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「自信」とは成功体験の積み重ねというけれど

スペインに引っ越してきた時、私には何もなかった。
スキルも経験も不足していて、現地の言語も話せないからすぐに働くこともできなかった。

26歳にもなって、何もないのか、と自分にがっかりしたこともある。

夫の周りは研究者の卵のような人ばかり。
私以外は皆、人生における「パッション」を持っているのだと思い込んでいた。

日本の友人達は、昇進したり、子供を持ち、

私だけ取り残されたように感じていた。

人見知りの自分からは、なかなか友人の深いところの考えを聞くことが出来なかったが、少しずつ打ち解けてゆく内に、わかったことがある。

誰でも「自信」を持って前に進んでいるわけではない。

研究者の卵の友人達も、悩みながら「選択」しているのだ。
「この歳になっても、まだ学生なのか」と言われることもあるらしい。
自分が羨ましいと思っていた人も、それなりに悩みながら進んでいるのだ。

そうして、いろいろな人の考えを教えてもらう内に、誰かと比べて落ち込むだけではなく、
自分はどうしたいのだろう、と考えるようになった。

実のところ、今だって胸を張れるようなスキルや経験を十分に身につけたわけではない。

ただ、そんな自分を受け入れることができるようになったのは確かだ。

他人と比べることがいかに愚かなことかは、分かっている。
それでも、自分に自分が満足できていないと、
どうしても比べてしまうものなのだろう。

それ自体はなかなか意識せずにはいられないのかもしれない。
けれども、そんな自分がいても良いのだ。と受け入れることはできる。

その受け入れることそのものがとても難しいのは、わかる。
ただ受け入れない限り、前に進めない。

周りがどんなに立派な経歴や仕事を持っていても、
自分は自分、他人は他人である。

羨ましがっても、自分を変えてくれることはない。

ならば、自分がどんな人生を歩みたいのか、
試行錯誤していくほかない。

「自信」というのは、小さな成功体験の積み重ねだというけれど、
たくさんの行動と失敗から学び、そのうち成功が増えていくことで、
「自信」というものができあがっていくのだと思う。



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