夏風が夏めく夜に

窓の向こうは昨日のまま
並ぶ街灯が灯っていく
窓の隙間を少し開けて
風にカーテンふれて

ふいに明るむ空
遅れて爆ぜる音
まばゆさよ
騒がしさよ
どうか遠くで

夏風が夏めく夜の
浅い夢が滲んで見えた
僕が僕正す時間が
すこしでも早く終わるように

めくるめく日々の向こうの
静寂をなぞる喧騒
僕が僕正す時間が
終わるまでこの目を閉じていよう

歩めなかった道を行く
人波も引いて
川の流れに手を伸ばし
また同じ間違い あ

そして巻き戻る時間
続いて呻く声
愚かさよ
浅ましさよ
未だに体は 覚えてる

朝焼けに色づく街の
始まりを通り抜けて
僕が僕正すこともないまま
適当に虚ろをまとって

青空が青めく朝の
まばゆさにまぶたが閉じてく
僕が僕らしく生きるほど
ありふれた未来が閉じてく

歩むべき標の先を
語るべき心の奥を

夏空が夏めく正午に
二度と覚めないほど深い眠りを

夕焼けに色づく街の
色褪せる窓の向こうを
僕が僕らしくいないように
言の葉をむしり取ってく

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