[備忘録]Dante接続設定(YAMAHA DM3〜Tricaster 2 Elite)
こんにちは、秋葉原ベストセラースタジオの進です。
今回は、いまさらながらDante(ダンテ)による音声接続を試してみました。備忘録も兼ねて書いていきます。
Danteとは
Danteについて、簡単に説明しておきます。
大まかにまとめると
ミキシング機材同士の煩わしいケーブル配線処理、コントロールを
ひとつのLANケーブル、ネットワークで束ねて一括管理してしまおう、というシステムです。
本来であれば、
音声を各システム毎に個別でコントロールしたい場合、
各システム間で音声の数だけケーブルを接続する必要が出てきます。
マイクと音声出しで合計8音声を使用するのであれば
マイク 〜 オーディオラック間で8本、
オーディオラック 〜 会場スピーカー用ミキサー間でまた8本、
オーディオラック 〜 配信用ミキサー間でさらに8本、、、
とケーブルの本数が倍々に増えていきます。
これがDante接続を用いれば、
システム間の接続がネットワークケーブル1本で済みます。
上記の例であれば、8×3= 24本のケーブルが「3本」で完結します。
ケーブル敷設などを含めた下準備や、音声制御などをより円滑に・柔軟に管理することが可能です。また、ケーブルの特性として、長距離伝送が安定することも大きなメリットとなっています。
今回はそのDanteの接続設定を、一からやってみることにしました。
音響ミキサー → DVS 音声入力
1. デジタルミキサー(DM3)側 設定
まず、Danteを使用して音声ルーティング(送り先の指定)をする場合、
送り側と受け側のサンプリングレートを揃える必要があります。
また、ここでDanteの出力先も指定しておきます。
後で設定しても構いません。
「WordClock」「Patch」この2点の設定を確認してください。
また、Dante Setupも設定できるようであればしておきます。
Dante Patch > AutoSetup で完了です。
2. Dante Virtual Soudcard 設定
続いて、Dante Virtual Soundcardをインストールします。
今回はTricaster本体にインストールします。
下記を設定します。
設定後、Startを押すとDanteが起動し、以降共有ネットワーク上でDante接続された音声、ミキサーのルーティングなどの情報が拾えるようになります。
3. 音声ルーティング
送り側と受け側、両方のDante接続の準備ができましたので、
続いてDante音声のルーティングをしていきます。
Dante Controllerを使用することで、共有ネットワーク上のPCからルーティングの設定が可能です。
(Window、Mac版があります)
大まかに、縦に並んでいるほうがレシーバー=受け側(Input)、
横に並んでいるほうがトランスミッター=送り側(Output)
となっています。
送り側と受け側を指定したい位置(クロスポイント)を指定して
クリックすることでチェックマークが入り、ルーティングされます。
今回は1〜4をそれぞれ同じ番号にルーティングします。
(DM3 OUT(1)=ELITE IN(1)、OUT(2)=IN(2)・・・)
4. Tricasterプロジェクト側 設定
Danteのルーティング設定ができたら、最後に受け側を設定します。
Dante Virtual Souncardを設定後にTricasterを立ち上げると、
音声入力の選択にDante入出力が追加されるようになります。
ここではDante1〜4を指定します。
この時、Tricaster側でDante Input 1〜4を指定している音声が
「Dante1-4」というひとつのInputの中にCh 1〜4 として
束ねられた状態で認識されます。
そのため、複数のInputに同じDanteグループを指定したり、
使いたい音声のみ残して単体音声として扱ったりと、
必要に応じてTricaster側でルーティングをしてください。
Tricaster(DVS) → 音響ミキサー 音声出力
また逆に、Tricaster上で再生された音声(BGM、SE、動画音声など)を
音響ミキサーに入れる場合は、Tricaster側音声ミキサーのルーティング項目から設定ができます。
今度はTricasterプロジェクトから設定してみます。
Tricasterプロジェクト側 設定
その後、Dante Controllerのルーティング、音響ミキサーのDante入力をして完了です。
こちらの手順は先と同様になりますので省略します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はDanteとその設定についてお話しました。
初期設定はやや複雑ですが、要点は抑えられているはずですので、試験環境があればぜひお試しください。
以前書いた映像伝送のLMSもそうですが、ネットワークによる機材構築にまた大きな可能性を感じました。
こちらはより簡単に試せるシステムとなっていますので、合わせてご一読いただけますと幸いです。
今回は以上です!