「一部だけを切り取る」ことの危うさ
TBSのドラマ「不適切にもほどがある」を見終えました。
私はドタバタしている番組やリアルさに欠けるドラマはあまり好きではないので、周囲からおもしろいよと言われても、いやいや私は…と敬遠していたのですが、
Netflix でも見れるというのでちょっと見てみるかと見てみたところ…
昭和世代の人間としては懐かしさがこみ上げるとともに共感する箇所が随所にあって、
昭和と令和の対比はとても楽しく勉強にもなり、
でも時代が変わっても変わらないこともあることを見せてもらい、
軽い気持ちで見始めましたが、どっぷりはまってしまいました笑。
どの回にもそうだよね、と頷く場面があるのですが、
私の場合、特に響いたのは9話。
近所の人から「だからパワハラで停職処分にもなるのよ」と揶揄された娘を目の当たりにした父親が「そこだけ切り取って人を判断するな」ということを言うのですが、
それはまさに算命学を学んでいる中でも気を付けないといけないなと思う点で、
この占技の答えがこうだから、とか
今こうだから、とか
一部分だけをみていると大切にしないといけないことをないがしろにしていたり、本当に見ないといけないものを見誤ることにもなるな…と。
不穏に見える要素も1つだけであれば要警戒とまではいかないものですし、
他の占技を組み合わせれば違う視点が持てたりすることもあり、
もちろん、今現在をなんとか変えたいと思って相談にこられる方には即効性のある解決策が必要なのかもしれませんが、
もっと広い視野で人生を見渡せば、今現在の様子が違って見えてくることもあるかもしれず、
「一部だけを切り取る」ことの無意味さ、危険性は常に持っておくべきだと再確認しました。
また、このドラマのタイトル通り、
時代が変わればその社会の様子も変化し、「不適切にもほどがある」ものが一部出てくるもので、
特に古来から長く伝承されている学問を現代で有効に使いたい場合、その解釈を現代に適応化させていく必要もあり、
真摯に学ぶ姿勢+時代や社会との兼ね合いを考慮、をしながら、
自分の頭で考えることの大切さや検証の重要性についても考えさせられます。
算命学の世界は追うほどにその奥行きは広がり、その深みは増していき、ゴールなき世界ですが、
時代の変遷にもゴールがないのですから当たり前の話なのかもしれません。
また数十年後、今度はその新時代と令和と昭和を比較した「続・不適切にもほどがある」をぜひとも製作してほしいものだと密かに期待しています。