集中力がない子どもの6つの要素と対応法 その1 〜苦手意識に向きあう〜
こんにちは!子どもと共に未来を育む 共育コンサルタントの金澤です。
「うちの子、集中力がないんですがどうすればいいですか?」
という質問に対する回答を以前取り上げました。
この記事では、大きく6種類の「集中を邪魔する要素」があるとお伝えしましたが、それぞれについて詳しい各論については触れていませんでした。
そこで今回は、プレミアム家庭教師として、それぞれの要素に対してどう考え、どういう対応を取るかを解説していこうと思います。今回は6種類の要素のうち3つを取り上げます!
1:勉強の目的がわからない場合
「そもそも勉強をなんでやらなきゃいけないかわからない」という質問は、一度は子どもからされたことがあるのではないでしょうか。
私は、その質問に対しては直接答えず、もう少し深く話を聞きます。
詳しくはこちらのnoteで取り上げていますので、ご一読ください。
2:勉強内容に対する苦手意識がある
苦手意識が強くて、どうしても勉強に取り組む気にならない、というケースがあります。こういう生徒の場合、得意な問題やできる問題を解いている時はスラスラと進みますが、難しいものが出てきたらピタッと止まってしまいます。また、そもそも勉強そのものが苦手でやる気にならない子もいれば、特定の科目や単元が苦手な場合もあります。
気をつけて欲しいのは、「苦手」=「集中を欠く」と必ず繋がるわけではないということです。人によっては苦手なものを勉強する方が燃える人もいるはずです。なのに、その子は苦手なものを前にすると集中を欠いてしまう。ということは、 苦手 → ◎何かの要因◎ → 集中を欠く という流れになっているはずで、その何かの要因を見つけてアプローチしないと修正できません。
その「何かの要因」は本当に人それぞれですが、私が今まで見てきたものだと大きくわけて2パターン。一つは「先生に強烈に怒られた」「テストですごく悪い点を取ってショックだった」「授業中にわからなくて恥ずかしい思いをした」のような、単発だけど大きく感情が動いたケース。
もう一つは「いつも親にあなたこの科目苦手ねってよく言われる」「何かと兄弟で比べられる」「いつも仲のいい友達に少しだけ負ける」など、感情の動きは小さいけど何度も同じことを繰り返されているケースです。
どちらも、勉強に対する苦手意識が植えつけられ、その科目や単元に取り掛かろうとすると無意識に脳が活動を弱めてしまって、集中しづらい状況になってしまうのです。(他の要因でもこのメカニズムは似ています)
苦手意識ができてしまっているときの対処法の一つは、「そうはいってもできていることもあるはず」だと考え、できるものを探すことです。苦手だ苦手だと言っていても、この分野・単元・科目はすごくできるよね、というものが必ずあるはずで、それを一緒に探します。子ども自身では、もう「苦手だ」という固定観念ができてしまっているので、なかなか気づくことができません。なので、ぜひ保護者の方が一緒に探してあげて欲しいのです。
自分ができるものがあるんだということに気づけば、そこから「どうやって勉強すればいいか」「どんなことができたら得意だと思えるか」など、前向きに考える入り口にすることができるでしょう。
3:勉強に関する過去の経験がトラウマになっている
トラウマになるというのは、2で挙げた単発だが大きな感情の動きがあった時に多く発生します。トラウマとは、過去の良くない体験が深く意識や体に刻まれてしまい、悪影響を及ぼしてしまうものです。
勉強に関するトラウマの要因になることとしては、体感として多いのは「中学受験(あるいはもっと子どもの時の何かしらのテスト)で不合格だった」ことや、「親や先生に勉強でものすごく叱られた」ことが挙げられます。普段から意識しているわけではないのですが、この体験が心の奥底にあって、集中して勉強に取り組むことを邪魔してしまうのです。
トラウマを治すのは簡単ではありません。基本の働きかけは2で解説したものと同じ「できていることに注目する」ことなのですが、それだと効果が出ない(極めて弱い)こともあります。
その時は、そのトラウマが起きた時のことを鮮明に思い出してもらって、その上で今だったら何をすれば同じことを起こさないでいいかを考えていくアプローチが効くかもしれません。
ただ、これは一般家庭で保護者の方が子どもに対してやるアプローチとしてはお勧めできません(心理学的な専門知識やスキルが必要なため)。もし勉強に対してトラウマがありそうだと感じたら、私のような教育に携わるコーチやカウンセラーにご相談するのをお勧めします。
残りの3種類、「集中する環境」「他の関心ごと」「自覚の欠如」については、また明日お届けします!
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