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心が絡めとられていく恐ろしさを感じる小説

柚木麻子さんの『BUTTER』を読み終えた。ハードカバーの時に表紙を見て素敵だなぁと思っていてずっと気になっていた小説だ。長編小説を読める気がしなかったから買わなかったけど、今年に入って単行本で発売されたのをキッカケに「私は読める私は読める」と言い聞かせて購入した。

実際にあった殺人事件を元に書かれたこの作品。主人公は週刊誌の記者をしている女性だ。犯人の女性は、男を騙して多額のお金を受け取り、自殺のような形で被害者を殺害したとされている。

主人公は拘置所で収監されている犯人との面会を通して、心を奪われていく。TVドラマで見るようなアクリル板を挟んで話しているのに、話が進むにつれて徐々に犯人に心を絡めとられていく様が本当にゾッとする。その会話の中で出てきた犯人が好きな食べ物や景色を、指示に従うように追体験する。その行程で亡くなった被害者のように犯人の信者になっていく。それが不自然ではなく、自分もそうなるのかもと思えてしまうのが恐ろしい。

結末は言わないですが、途中に主人公の友人も恐ろしい全てを捨ててるとしか思えない行動を取ったり後半のハラハラ度がすごい。なんでそんなことできるの、って思う。でも、たった数ヵ月の間に人生変わるような出来事が起こって(ってゆうか起こして?)それを受け入れながら進んでいく登場人物たちの様子は力強くて好きでした。

そして、美味しいものを食べたくなる。
是非、読んでみてください。面白かったです。

ほんとに面白かったぴよ🐤

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Berico/ベリコ
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