよく聞かれるんですよね。大変そうですねとか、喉が持ちますかねとか、強いですねなんてよく聞かれるんですよね。
ちょっと記憶が定かでないんだけど、雑誌か何かの取材だったのかな。それでつい、叫ぶために演劇やってますみたいなことをポロッと言っちゃったんですよね。なぜ叫ぶのか。何で叫んでしまうのかっていうことだと思うんだけど、多分そのなにかすごい不満があってとか、怒りがあってワーッて怒ってるから、叫んでるわけではないんですね。どうしたら面白く、面白い状況に「役」を置けるのか。その舞台にどうしたらいられるのか。
例えば火事ですね。火事になったら、まあ叫ぶんじゃないか。火事を見たら「逃げろ!」とか「危ない!」とか。なにか、人はやっぱり叫ぶとおもうんですよね。演劇のやる作業というのは、その「火事」を設定することだと...”