冬の気配に一人
最後のその日まで
会えなかった白い霧の中
また此処で再び会おうと
手を振った日はもう遠い
潰れてしまったフードコート
誰も足を向けずにテナント募集中
ハンバーガーを食べた思い出
それは確かな記憶
貴方と語り合ったその場所
人混みの雑踏に隠されて
建物があったのか確認する人も居ない
涙など流しゃしないが
貴方は行方を眩ませた
コートの襟を立ててしゃがんだ
こんなに挫けて情けない自分に
誰か手を差し伸べてくれないだろうか
現実は只管甘さを裏切るものだ
誰も手を差し伸べてくれないだろうが
自らの毒に侵されて死んでしまう
外はすっかり寒くなってしまった