友と海とワイン
帰りの飛行機が、定刻搭乗したくせに機内待機で3時間近く遅れ、自宅に荷物を置くだけ置いて、ターム初日のバレエレッスンへ向かいました。たっぷり余裕を持ったスケジュールにしたつもりだったのに。
そうそう、スタンステッド空港駅のプラットホームにある、一見なんでもない風のコーヒーショップのディカフコーヒーがとっても美味しかったです。売り子のお姉さんもバリスタのお兄さんもテキパキと手際が良くて、次来るときは行きも帰りもコーヒーはここだなと思いました。
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トスカーナの空気は綺麗で、空も大地も広くて、海はもちろん広くて大きくて、溜まりに溜まった澱が浄化される思いです。
私の渡伊と同時にぐんと気温が下がり、嵐の影響で波も高く、ピーチは風もかなり吹いていて、海自体は暖かくても上がってからが寒すぎると、海に入れない日が続き悶々としていました。いつだってトスカーナに来たら海に入ることが1番の目的なのに。が、英帰国の前日についにビーチ日和到来!念願を果たせたのでした。
そしてもうひとつのお楽しみはワイン。本当に美味しいワインは外には出ないのでしょう。ロンドンに比べると嘘みたいにリーズナブルな値段で感動的に美味しいものが飲めるので、大幅減酒をしているのも一旦忘れて、毎日、昼夜問わずトスカーナワインを堪能しました。
なかでも興味深かったのがこちら。
友人宅から一番近いピーチ沿いの繁華街にある食事も美味しいカジュアルなワインバーで好みを伝えて、グラスで出してもらったもの。とてもライトな口当たりながら遠くに深い味わいがあって、伝えた好みに合っていて美味しいけれど、軽過ぎて好みど真ん中ではないかなと思っていたら、飲むにつれてだんだん水のように感じてきました。
ところがおつまみに頼んだフリットを食べながら飲むと、今度はグッとボディのあるとても好みの味に変わりました。しかもイカ、エビ、野菜とフリットの種類によっても、さらには一緒に出されたパンの種類によっても味が変化します。
どゆこと?とお店のソムリエ氏に聞いてみたら、このワインは2重醗酵したものだから(イタリア人友による超ざっくり訳)だそうで。結局最後まで狐につままれたような気分のままでグラスが空いてしまいました。また来年、別のおつまみで再会することを楽しみにしています。
ちなみに今回のトスカーナ訪問で飲んだものでいちばん好みだったのはこちら、友人宅から車で15分ほどのところにある丘の上の古い風車を改装した小さなワインバーで飲んだGiovanni Chiappini wineryのヴェルメンティーノ。このバーの周りには葡萄畑とオリーブ畑が広がり、その反対側の遠くには海、そして空。特に日の入りの時間帯の景色は素晴らしいのです。ここで飲むワインがいつだって美味しいのは、ワインの質はもちろんのこと、気候や景色もいい感じに影響しあっているのかもしれません。
食べものの方は、とりあえずピザ・ミッションを遂行するためにピッツエリアに行った以外はレストランでしっかり食事をすることもなかったのですが、友人がこれは絶対食べて帰ってと、ベーカリーで買ってくれたFarinataが、なんで今まで教えてくれなかったのよ?と文句を言いたくなるほどに美味しかったです。家でも作れるらしいので近いうちに挑戦してみようと思います。
あとマリトッツォ。日本で流行っていた頃にインターネット上でよく目にして、ずっと食べてみたいと思っていたのです。それが遅い朝ごはんを食べに行ったカフェで偶然遭遇。友人に「日本で一時期めっちゃ流行ってたらしいのよ、これ」というと「そうなの!?」とびっくりしていました。なんでも彼女のお父さんの大好物らしい。やっと食べることができてうれしい。
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海とワインともう一つの目的はもちろんイタリア人友との再会。彼女はパンデミックの最中にロンドンから引っ越して行ってしまったので、いまだに年に1度しか会えないのが不思議な感じです。今回もよくしゃべりました。普段あまり喋らないので夜になると喉が痛くなるほど。彼女はもう何年ものあいだミッドライフクライシスというか、出会った頃の自由奔放さが影を潜めてしまって長いこと堂々巡りをしているのが、友としてはなんとももどかしい限り。帰りの空港までの道でも相談雑談は続き、半ばカウンセリングセッションと化していたのでした。早くそこから抜け出せると良いなあと願うばかりです。
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ロンドンに戻ってきたら、インディアンサマーが到来していました。出発前は冬?というくらい寒かったのに。そして来週からは恐怖の大学2年生生活が始まります。2年生はめっちゃキツいとパーソナルチューターからも脅かされているので、子供の頃から夏休みが終わるのを惜しんだことなんてなかったのに、ここにきて初めて、新学期が始まるのが憂鬱でなりません。一生夏休みみたいに暮らしたい。。
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