砂漠/雨季篇

熱風が雨を呼び
稲妻が煙草に火をつける
砂に光をうつし
都市をつくり、
(空に)ひらかれた眼を、ラクダの隊商が横切る。
揺れるナツメヤシの葉、
素焼きの甕の欠片、
模様のある壁、
白い砂丘、白い太陽。
今も砂漠の声は
風をすりぬけて
遠い海岸に、苛烈な愛しさを伝えてくれる。

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