夏風が夏めく夜に 5 熊倉ばくば 2024年7月31日 22:42 窓の向こうは昨日のまま並ぶ街灯が灯っていく窓の隙間を少し開けて風にカーテンふれてふいに明るむ空遅れて爆ぜる音まばゆさよ騒がしさよどうか遠くで夏風が夏めく夜の浅い夢が滲んで見えた僕が僕正す時間が すこしでも早く終わるようにめくるめく日々の向こうの静寂をなぞる喧騒僕が僕正す時間が 終わるまでこの目を閉じていよう歩めなかった道を行く人波も引いて川の流れに手を伸ばしまた同じ間違い あそして巻き戻る時間続いて呻く声愚かさよ浅ましさよ未だに体は 覚えてる朝焼けに色づく街の始まりを通り抜けて僕が僕正すこともないまま適当に虚ろをまとって青空が青めく朝のまばゆさにまぶたが閉じてく僕が僕らしく生きるほどありふれた未来が閉じてく歩むべき標の先を語るべき心の奥を夏空が夏めく正午に二度と覚めないほど深い眠りを夕焼けに色づく街の色褪せる窓の向こうを僕が僕らしくいないように言の葉をむしり取ってく #詩 #音楽 5 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート