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【競馬】想定外のペースに泣いた淀の2歳マイル王決定戦【朝日杯振り返り】

完全に思い描いたのとは違う形になってしまった。勝ち馬がとかそういうハズシ方ならまだ良い(良くはない)んだけど、今回はレース自体が全く予想したものと違う形になってしまった。

とはいえ、○アドマイヤズームと▲ミュージアムマイルがワンツーとなり、完全にアテが外れた訳でもなかった。このあたりのカラクリを整理しておこう。

やはり行かなかったアルレッキーノ

まぁ逃げないよねっていう話だ。キーポイントなのは『2歳』というところなんだよね。競馬を覚えて間もない時期で、これから先の方が長い。そこで活躍出来るよう、G1というレースでありながらも教えながらの競馬になるのが2歳のグレートクラスの競争だ。

アルレッキーノはデビュー戦をハナから自由な形で制したが、あれはメンバーレベルもあってのこと。後の事を考えれば、騎手としっかり受け答えが出来るようにならないといけない。そういった意味で、前走も控える形に徹していたが、今回も同じだと思う。まだ教育の途上にあるが故に、逃げることはしなかった。

まぁ、今回も控えてこの結果だし、次あたりにはいっそ得意な形でってなるかも知れないが。この切り替えのタイミングが怖いよね。陣営としてもあからさまに晒すようなことはしてこないだろうし。今後はそういった意味での読み合いになる。

アルテヴェローチェは『惨敗』したのか『健闘』したのか

個人的には後者だと思う。
アルレッキーノよろしく、この馬もまだ教育の最中にある。スタートこそそれなりに出たものの、序盤から掛かりが酷かった。そこで行かせてしまえばそれまでの馬になりかねないし、やはりこの時期にその選択肢は無い。ましてや鞍上は豊さんだ。乗り馬の先々の活躍をしっかり考えた上でのこと。ガッチリと抑えて控えに回った。

例年の朝日杯ならペースが流れ、控えに徹したことが後に活きる展開になっていたんだろうけど、今年はスローを超える超スロー。掛かりを抑えながら位置を下げてしまった時点でかなり苦しいレースになってしまった。

加えて、内外に目立つような差が見られなかった馬場状態で、こうなれば内の先行馬の独壇場となってしまう典型的な形になってしまった。それをやや外から追走していた分もあり、どんどん苦しさが増してしまった。

ただ、そんな状況からでも掲示板にねじ込んできた。正直、3コーナーあたりからの位置取りや、それまでの状況、レース展開なんかから考えれば強い内容だと言えると思う。今回見えたメンタル的な未熟さをどう解決していけるか。課題がハッキリと見えた良いレースだったと思う。

評価出来る馬たち

アドマイヤズームは展開にハマりきった勝ちでもあると思う。予想でも書いたが、未勝利を勝ったときの時計も良く、高い評価をしていただけのことがあったと思うが、そこに展開が上乗せで味方した感じ。友道厩舎だし、このあとどこに向かうかだけど、順当にクラシック路線かな。この厩舎には距離適性なんて言葉は通用しないしね(笑)

ミュージアムマイルは地力がかなりのものじゃないかな。出遅れて後手を踏んでから、苦しい形になりながらも2着。タフさもありそうだし、距離も2000くらいはこなせそう。まだまだ先が楽しみで、今回評価したい存在だ。コース、馬場も問わずにやれそうだしね。

ランスオブカオスは甘く見ていた。というより、自分が予想する上で優先度がそこまで高くない調教というところで良かった存在だ。展開の助けもあったが、若手騎手を背に大健闘だ。

評価を注意したい馬たち

ダイシンラーはある意味で今回のポイントとなる馬。ハナを行って4着。これが意味することがかなり大きいと思うんだよね。つまり、今年の朝日杯がそういうレースだったっていうことがこの着順に詰まってると考えている。陣営のコメントのとおりでもあると思うが、展開を完全に味方につけたパーフェクト騎乗。それでいて4着となると過大評価は出来ない。

ダイシンラーは今回のポイントとなりえたので取り上げたが、その他の馬については軒並み同じで、良くも悪くも評価が出来ない。というのも、今の京都は馬場が異常で、素直なマイル戦だったとは言えないからだ。評価した馬たちについては、それを踏まえた上でのことで、基本的にはこれ以上悪い方に転ばないだろうという前提のもとで考えている。

先週のジュベナイルフィリーズもそうだったが、京都は芝が枯れて砂が巻き上がるような状態。それが内も外も比較的フラットに起こっていて、なおかつ乾燥のため重い馬場だとは言いにくい。硬いダートとでも言おうか、土なんだよね。

芝が無い分、足元が捉えきれないものの、軟らかくはないため、劇的にパワーが居るという馬場でもないが、スタミナは居る(スタミナは京都のコース特性でもあるが)。かなり特殊な馬場になっている。

そんな中での戦績を鵜呑みには出来ないという話だ。ただ、全体的に距離に疑問が残ることは事実で、マイル以上をやれそうなのはワンツーの2頭、取り分けミュージアムマイルの方か。他は3歳の間はマイルで、徐々に短縮の方向なんじゃないかな。

そんなこんなで、今後の物差しにもしにくい一戦で、正直春以降に持ち越せるようなデータにはならなかったように感じた。まだ2歳の暮れだし、伸び代もある。この先をしっかりと見ていきたいね。

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