折々の宮処:いまこそ、上野。
なぜ、上野か。
秋の夜の風に吹かれて、下町を彷徨う。仄暗く静謐な街灯。軈ては上野のまちに辿り着く。
寂しいターミナルである。東京駅に新宿駅に、帝都夫々の結節点を思えば、上野くらいやつれたステイションもない。それでも、コンコースは程よく賑わい、相変わらず汚い。
御徒町方面からの人流が、広小路口に吸い込まれてゆく。始発列車の去る地から、冬の彼方に帰る人びと。
すっかり冷えきった夜空に、東京の美しさが垣間見えた。
なぜ、上野か。
秋の夜の風に吹かれて、下町を彷徨う。仄暗く静謐な街灯。軈ては上野のまちに辿り着く。
寂しいターミナルである。東京駅に新宿駅に、帝都夫々の結節点を思えば、上野くらいやつれたステイションもない。それでも、コンコースは程よく賑わい、相変わらず汚い。
御徒町方面からの人流が、広小路口に吸い込まれてゆく。始発列車の去る地から、冬の彼方に帰る人びと。
すっかり冷えきった夜空に、東京の美しさが垣間見えた。