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詩『夜を賭して』

夏の夜はまだ明ける前に
宵ながらも明るさあり

秋の夜長に深々と思い募るのは
人生の奥深さにも似た
群青の夜空
小星の静かな輝き
まこと無限の広さ我に教えけり

彼方より神の糸なり宇宙線
ここより永久に眺めるなり
永久に人々の幸を願いけり

あまたの人の数だけの
あまたの悩みの種尽きぬ

乙女が恋を患うがごとく
土の下から次々と
わいては消えて
消えてはわきいづる水のごとくに
さてもきりなし

いつの夜も
いつの世も

いくつもの夜を賭して
千年の世を賭して

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