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27歳と1日目

2月28日で、27歳になった。
27歳といえば、母がわたしを産んだ歳でもある。

そして、わたしのだいすきなお仕事マンガ、『サプリ』の主人公、藤井ミナミの年齢でもあり、とうとう追いついてしまったなあ…という気持ちでいっぱい。
歳を重ねるごとに、読んできた漫画の主人公の年齢を超えてしまう。
26になった時は、『砂時計』の杏が最後に大悟と結ばれる年齢になってしまった!と思って、ロケ地である島根・鳥取に旅行に出かけたりもした。

もともと、作者のおかざき真里さんと名前が同じだ〜!というだけで気になって手に取ってみたんだけれど(「真里」という漢字の人はなかなか珍しい)、読んでみるともうそれはそれは金言の宝庫でわたしの中で一番のお仕事マンガになった。仕事・恋愛・友情・人の死…すべてが詰まった、働く女子におすすめの作品。

そんなだいすきな『サプリ』のセリフを紹介します。

▼あらすじ
広告代理店で働く藤井ミナミは、制作局に所属してCMを作っている。連日徹夜したり、残業したり、休日出勤が続くほどの激務に追われている。仕事が好きで、仕事はできるタイプだが、常に悩んだり迷ったりしている。学生時代から7年間付き合ってきた彼氏に「仕事と自分、どっちが大事?」と言われて別れたところからストーリーは始まる。


「モチベーション下げないのがプロの仕事、恐い顔しないのが女の仕事」

「努力が評価されるのは義務教育まで!」

「笑顔ひとつで仕事が回るなら安いものよ♡」


数ある台詞の中でも一番好きなものはこちら。
"そもそも自分のやりたい事があらかじめ社会に職業として用意されてるわけないと思いますが?"


Twitterに載せたら、プチバズが起こってびっくりしちゃった。
でも本当にこの通りで、刻一刻と変化する社会の中で自分がやりたいことが100%合致することなんてない。これはゼロ年代に描かれた作品だけれど、現在の方がより共感を得やすいセリフだと思う。


最初にこの作品を読んだのは大学生の時で、広告代理店がこういう場所であることも、フリーランスとしての働き方があることも、あまりイメージできていなかった。社会人になって5年目を終えようとしている今、いろんなことがわかってきた今だからこそ、もう一度読み返したいな。

主人公の藤井は、とにかく仕事熱心で、というよりこの話に出てくるすべての人が本当に仕事熱心で、よく元気をもらっていた。社会人になってから5年間、がむしゃらに仕事ばかりやってきたわたしは、きっと今読むと当時と全然違う感想を持つんだろうな。



小学館cheese!編集部の畑中さんにお話を聞いた時、少女マンガには二種類あって、「現実逃避系」「現実直視系」があるとおっしゃっていたのだけれど、わたしは「現実直視系」のマンガが結構好きだ。

「現実逃避系」というのは、いわゆる王道少女マンガで、冴えない主人公がキラキライケメン系のキャラクターと結ばれるハッピーエンドの物語。

「現実直視系」というのは、この『サプリ』とか東村アキコさんの『東京タラレバ娘』のような、フィクションなんだけど現実を直視したリアルさのある物語。
あと芦原妃名子さんの『Bread and Butter』とかもそうかな。


作者のおかざき真里さんは、インタビューの中でこう語っている。

「大人の仕事は楽しそうに生きること」

これは、わたしの仕事のモットーでもある。
大人は辛いのが普通、仕事はしんどいのが普通、楽しくないのが普通、という刷り込みをされながら育っていく子どもたちにとって、「大人は楽しいよ」「大人ってこんなに自由だよ」「仕事は楽しいよ」ってことを伝えていくのが、我々教員の役目だと思っていた。(少なくともわたしは、仕事はしんどい楽しくない大人になるのは辛い、というネガキャンばかり聞いて育ってきた)

別にこれは教員に限らずどの仕事でも同じで、大人は楽しいよ、仕事は楽しいものだよって伝えていける社会になればいいなと思う。なんて綺麗事かもしれないけれど。少なくともわたしは、社会人になってからの方が数倍楽しいなあと思っている。誰に扶養されることもなく、自分の裁量で自分の人生のすべてをコントロールできるなんて、こんなに素晴らしいことはない。

27歳のわたしも、どうかよろしくお願いします。

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