大人になって学ぶなら……中国語をおすすめするこれだけの理由 03
林屋啓子
雑学ネタもいろいろ
●同じ漢字なのに驚きの意味
中国語と日本語は漢字文化圏なので、漢字を見ただけで意味がかなり想像できるというお話をしてきましたが、やっかいなことに時々同じ漢字でも日中で意味が全然違うということがあります。有名な例をいくつか挙げてみましょう。簡体字が分かりにくいものは()内に日本の文字を入れ、下に意味を添えたので、比べてみてください。
いかがでしょうか?「奥さん」が“老婆”とはなかなか衝撃的ですが、“老”は「年老いた」のほか、親近感を表したり「いつもの」の意味で使ったりすることがあります。「あなたの“爱人”は誰?」と聞かれたりしても、びっくりしそうですよね。
また、「日本語と同じ意味もあるけれど、違う意味もある」というパターンもあります。例えば“东西”“地方”は「東西」「地方」の意味もありますが、後の字を軽く読むとそれぞれ「物」「場所」の意味になります。“东西”がなぜ「物」を表すのか不思議な感じがしますが、「唐の都・長安には東市と西市があり、そこに物を買いに行ったから」という説などがあるようです。
●外来語はどう訳す?
日本では外来語をカタカナで表すことが多いですよね。中国語でも近い音の漢字を並べることもありますが、できれば意味もつけたいという思いが強いようで、「音+意味」などのように組み合わせた単語も少なくありません。下にお酒の名前を並べてみました。「ピンイン」と呼ばれる発音記号も付けますので、何のお酒か当ててみてください。「ピンイン」はローマ字読みではないのですが、何となくのヒントにはなりそうです。意味がヒントになる場合は漢字を、音がヒントになる場合はピンインを赤字にしました。
今度は飲食チェーン店名で試してみましょう。
ちなみに「ファストフード」は“快餐”、「スイーツ」は“甜品”、「ケーキ」は“蛋糕”、「パン」は“面包”です。中国語の“面”は「面」と「麺」の字を兼ねているので、「ラ―メン」は“拉面”と書きます。今度、中華料理店に行かれたら、メニューを見てみてくださいね。
●誰かに話してみたくなる?
前回、『ちびまる子ちゃん』に触れましたが、アニメやゲームの中国語名をもう少し紹介してみましょう。ストーリーを知っていると想像しやすいかもしれません。下に日本の文字を入れておきますね。
答えは最後にするとして、ここで “蜡笔小新” を使って、少しだけ中国語の知識を追加しましょう。“蜡笔”は「蝋の筆」ですが、中国語の “笔” は「ペン」など広く「書くもの」を指します。日本語でも「鉛筆」には「筆」の字を使いますね。中国語も「鉛筆」は“铅笔”で、「シャープペンシル」は “自动(動)铅笔”、と言います。では“圆珠笔”は何でしょう?「丸い球のペン」、そう、「ボールペン」ですね。さて“蜡笔小新”に戻りましょう。“小新” の “小” は同年代や年下の人の名前につけると「~君/~ちゃん」の意味になります。“小李(李君)” といった感じです。ただし、“小” の後は1文字限定です。日本人は2文字の名前が多く、同年代や年下だと呼び捨てにされたりしますが、呼び捨てに失礼な意味合いはなく、むしろ親しみを込めているので安心してくださいね。さあ、ここまでのヒントで “蜡笔小新” が何のアニメなのか、お分かりになりましたか?
〈クイズの答え〉
①ビール ②シャンパン ③ウイスキー ④ブランデー ⑤ワイン ⑥カクテル
⑦マクドナルド ⑧ケンタッキーフライドチキン ⑨スターバックス ⑩サブウェイ ⑪バーガーキング ⑫サイゼリア
⑬ONE PIECE ⑭ドラゴンボール ⑮NARUTO -ナルト- ⑯クレヨンしんちゃん ⑰ファイナルファンタジー ⑱モンスターハンター