『眠れ魂』
静寂の中、背中にも胸にも
流れるのは熱い血
きみ、今までに泣いたことはあるか
私は、心のなかでは何度かある
言葉にはできない些細な
己にしか理解できない事柄で
苦労のたびに人に対する愛情は
培われていっただろうか
自信は無くても日は昇る
闇は否が応でも光に覆われる
太陽を残酷と思うことはあるかい
人の心は満ちては引いて
波の如く変化するものだ
一日の内にも気づかずに
刹那、きみも私も
流れる熱い血を感じたが
終いには、白く息づくだけになる
粉々に砕けそうな氷像になる
かろうじて生きている儚さ
眠れ魂、
いつしか埋もれる季節の中で
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